検針機とは
検針機はアパレル製品において、製造過程で混入した針、折れた針の破片、ホッチキス針などを検出する機械です。
アパレル業界では、一般的に生地に対して針と糸を使って縫い合わせて製品を作ります。縫い合わせの工程で、針が折れて、その破片が製品に混入すると重大なクレームになります。
そこで、アパレル製品を製造する会社では、製品を出荷する前に、製品の中に針や針の破片が紛れ込んでいないことを、検針機を使って検査しています。
検針機は、医療現場では、患者の頭部に針やヘアピンがないことを確認するためにも使用されています。
検針機の使用用途
検針機は主にアパレル業界を始め、医療現場や食品業界など幅広い業界で、針や金属片の混入を防ぐ目的で使用されています。
検針機が使用される業種は縫製、リサイクル、医薬、医療、物流、ベビー用品、スポーツ用品、化学、警備、防犯など広い範囲におよびます。
検針機の具体的な使用例は以下の通りです。
・縫製品に混入した針、折れ針、鉄片の部分探知
・婦人服・子供服・紳士服などアパレル製品の忘れ針などの検針
・ネクタイ、ストッキングなど小物の製品の検針
・テキスタイル、カーペット、フェルト、不織布など繊維製品に混入した針の鉄片を探知
・医薬品に混入した針、釘等の鉄片探知
・ヘアピン除去などの医療用探知
・凶器、警備、保安用探知
・ゴム、プラスチック原料、シート、ボード、段ボールなど工業原料に混入した鉄製の検針
・バッグなどの手荷物、小包の検査
・製品に混入したボルト、ナット、鋲、針など小鉄片の探知
検針機の原理
検針機が被検査物の中から針や金属を見つける方式には、磁場を利用する磁気誘導方式と電磁場を利用する電磁誘導方式があります。
1.磁気誘導方式
磁気誘導方式の検針機は、永久磁石のN極とS極の間に作られた磁界の中を鉄片が移動する際に生じる磁界の歪みを検出する方式です。
磁気誘導方式の検針機は鉄片探知機の一種で、鉄製の針、釘、ナットやその破片の検出に使用されています。
2.電磁誘導方式
電磁場を利用した検針機では、相対するコイルの間に生じる電磁場を利用します。片方のコイルに電圧をかけると、他方のコイルには誘導起電力が生じます。この電磁場内を金属片が通過するとコイル内に電圧変動が発生します。この電圧の変化を検知することで金属片の存在を検知します。
電磁場を利用した検針機は、金属探知機の一種で、金・銀・銅・アルミ・ステンレスなどの磁石に吸い寄せられない金属も検知可能です。しかし、鉄類に比較して検出感度は低くなります。
検針機の種類
アパレル製品に混入した針の破片などを検出する検針機には、ハンディタイプ、卓上タイプ、コンベアタイプなどの種類があります。
1.ハンディタイプ
ハンディタイプは、台の上に広げたアパレル製品にハンディタイプのセンサーを近づけて針な残存物の存在を検知します。小型で軽く扱いやすいのが特徴です。但し、センサーと被検査物との距離によって感度が変化します。
2.卓上タイプ
卓上タイプの検針機は、センサーが仕込まれたフラットな台の上に、アパレル製品をおいて針などの残存物を検出します。比較的小型で場所を取りませんが、被検査物が台の面から離れるに従って感度が低下します。
3.コンベアタイプ
コンベアタイプの検針機は、トンネル状のセンサーの中をベルトコンベアに乗せたアパレル製品を通過させる構造になっています。アパレル製品を大量生産する工場のラインに組み込まれて使用するのに向いています。
4.その他の方式
アパレル製品以外にも使用される検針機には、超音波を利用した方式、X線を利用した方式、赤外線を利用した方式などもあります。
超音波を利用した検針機はアパレル製品の他に食品、医療機器などで使用されます。X線を利用した検針機は医療分野などで使用されています。赤外線を利用した検針機は食品分野などで使用されています。
参考文献
http://www.hashima.co.jp/j/products/category1010.html
https://jmdm-atter.co.jp/product/index.html
https://shop.webshiro.com/item_list/01155/
http://www.sanko-denshi.co.jp/teppen/index.html