ビームセンサーとは
ビームセンサ (英: beam sensor) とは、光ビームを照射して対象物を検知するセンサーです。
光ビームは可視光、赤外線、レーザー光などが使用されます。人の侵入・移動、物の侵入、物の位置、段差などが検出可能です。
ビームセンサーの使用用途
ビームセンサーは、工場、住宅、駐車場、事務所、病院、太陽光発電所など多方面で使用されます。超小型の場合は、半導体や電子業界にて段差の検出や浮きの検出、位置決め、加工穴の有無検出、部品位置決め、先端検出、基板の到着確認等になどが代表例です。
病院では離床の際に、ナースコール等の用途です。車庫では出入口で通過があった場合にパトライト等で知らせます。また、閉まりかけた扉を反転させ開き、安全の確保も役割の1つです。
敷地内の夜間監視では、特定の場所を通過した時に威嚇用の警報を鳴らします。資材置き場などの侵入者の感知を行います。また、高所作業車が指定の高さを超えて侵入した場合の警報用途もあります。
ビームセンサーの原理
ビームセンサーの構成要素は、光ビームを出す投光部、光を受ける受光部、電源部、アンプ部などです。光ビームが対象物によって遮断・透過・反射などの変化を受けとり、受光部で検知する光の量が変化します。この変化を検出して、出力信号を出します。
光源色は、赤外、赤色、緑色、青色、3色 (赤、緑、青) などです。出力回路は、NPNトランジスタ・オープンコレクタ、PNPトランジスタ・オープンコレクタ、直流2線式、NPNトランジスタ・ユニバーサル、リレー接点などの接点出力があります。また、アナログ電圧によるアナログ出力のタイプも代表的です。
ビームセンサーの特徴
1. 非接触検出
ビームセンサーは、非接触で離れたところから状態の検出ができるので、センサー取付けの影響を全く受けません。長期の検出が可能です。
2. 高速応答
光ビームを使用し、すべて電子回路で構成するので高速な応答が可能です。高速ラインでも楽に対応できます。
3. 長い検出距離
透過型のセンサーは、数10m離れても検出可能です。
4. その他
色彩による特定の波長の光に対して、反射・吸収の比率が異なるため、種々の色を光量の差として検知できます。また、高精度検出が可能です。光学系が精密であり、電子回路技術によって最高20µmの精度が実現されます。
ただし、ビームセンサは塵やほこりが多いとレンズ面が覆われ、投光・受光が不十分で誤動作になる場合があることが欠点です。
ビームセンサーの種類
ビームセンサーは、検出形態と構成の違いにより、種類が多くあります。
1. 検出形態による分類
投光と受光の方法は、透過型やミラー反射型、反射型などが代表的です。その他、光ファイバを使用したファイバ型の小型センサーもあります
透過型
投光部と受光部を分離して設置し、人・物が光ビームを遮ることで検出します。両方に電源等が必要です。検出距離が長い特性があります。
ミラー反射型
投光部と受光部が一体であり、反射ミラーを分離設置して、人・物によるミラーの反射光の変化を検出します。長距離でも使えるうえ、透過型よりも安価です。
反射型
投光部と受光部が一体であり、人・物で反射した光をとらえます。検出距離が短く、色の影響を受けやすいのは短所です。
2. 構成による分類
電子回路の各構成は、内蔵もしくは分離の2タイプがあります。アンプ内蔵型や電源内蔵型、アンプ分離型、ファイバ型等があります。取り付けスペース、供給電源および耐ノイズ性の強弱などを検討して選定します。
アンプ内蔵型・電源内蔵型は、無接点出力やリレー接点出力の取り出しが可能です。アンプ分離型は、投光・受光の素子をアンプから分離します。センサー部を小型にでき、DC電源を加えると、無接点出力が得られます。
ファイバ型は、アンプ本体にある投光・受光素子に光ファイバを接続し、検出端を分離したものです。光ファイバを通して、投光と受光を行います。耐環境性に優れています。
参考文献
https://www3.panasonic.biz/ac/j/service/tech_support/fasys/tech_guide/photoelectric/index.jsp
https://www.hero-jp.net/bouhan/SENCER.html
https://www.fa-mart.co.jp/sunx/67.html