家具製造

家具製造とは

家具製造とは、様々な用途で使用される家具一般を製造するサービスです。

机・テーブル、椅子・チェア、収納家具など、様々な種類の家具が製造されます。箱物家具類と脚物家具類に分類されて区別される場合もあります。材質の種類は、木製家具やスチール家具など、製品や用途によって様々です。家具製造にあたっては、設計から、製材加工、組み立て、塗装など、製品完成まで様々な工程があり、様々な加工方法を用いて製品製造が行われています。

家具製造の使用用途

家具製造には、様々な種類の家具の製造が総称して含まれています。製造される製品は、机・テーブル、椅子・チェア・ソファ、箱物家具、収納家具など、様々です。

製造される家具の用途は、家庭用のみならず、店舗・商業施設用、オフィス用、学校などの教育施設用など様々な用途があります。

家具製造の原理

1. 工程

家具製造は、複数の工程を経て行われます。実際に家具製品へと加工・組み立てる工程の他にも、様々な工程を経て家具へと加工されます。

  1. 製材加工: 材料となる木材などを板材へと加工します
  2. 設計・図面の製図
  3. 部材の寸法や枚数の拾い出し・リスト化
  4. 部材のカット
  5. 加工処理: 事前に作成した加工データを基に穴あけをはじめとする各種加工処理を行います
  6. 組み立て
  7. 仕上げ・塗装
  8. 検査
  9. 出荷

多くの場合において、機械化や分業によって効率化が図られている事が多いです。特に図面作成や、加工データの作成などは、コンピュータ化されている場合も多く、加工機械と連動して機械による効率的な管理が進められています。

また、この他にも木材の表面に高温のローラーで圧力をかけ、熱圧処理を施すことで強度や硬度を高める圧密加工や、板材に熱と圧力を加えて曲げる加工などが施される場合もあります。

2. 家具製造における加工と使用される機械

木製家具製造における切削、穴あけ、などにおいては、自動化・効率化を行う目的で、 NCルーター、CNCマシニングセンタなどが積極的に導入されています。また、スチール製の机・椅子など、鋼管を使用する製品では、切断・曲げ・溶接・塗装・組立の加工が行われており、パイプレーザー加工機や自動折り曲げ機、自動溶接機などの機械が使用されます。

また、加工や組み立ての際には、部材を正しい場所に配置するために治具と呼ばれる補助器具が使用されます。製品毎や部品ごとに多数の治具があります。治具を用いることにより、高品質で精度の高い製品を大量生産することが可能です。

製品によっては、接着におけるプレス加工や椅子張り加工なども必要となる場合があります。

3. 塗装加工

多くの家具で塗装加工が行われています。スチール家具などでは粉体塗装などが行われます。

木製家具に用いられる塗装は、主にウレタン塗装、オイル塗装、ラッカー塗装の3種類です。

ウレタン塗装仕上げは熱や水に強く、傷や汚れもつきにくい耐久性のある塗装です。最も一般的な塗装として使用されます。オイル塗装は木の質感を最大限に活かした塗装で、高級感のある仕上がりになりますが、一方で水シミなどの防汚性には劣ります。ラッカー塗装は木の質感を残しながら、傷や汚れをつきにくくした塗装です。ウレタン塗装ほどの強度はありませんが、オイル塗装よりは傷がつきにくくなっており、塗膜を張るのですべすべした感触になります。

家具製造の種類

家具製造で製造される家具製品には実に様々なものがあります。

木製家具は、大きく分けて箱物家具類と脚物家具類に分類することができます。箱物家具の例には、たんす、食器棚、書棚、ラック、テレビボード、サイドボードなどが挙げられます。脚物家具とは椅子、ソファ、ベンチ、机、ダイニングセットなどです。その他にもベッド、小物など多種多様な製品があります。

スチール製の机・椅子をはじめとするスチール家具は、耐久性が高いことから、学校用机椅子やオフィス用デスク、商業施設用テーブル・チェアなどとして活用されている製品です。

木工加工

木工加工とは

木工加工とは、木材に加工を施す加工サービス一般を指します。

用途や目的に応じて木材を最適な形状・寸法に加工する作業や、家具類の製造などがあります。木工という言葉は、広くは工作、美術などの領域をはじめ、建築や土木などの領域に用いられることもある言葉です。工業的には、プレス加工、張り合せ加工、ルーター加工など、様々な加工を経て木工製品が製造されています。

木工加工の使用用途

木工加工は、家具製造、ディスプレイ什器など、様々な木工製品の製造に使用されています。

家庭用の家具製品のほか、店舗・商業施設などで使用するテーブル・椅子などの家具、机・椅子などの学校家具、内装材などの建築資材の製造も行われます。

  • 椅子・ソファ・ダイニングチェア・スツール
  • テーブル・カウンター
  • 学校家具 (机・椅子など)
  • 木工小物 (トレー・ダストボックスなど)
  • 建物内装・建物外装造作材

木工加工の原理

木工加工は、木工製品を製造するために行われる様々な加工です。

加工の目的には、

  • 木材を適切な厚みにしたり、指定の寸法にカットする
  • 縁の部分を削り滑らかにする (面取り加工)
  • 表面を削って滑らかにする (表面加工)
  • 木の膨潤収縮効果によってでこぼこするのを防ぐ (しゃくり加工・さね加工)
  • 圧着接着などにより家具製品などを組み立てたり、圧力をかけて強度・硬度を上げたりする (プレス加工・圧密加工)
  • 製品に色を付ける・表面を保護する目的で塗装を行う (塗装加工)

などがあります。

木材は、そのままの板材では反りやたわみを生じたり、表面にささくれなどが生じるため、製品としての組み立て以外にも、様々な加工を施すことが必要です。

木工加工の種類

1. 面取り加工

面取り加工とは、木材の縁の部分を滑らかにする加工です。カットしたままの木材の断面はカット時の刃物のあとや焦げが残り、角も鋭利となっているため、怪我を防ぐために角を丸める必要があります。その他、デザインの上では、アールをつけたり、斜めにカットするなどの装飾的役割があります。

紙ヤスリや木工カンナでも簡単に面取りを行うことができますが、アール加工などの曲線的な場合には、電動トリマーなどの工具が使用される加工です。

2. 表面加工

表面加工とは、木材の表面を滑らかにする加工です。製材したての木材は、表面が毛羽立っており、ザラザラしています。カンナやヤスリで表面を滑らかにしていきます。

また、板材の木目や質感を活かす表面加工には、帯鋸仕上げ、丸カンナ仕上げ、うづくりなどがあります。帯鋸仕上げとは、木材を丸太から製材する時に使用した帯鋸の切断跡を生かした加工であり、丸カンナ仕上げでは木目に対して直角方向にカンナ掛けすることで横から見ると波模様に見える仕上げです。

3. しゃくり加工・さね加工

木材は吸放湿性材料のため、空気の乾燥によって木が収縮したり、反対に湿気によって膨張したりします。フローリング材など複数の板を組み合わせる製材では、湿度の変化による膨潤収縮効果によって、でこぼこやたわみが現れることがあります。

しゃくり加工・さね加工は、これを防ぐために行われる加工です。「しゃくる」とは「抉る」という意味であり、木を切り欠いて別の部材が納まりやすくすることであり、「さね」とは木の実の中心にある硬いところを指す言葉であることから、板の中心に設ける突起部のことを指しています。これらの板同士がすっぽりと嵌まるように加工することで、平坦で均一的な仕上がりを実現します。

4. ルーター加工・レーザー加工

木材をカットするための加工には、ルーター加工やレーザー加工があります。

ルーター加工で使用されるNCルーターとは、木材を一定の深さにくり抜くための工作機械です。デザインや意匠を施す加工や、彫刻や3D加工などを行うことができます。

レーザー加工とは、レーザー光線を照射してレーザーの熱エネルギーで木材をカットしたり形状を整えたりする加工方法です。レーザーの出力や照射時間を調整すれば、木材のカットはもちろん表面に細かなデザインを施すことも可能です。

木工プレス加工

木工プレス加工とは

木工プレス加工とは、プレス機などで圧力をかけて木材を加工する加工方法一般です。

木材を型に当てて曲げて成形したい場合や、パネルを製造する際、圧力をかけて強度・硬度を上げる加工 (圧密加工) や、引き出しなどの箱物を組む際などに用いられます。プレス機は、電子機器の部品、医療機器、ロボット製作、家具製作など、あらゆる製造に使用される機械です。木工では、合板の製造や、箱物の家具を製造する際に材料をプレスする際に使用します。

木工プレス加工の使用用途

木工プレス加工は、木材に圧力をかけて強度・硬度を上げる加工である圧密加工や、型に当てて曲げて成形する成型合板の製造、引き出しフレームの接着などの箱物製造などに用いられます。

特に成型合板は、美しい曲面・曲線を表現できるため、主に、デザイン性に優れた家具類を製造することに使用されます。家具以外にも内装材などに使用されますが、椅子類への使用が最も多いです。無垢材では表現できない、デザイン性の高い特殊形状の椅子の製造が可能です。

また、圧密加工は、木材の特性を生かしつつ、耐久性や表面の美しさを向上させる加工方法であることから、床材や壁材、家具として幅広く利用されています。

木工プレス加工の原理

1. 概要

プレス機を用いて行われる、プレス加工とは、素材に一定以上の力をかけることで変形が元に戻らない、「塑性」という性質を利用した加工方法です。「塑性加工」とも呼ばれます。

プレス機を用いて行われる木工加工には、圧力をかけて強度・硬度を上げる加工 (圧密加工) や、型に合わせて圧力と熱をかけることで曲げて成形する加工、箱物家具の接着などがあります。

2. 圧密加工

圧密加工とは、木材の表面に高温のローラーで圧力をかけ、熱圧処理を施すことで強度や硬度を高める加工です。この加工により、柔らかい針葉樹の木材にも広葉樹に匹敵する強度をもたせることができます。

圧密加工では、表面の細胞を1mmから1.5mmの範囲で圧縮し、強化します。桧の場合は普通の木材の1.5倍の、杉の場合は2倍の硬度を実現することが可能です。

3. 成型合板の製造

木工プレス加工のもう一つの役割には、成型合板の製造があります。

成型合板とは単板を何枚も重ねて接着した「積層合板」に対してプレス機で曲げ加工を施すことで製造されている合板です。薄くて軽量でも強度があり、繊細なデザインに適しているだけでなく、無垢状態でのクセ、反りなどを軽減し、ムラがなく均一な仕上がりにする効果もあります。

4. 箱物家具の製造

箱物家具の製造において、引き出しやフレームなどの接着には、プレス機が使用されています。

木工プレス加工の種類

1. フラッシュプレス

圧着させるためのプレス機の一つに、フラッシュプレスがあります。フラッシュプレスとは、複数のおもりをフラッシュ板の平面部分に乗せることで全体に均一に圧力をかけ、芯材に表面材を圧着させる機械です。熱をかけずに常温でプレス加工を行うことから、コールドプレスとも呼ばれます。フラッシュプレスは、複数枚積み上げまとめてプレスを行うことも可能です。

2. ホットプレスと高周波プレス

熱をかけながら行われるプレス加工の種類には、主にホットプレスと高周波プレスがあります。加熱を行うことから、フラッシュプレスよりも一般的にプレス時間が短時間になります。

ホットプレス機は、機械の熱を与えながら加圧を行うプレス機です。扱う製品に合わせて圧力や加熱時間を変え、蒸気によって接着剤を硬化させます。微妙な圧力の調整を行いながら同時に熱を加え、接着剤を硬化させ、強度を高めることが可能です。学校関係の椅子、机など量産品の製造を得意としています。

高周波プレス機は、木材に塗布された接着剤に高周波を加えることで接着剤を発熱硬化させるプレス機です。加熱高周波電力による誘電体損失に伴う発熱作用と機械加圧を利用し、曲面成形接着を行います。椅子の座板、背板などの薄い合板のものから、フレームのような厚い成型まで対応可能です。

成型合板

成型合板とは

成型合板とは、薄い板材を重ね合わせて接着し、熱と圧力を加えて曲げて様々な形状に成型した合板です。

成形合板は、湾曲した椅子や家具などの製造に使用されることが多い板材です。薄くて軽量でも強度があり、繊細なデザインに適しています。型を使って合板を加圧成型し、多種多様な曲面デザインを製造することが可能です。

成型合板の使用用途

成型合板は、美しい曲面・曲線を表現できるため、主に、デザイン性に優れた家具類を製造することに使用されます。家具以外にも内装材などに使用されますが、椅子類への使用が最も多いです。無垢材では表現できない、デザイン性の高い特殊形状の椅子の製造が可能です。

その他具体例な用途例には下記のようなものがあります。柱などの角を丸くして安全面に考慮し、木材を利用する事で暖かい雰囲気の空間を作る建築素材として使用される場合もあります。

  • 椅子・ソファ・ダイニングチェア・スツール
  • テーブル
  • トレー
  • ダストボックス
  • 建物内装
  • 建物外装造作材
  • 自動車内装部品
  • 防潮堤などの波返し

成型合板の原理

1. 概要

成型合板とは単板を何枚も重ねて接着した「積層合板」に対して曲げ加工を施すことで製造されている合板です。薄くて軽量でも強度があり、繊細なデザインに適しているだけでなく、無垢状態でのクセ、反りなどを軽減し、ムラがなく均一な仕上がりにする効果もあります。

また、成型合板に使用する単板の歩留まりは丸太の60%と高いことから、環境にも優しい資材です。

2. 成型合板の製造工程

  1. 木材の選定・単板製造: しっかりと乾燥させた木材を薄さ1~1.5mmにスライスします。
  2. 木材のカット: 単板を製造する家具に合わせてカットします。
  3. 接着: 単板に接着剤を塗り重ね合わせます。強度を高めるため、木目が縦目、横目になるように重ね合わせますプレッダーと呼ばれる、糊付け専用の機械に単板を通して行われる場合や、手作業で行われる場合があります。
  4. 成型: 型にはめてプレス機で加圧し、成型します。
  5. それぞれのパーツを切り出します。

3. 成型方法

成型合板の成型方法には、主にホットプレスと高周波プレスがあります。

ホットプレス機は、機械の熱を与えながら加圧を行うプレス機です。扱う製品に合わせて圧力や加熱時間を変え、蒸気によって接着剤を硬化させます。微妙な圧力の調整を行いながら同時に熱を加え、接着剤を硬化させ、強度を高めることが可能です。学校関係の椅子、机など量産品の製造を得意としています。

高周波プレス機は、木材に塗布された接着剤に高周波を加えることで接着剤を発熱硬化させるプレス機です。加熱高周波電力による誘電体損失に伴う発熱作用と機械加圧を利用し、曲面成形接着を行います。椅子の座板、背板などの薄い合板のものから、フレームのような厚い成型まで対応可能です。

成型合板の種類

1. 材質・寸法

成型合板の木材には、ブナ材やカポール・ラワン等の南洋材などが使用されます。表面材には、シナ、ラワン材などが用いられる他、MDF・メラミン・ポリ板などの加工が可能な場合もあります。

ラワン曲げ合板には、3mm、4mm、5mm、9mm、12mmといった種類があります。大きさには、サブロク3×6(915×1825㎜)やロクサン6×3(1825×915㎜)などがあり、曲がる方向で呼び名が変わります。

2. 成型方法

成型合板の成型方法にもいくつかの種類があります。均一な厚みのまま曲げ加工を行う通常の等厚成型合板の他、コマと呼ばれる木片を挟み込んで曲線に分岐を作る成型する方法もあります。ホゾ組みやダボ組みといった各パーツを接合する方法と比較すると各パーツが一体化した成型フレームの製造が可能であるため、強度の高い製品を作ることが可能です。コマの使用は椅子の座部分への使用の他に、立ち座り時に握りやすくするための持ち手部分にも応用されています。

通常のコマの他、分岐点を多くすることができる大コマ入れ成型合板と呼ばれる種類の成型合板もあります。通常は1つのコマにたいして3つの分岐を行いますが、大コマは4つの分岐を行うことが可能です。

その他、成型時に入れていたコマを成型後に抜く成型方法や、成型型の端になるにつれて厚みを調整して成型する方法などもあり、様々な方法で自由なデザインの成型合板製品が製造されています。

軽量シャッター

監修:株式会社石黒製作所

軽量シャッターとは

軽量シャッターとは、軽い材料で作られたシャッターです。

建物の窓やガレージなどに取り付けられ、風や天候から保護する役割を果たします。アルミニウムやプラスチックなどの素材で作られることが多く、取り付けや取り外しも比較的簡単です。重量が少ないため、開閉や調整も容易です。

素材によって異なりますが、多くの軽量シャッターは耐久性があり、錆びにくいまたはメンテナンスが比較的容易な特性を持っています。一例として、アルミニウム製シャッターは腐食しにくく、寿命も長いことが多いです。材料や取り付け費用が他のシャッターよりも低コストである場合も多く、予算にやさしい選択肢となり得ます。

軽量シャッターの使用用途

軽量シャッターは様々な場面で活用することができます。以下はその一例です。

1. 一般住宅

軽量シャッターは一般家庭のガレージなどに取り付けられることがあります。外部からの侵入や覗き見を防止し、家庭の安全性を高めます。また、冷暖房効果を高めることもでき、エネルギー消費を抑えることが可能です。

2. 商業施設

大型商業施設などでは閉店時に店舗のショーウィンドウや入口を保護し、窃盗や破壊から財産を守ります。突然の暴動などから店舗内の財産や従業員を守るための対策として活用することも可能です。店舗什器に取付けるプラスチック製のシャッターもあります。

また、レジャー施設でも屋内外の設備などに軽量シャッターを使用されることがあります。これにより、施設のセキュリティや管理が向上し、メンテナンスも容易となります。

3. 工業

倉庫や工場の大きな出入口にはシャッターが取り付けられます。これにより、貨物や設備を天候や外部からのダメージから保護します。鍵付きの製品を使用することで、施設内の財産や資材を盗難から保護することも可能です。

軽量シャッターの原理

軽量シャッターの原理は外部からの物理的なダメージや日差しなどから建物内部の物品を保護することです。フレームやスラット、動力伝達機構で構成されます。

フレームはシャッター全体を支える主要な構造部分です。一般的にはアルミニウムや鋼鉄などの軽量で強靭な金属が使用されます。壁などに取り付けられ、シャッター全体の安定性を確保します。

スラットはシャッターのパネルを構成する帯状部品です。アルミニウムやプラスチックあるいは合成素材が使用され、耐久性と軽量性を両立させます。開閉時にはフレームに沿って巻き取りあるいは展開されます。

動力伝達機構はシャッターを開閉するための機構です。スラットをスムーズに動作させるために、潤滑性の高い軸および軸受が使用されます。電動式の場合、シャッターを動かすためのモーターが組み込まれています。

軽量シャッターの選び方

軽量シャッターを選ぶ際は、以下の要素を考慮して選定することが重要です。

1. サイズ

シャッターのサイズは取り付ける開口の寸法に合わせて選ぶ必要があります。シャッターを取り付ける予定箇所の高さと幅を正確に測定することが重要です。メーカーや販売業者によっては、カスタムメイドのオプションがあります。

2. 耐風圧性能

シャッターの対風圧性能は、特に気候が荒れる地域では重要です。適切な対策を行わないと、風や台風などの激しい気象条件でシャッターが損傷する可能性があります。Paなどの単位で仕様書に記載されていることが多く、建物の気候条件に応じて適切な耐久性を選択します。

3. 材質

シャッターの材質は耐久性や重量及びメンテナンス性に影響を与える指標です。アルミニウムは軽量でありながら耐久性に優れて錆びにくいため、住宅や商業施設で一般的に使用されています。鋼鉄は高い耐久性を有するため、セキュリティが重視される場所や大型のシャッターに適しています。

4. 手動/電動

シャッターの開閉方法は手動と電動の2種類があります。手動シャッターは操作がシンプルで電力が不要ですが、大きなシャッターや頻繁に開閉する場合は操作が煩雑になることがあります。電動シャッターはモーターによって自動的に開閉される上に、リモコン操作やタイマー機能を備えていることが多く、利便性に優れます。

本記事は軽量シャッターを製造・販売する株式会社石黒製作所様に監修を頂きました。

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家具用コンセント

監修:株式会社石黒製作所

家具用コンセントとは

家具用コンセントとは、家具に直接取り付けられている電源コンセントです。

家具にコンセントを内蔵させることができるため、電源コードを外部に露出させる必要がなくなります。これにより、部屋全体の配線が整理することができ、美しいインテリアを保つことが可能です。電源コードが引っかかって引き抜かれたり、家具の下で絡まったりするリスクも低減されます。

また、家具から直接電源を供給できるため、コンセントが近くにない場所でも電化製品を簡単に使うことができます。例えば、ソファやベッドの近くでスマートフォンを充電する場合や、デスクでパソコンを使用する際に便利です。

家具のデザインに調和するように設計されており、インテリア全体の一貫性を保ちながら電源の利便性を確保することができます。近年、多くの家庭やオフィスで人気があり、様々な家具に採用されています。

家具用コンセントの使用用途

家具用コンセントは様々な用途で使用されます。以下はその一例です。

1. オフィス

オフィスのデスクや会議テーブルには、電子機器を接続するための家具用コンセントが組み込まれていることがあります。これにより、パソコンやスマートフォンの充電またはモニターとの接続が容易に行えます。ロビーや待合室のソファにもコンセントが組み込まれており、訪問者や顧客がモバイルデバイスを充電することが可能です。

2. 商業施設

ホテルの客室では、ベッドサイドテーブルに充電用の家具用コンセントが設置されています。これにより、宿泊客は寝ながらスマートフォンやタブレットを充電することが可能です。ロビーや共用スペースに設置されたソファやテーブルにも、顧客が快適に過ごせるようにコンセントが備えられてることが多いです。

3. 一般家庭

家庭のリビングルームでは、ソファやリクライニングチェアにコンセントが設けられています。これにより、くつろぎながらスマートフォンやタブレットを充電することが可能です。ダイニングテーブルにも家具用コンセントが組み込まれていることがあり、食事中に電子デバイスを使用したり充電したりできます。

4. 公共施設

学校などのデスクやテーブルには、学生や教職員が授業中にノートパソコンやタブレットを充電できるように家具用コンセントが設置されています。また、図書館などで使用されるテーブルや読書スペースにも、コンセントが備えられていることが多いです。これにより、学生たちはノートパソコンなどを使用しながら快適に学習することができます。

家具用コンセントの原理

家具用コンセントの原理は一般的な電源コンセントと同様です。電源からの配線を引き込み、接続された電子機器に電力を供給します。標準的な家庭用コンセントを取り付けられていることが多く、一般的な家庭用電化製品が接続可能です。

家具用コンセントの本体部分は一般的にプラスチックや特殊なポリマーで作られています。これらの材料は電気を絶縁する性質があります。これにより、人が誤って感電してしまわないように保護することが可能です。

コンセント内部には電力を供給するために導電部品が使用されます。一般的には真鍮や銅合金で作られていることが多いです。しっかりと電気的接続を確保するために設計されており、内部の板ばねなどで抜け防止が施されています。

安全のために、家具用コンセントには過電流保護や過熱保護などの安全装置が組み込まれていることがあります。これにより、長時間使用しても安全性が確保されます。

家具用コンセントの選び方

家具用コンセントを選ぶ際は、以下の要素を考慮することが重要です。

1. コンセント形状

家具用コンセントのコンセント形状は主に使用する電気機器に合わせて選びます。日本ではA型コンセントと呼ばれる形状が主流です。スマートフォンやタブレットの充電に便利なUSBポートを備えた製品も販売されています。

また、アース付きの3Pコンセントや抜け止めの回転構造を有するコンセントも選択することができます。用途などに合わせて注意して選定します。

2. 口数

家具用コンセントの口数は、同時に接続する機器の数に合わせて選定します。複数口であれば複数の電気機器を同時に接続できるため、オフィスなどで便利です。

3. 色

家具用コンセントの色はインテリアと調和するために重要です。取り付ける家具に合わせて選定します。

本記事は家具用コンセントを製造・販売する株式会社石黒製作所様に監修を頂きました。

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家具用キャスター

監修:株式会社石黒製作所

家具用キャスターとは

家具用キャスターとは、家具の移動用に取り付けられる小さな車輪です。

通常は家具の脚の下に取り付けられ、容易に動かすことができるようにします。床面を保護する役割もあり、家具を引きずることなくスムーズに動かすことが可能です。家具の下を掃除する際も、家具を持ち上げることなく、キャスターを使って家具を移動させて掃除を容易にします。

様々なタイプがあり、固定式や360度回転するタイプなどがあります。家具の種類や用途に応じて適切なキャスターを選ぶことが重要です。

家具用キャスターの使用用途

家具用キャスターは様々な業界で使用されます。以下はその一例です。

1. 一般オフィス

オフィスチェアには滑らかで静音性の高いキャスターを装着することがあります。これにより、快適な座り心地と床面の保護が両立されます。デスクの引き出しや収納ユニットにもキャスターを取り付け、必要に応じて移動させることが可能です。

2. 医療機関

病院や診療所で使用される医療カートには、清潔さを保つために清掃しやすいキャスターを取り付けることがあります。また、静音性が求められることも多いです。病院の介護用ベッドにも、安全性と操作性を考慮して設計されたキャスターが取り付けられています。

3. 商業施設

小売店や倉庫で使用される棚には、荷物の管理や移動を容易にするために家具用キャスターが使われています。特に可動棚やディスプレイ棚で利用されることが多いです。これにより、商品の陳列や移動に係る労力を軽減させることが可能です。

また、ホテルの客室では、家具の配置を柔軟に変更できるようにキャスターが付いた家具が使われています。清掃の際にも簡単に移動できるため便利です。

4. 工業

工業用の機器や機械には、移動や保守点検を容易にするための重い荷重に耐えるキャスターを装着することがあります。耐久性と安全性が重視されます。また、荷物の保管と取り出しを効率化するために、ラックなどにキャスターを装備させる場合も多いです。

家具用キャスターの原理

家具用キャスターは、小さな車輪が回転することで家具をスムーズに移動させることが基本的な原理です。材質はプラスチックやゴム、金属などが使用されます。構造としては、フレームやホイール、軸受などで構成されます。

フレームはキャスター全体を支える金属や硬質プラスチック製の枠組みです。車輪を支える軸やボールベアリングが取り付けられます。

ホイールは家具を支える車輪部分です。一般的には車輪とその周囲に取り付けられた保護カバーから構成されています。車輪の材質と形状は、使用される床面や必要な移動性に応じて選定されます。

軸受けはキャスターホイールがフレーム上で回転するための軸の受け部品です。潤滑剤が含まれていることも多く、静音性と耐久性を向上させます。

家具用キャスターの選び方

家具用キャスターを選ぶ際は、以下の要素を考慮することが重要です。

1. 許容荷重

家具用キャスターの許容荷重は、キャスターが支えられる最大の重量を示す指標です。適切な許容荷重を選ぶことで、キャスターの寿命を延ばし、安全性を確保します。一般的にはNやkgfなどの単位で仕様書に記載されていることが多いです。

2. 取付座寸法

取付座寸法はキャスターを取り付ける家具の脚や底面寸法と一致している必要があります。キャスターの取り付け穴や取り付け部分の配置を正確に計測し、適合するキャスターを選ぶことが重要です。取付時のねじ寸法なども考慮します。

3. 材質

キャスターの材質は耐久性や使用環境に大きな影響を与えます。プラスチックやゴム、金属などの製品があります。

プラスチック製の場合は軽量で静音性が高く、一般的な家庭やオフィスでの使用に適しています。ゴム製は床を保護することが可能で、耐摩耗性がある点が特徴です。金属製は高い耐荷重性が求められる工業用途で使用されます。

4. ストッパー有無

一部のキャスターにはストッパーが装備されており、家具を固定する際に便利です。ストッパーが装着された製品を使用することで、安全性と安定性を向上させます。

本記事は家具用キャスターを製造・販売する株式会社石黒製作所様に監修を頂きました。

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デスク連結部品

監修:株式会社石黒製作所

デスク連結部品とは

デスク連結部品とは、テーブルなどを連結してより大きな作業スペースを作るための部品です。

複数のデスクを連結することで、より広い作業スペースを確保できます。特に、L字型やU字型の配置を作ることで、作業効率を向上させることが可能です。多くのオフィスで利用され、効率的な作業環境を構築するのに役立ちます。

また、デスク連結部品はデスク同士をしっかりと連結するため、安全性も向上します。デスクがずれたり倒れたりするリスクを低減することが可能です。製品によっては、デスク周りの配線などもまとめて管理することができます。

デザインも柔軟性が高く、多種多様な形状の製品が販売されています。デスクだけでなく、ソファや棚の連結が可能な製品も多いです。

デスク連結部品の使用用途

デスク連結部品は様々な用途で使用されます。以下はその一例です。

1. オフィス

複数のデスクを連結して、チームやグループでの作業スペースを効果的に配置することができます。例えば、L字型やU字型のデスク配置を作って、コラボレーションを促進することが可能です。多人数で集まる場所では、連結部品を使用して大きな作業スペースを作ることで、効果的な会議が可能になります。

2. 手作業工場

工場や作業場では、作業台を連結して広い作業エリアを確保することが重要です。デスク連結部品を使って、複数の作業台を連結することで、効率的な作業フローを実現できます。特殊な配置が必要な場合は、カスタムされたデスク連結部品が使用されることもあります。

3. 一般家庭

自宅での仕事や学習スペースを効果的に構築するために、デスクを連結して作業スペースを広げることができます。また、製品によっては棚やソファも連結できるため、室内スペースを有効活用することが可能です。

4. その他

展示会やイベント会場では、デスクを連結してブースを設置することがあります。連結部品を使用することで、一体化された展示スペースを効果的に構築できます。その他に一時的な作業スペースを作り出すために、屋外等で使用されることもあります。

デスク連結部品の原理

デスク連結部品の原理は、複数のデスクを安定かつ一体化された形で連結することにあります。これにより、より大きな作業スペースを作ったり、特定の配置を実現したりすることが可能です。一般的にはデスク同士を固定するための取り付け具であることが多いです。

一般的な材質は鉄やアルミニウムなどの金属や、硬質プラスチックが使用されます。特に強度や安定性を重視するために、金属製の製品が多いです。ただし、軽量化やデザイン性を考慮してプラスチック製とした製品も販売されています。

デスク連結部品の構造は、デスク同士を連結するための具体的な形状や機構によって異なります。角接続や直結接続、クランプ式などの製品があります。それぞれ用途に応じて使い分けされます。

デスク連結部品の選び方

デスク連結部品を選ぶ際は、以下の要素を考慮することが重要です。

1. サイズ

まず最初に考慮すべき点は、連結するデスクのサイズです。部品のサイズは連結するデスクの幅や奥行きに合わせて選ぶ必要があります。サイズが合わない場合、安定性や使用感に問題が生じる可能性があります。

2. 材質

デスク連結部品の材質は主に金属やプラスチックが一般的です。金属製は強度が高く、安定性がありますが、重量が増すことがあります。プラスチック製は軽量で取り扱いが楽ですが、強度や耐久性には金属製に比べて劣ることがあります。

3. 色

デスク連結部品の色は、デスクとの調和や統一感を考慮して選ぶことが重要です。一般的には、デスクと同じ色や素材で統一感を持たせることが好まれます。場合によっては対照的な色を選んでアクセントを付けることもあります。

4. 構造

デスク連結部品の構造は安定性や使いやすさに直結します。角接続型や直線接続型など、連結するデスクの形状や配置に応じた適切な構造を選ぶことが重要です。また、設置や取り外しのしやすさも考慮する必要があります。

本記事はデスク連結部品を製造・販売する株式会社石黒製作所様に監修を頂きました。

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吹付機

吹付機とは

吹付機とは、セメントなどの材料を高圧空気やポンプを使って吹き付けることができる装置です。

高圧空気やポンプを使って材料を吹き付けるため、均一な厚みで材料を塗布することができます。これにより、美しい仕上がりや一定の品質を保つことが可能です。また、手作業で行うよりも迅速かつ効率的に作業できるため、大規模な壁面や広い範囲に対しても比較的短時間で塗布作業を完了させることが可能です。

材料の無駄を最小限に抑えることもできます。吹き付けることで均一に塗布されるため、材料の使用量を正確に計算し、無駄なく使用することができます。

セメントや塗料だけでなく、断熱材や防水材料などの様々な材料に対応可能な機種も販売されています。

吹付機の使用用途

吹付機は様々な場面で使用されます。以下はその一例です。

1. 建築業

壁や天井に断熱材を吹き付けることで、建物の断熱性能を向上させます。特に大規模な住宅や商業施設では、吹付機を使用して効率的に断熱施工を行うことが一般的です。また、屋根など防水処理に吹付機が活用されることが多く、液体状の防水材を高圧で吹き付けることでシームレスな防水層を形成します。

また、建物の外壁に塗料を吹き付けることで均一な塗布を実現し、耐候性や美観を保つことができます。吹付機は大規模な建物や高所など、手作業では難しい箇所でも効率的に作業を進めることが可能です。

2. 自動車産業

自動車工場では吹付機を用いて車体に塗装を施します。吹き付けることで均一な塗布が可能となり、車両の外観や耐久性を向上させます。

3. 窯業

窯業において、陶器やセラミック製品に釉薬を吹き付ける際に吹付機が活用されます。釉薬を均一に塗布することで、製品の美観や品質を向上させることが可能です。また、耐火レンガや耐火セメントなどの耐火物の製造においても、吹付機を使用して耐火性を高める材料を均一に施工します。

4. 造船業

船舶の構造部品や防水材料の施工において、吹付機が使用されることがあります。船体の一部に対して塗料や防錆剤を吹き付けることで、耐久性を高めることが可能です。

吹付機の原理

吹付機には、主に以下の二つの原理が存在します。

1. 空気圧式

空気圧式は圧縮空気を使って液剤を吹き付ける方式です。圧力タンクが設置されており、吹き付ける材料が充填されます。別の圧縮空気源から供給される高圧の空気が、圧力タンクに注入されます。 圧力タンクから解放された材料は、高圧空気によって細かく霧状になり、均一に吹き付けられる仕組みです。

圧力タンク内の圧力やノズルからの出口の大きさ、空気の圧力などを調整することで、吹き付ける材料の量や速度、均一性を操作します。

2. ポンプ式

ポンプ式はポンプによって液剤を圧送する方式です。ポンプによって送り出される材料は、特定の圧力に保たれた状態でホースを通じて吹付機のノズルに送られます。これにより、材料が均一かつ精密に吹き付けられる仕組みです。

ポンプの回転数制御やノズル開口の大きさによって、材料の流量を調整することが可能です。

吹付機の選び方

吹付機を選ぶ際は、以下の要素を考慮することが重要です。

1. 吹付機種類

吹付機には上記の通り主に2種類の製品が存在します。塗料や染色剤などには空気圧式を使用することが多いです。また、より精密な制御が求められる場合や、粘性の高い材料に対してはポンプ式を使用します。

2. 出力

吹付機の出力は一定時間あたりにどれだけの材料を吹き付けることができるかを示します。大規模な作業現場や長時間作業が必要な場合は、高出力の機種が有利です。出力が大きな製品を選定することで作業時間を短縮できますが、一般的には出力が高い方が高価です。

3. 操作性

操作パネルや調整ノブが使いやすく、設定が容易かどうかを確認します。作業者が迅速に設定を変更できることが重要です。また、高圧の空気や材料の取り扱いに関する安全対策が適切に備わっていることも重要です。

また、吹付機のパーツや部品の交換が容易であることや、定期メンテナンスが簡単に行えることも確認します。長期間使用しても性能が安定するように、耐久性の高い材料や設計が採用されていることをチェックします。

不定形耐火物

監修:品川リフラクトリーズ株式会社

不定形耐火物とは

不定形耐火物とは、粉末状や練土状の耐火物です。

第二次産業では様々な高温装置が使用されます。高温装置は1200 ℃から1650 ℃という、著しく高温となるのみでなく、浸食性の強い融体や気体との化学反応、硬い物質の衝撃による摩耗、急加熱・急冷却といった厳しい環境に曝されており、鉄では耐えることができません。そこで設備の内側を耐火れんがや不定形耐火物という「耐火物」で覆うことによって、鉄製の容器を保護しています。

耐火れんがが一定の形状に成形されている耐火物なのに対し、不定形耐火物は粉末状や粘土状であり、現場で成形するため、様々な形状や大きさの炉や容器に施工できるのが特徴です。

成形は、顆粒と粉末の混合物を、施工現場で水や特殊な液体と練り混ぜて、建設現場のコンクリートのようなドロドロの状態にして流し込む方法、顆粒と粉末を圧縮空気で搬送し搬送の過程で水や特殊な液体と練り混ぜて吹き付ける方法、紙粘土のような性状の練り土をコテ塗りで付着させる方法等、多岐にわたります。流し込んだものは翌日には固化します。

このように不定形耐火物は施工現場で成形するため、施工が比較的容易で迅速に行えます。特に大型の構造物や複雑な形状に対して作業効率が高いという利点があります。これらの特徴から、耐火れんがの部分的な補修にも使用されることも多くあります。特に吹付けは離れた場所からも機械を使用して作業できるので、炉の温度を下げずに高温のまま施工する場合もあります。その場合は温度にあった専用の不定形耐火物が必要になります。

不定形耐火物の使用用途

不定形耐火物は様々な産業で利用されます。以下はその一例です。

1. 製鉄業

製鉄工程の中でも、初期に使用される高炉には、溶けた鉄が流れる樋 (とい) と呼ばれる溝部があります。その樋には、不定形耐火物が使用されています。その他製鉄の工程内では、高温の溶けた鉄を保持する容器の内張材として、様々な場面で使用されています。耐火物は高温に耐えるのみではなく、溶けた鉄と、溶けた鉄から分離した不純物に、耐火物に含まれる成分が化学反応しにくいこと、勢いよく流れる溶けた鉄に耐火物が摩耗されないことが必要です。

2. セメント業

セメントは、原料をロータリーキルンと呼ばれる回転するパイプ状の設備の中で高温に加熱して製造されます。そのロータリーキルンの中に、セメントの原料を予熱しながら供給するプレヒーターと呼ばれる設備の内張材に不定形耐火物が使用されます。セメント原料の粒子は硬いので、セメント原料の粒子の落下を受け止めるには高温で摩耗しにくい特性が必要です。

3. エネルギー産業

火力発電所ではボイラー内部に耐火れんがや不定形耐火物が使用され、断熱性と耐火性を確保しています。また、石油精製プラントなどにおいても、反応容器を保護する目的で利用されています。また、廃棄物を処理する焼却炉内部の摩耗による劣化を防ぐためのライニングにも使用されています。

4. ガラス産業

ガラスの原料を高温で溶かすための溶融炉で不定形耐火物が使用されます。耐酸性や耐アルカリ性に優れた材料を使用することが多いです。不定形耐火物により、溶融炉の継ぎ目の補修や破損部の補修が可能です。

不定形耐火物の原理

不定形耐火物には、目的に応じて成分や粒子サイズが最適に調整された粉末や顆粒状の耐火材料に加え、それらを固化させる結合材や調整剤が含まれています。結合剤や調整剤が水に溶けて化学反応を起こすことで固化し、強固な施工体となります。

流し込み作業なら数時間ドロドロの状態を保った後翌日には固化するように、吹き付け作業なら数秒から数十秒で固化するように調整されています。結合剤の代表的なものは耐熱性の高いセメントであるアルミナセメントですが、その他にも様々な薬品が使用されています。

不定形耐火物の選び方

不定形耐火物は現場の様々な環境を考慮して最適のものを選択する必要があります。

専門家にご相談し、適切な材料、施工方法になるように選ぶ必要がありますが、ポイントの一例として下記のような点が挙げられます。

1. 使用温度

不定形耐火物は高温環境で使用されるため、最高耐熱温度は重要な要素です。耐火物の種類によって最高耐熱温度が異なります。使用する設備やプロセスの耐熱要件に合わせて、適切な耐火物を選定します。

2. 物理的強度

耐火物は物理的な負荷に耐える必要があります。特に機械的ストレスがかかる部分では、十分な圧縮強度や耐磨耗性がある不定形耐火物を選ぶことが重要です。耐衝撃性の高い不定形耐火物を選定することで、耐用年数を伸ばすことができます。

3. 化学特性

使用する環境に応じて不定形耐火物の耐久性を確認します。例えば、セメント業ではアルカリ性の高い環境での安定性が重要です。特定の化学物質や溶融物質に対して、不定形耐火物が安定していることを確認します。

4. 施工性

不定形耐火物は現場で形成されるため、施工時の流動性や硬化時間が重要です。設置が容易であることや、修理時にも作業がスムーズに行えることが大切です。

本記事は不定形耐火物を製造・販売する品川リフラクトリーズ株式会社様に監修を頂きました。

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