プーリーアイドラーとは
プーリーアイドラーとは主にVベルトやタイミングベルト、駆動チェーンなどのガイドとして使用されるアイドラーで、機械の内部でベルトを抑え、位置を調整する役割を持っています。アイドルギア、アイドルプーリー、アイドルホイールなど、たくさんの呼称があります。
機械の専門用語として、「使われていない」「遊んでいる」を意味するアイドル状態(アイドリング)がありますがプーリーアイドラーの名称もまさにそこから取られており、ベルトのテンションを調整するテンショナープーリーのサポートをする意味合いで組み込まれます。
この記事では主に自動車部品としてのプーリーアイドラーについて説明します。
プーリーアイドラーの使用用途
Vベルト、タイミングベルトを使用する機械の部品として使われることが多く、自動車や工場の産業機械などの部品として幅広く使われています。自動車の場合はファンやエアコン、パワーステアリングの駆動用、エンジン点火にまつわるバルブの開閉用などでVベルト、タイミングベルトが使用されていますが、それらのベルトの張りを調整するのにテンショナープーリーがあり、ベルトを挟んだ真向いの方向にプーリーアイドラーが取り付けられます。
ベルト類はゴム製なので長期間使用していると伸びてしまうのですが、伸びてしまったベルト類が駆動中に跳ねやバタつきを起こし、他の部品を傷つけることもあります。なのでテンショナープーリーで張りを調整し、その真向いにプーリーアイドラーを設置し、2つのプーリによってベルトを挟み込むことでベルトの跳ねやバタつきを抑えます。
プーリーアイドラーの特徴
プーリーアイドラーは円形になっており、内側にベアリングが内蔵されています。外側にはベルトを取り付けるための溝が形成されており、Vベルトやタイミングベルトを取り付けることが出来ます。これによりクランクシャフトからベルトを通して駆動トルクが伝わってきた際にプーリーアイドラー自体が回転し、ベルトを挟み込みつつ、カムシャフトへと駆動トルクを伝達します。
テンション調整の意味合いで組み込まれるテンショナープーリーとは違い、プーリーアイドラーにはスプリングを掛けるための取り付け穴や位置を調整するためのブラケットの長穴などが存在しません。回転するためのベアリングとベルトを取り付けるための溝があるだけです。テンショナープーリーとセットで使わなければ、ただ回転するだけのプーリーでしかないのが大きな特徴と言えます。
しかしテンショナープーリーだけではベルトを片側でしか押さえつけることが出来ないため、両側からベルトを挟み込みたい場合に必須となる部品です。
プーリーアイドラーはベアリングが内蔵されている為、定期的に交換しないと固着や焼き付きなどによってベアリングが回転できなくなる場合もあります。自動車の場合は10万キロなどの一定距離を走った際にVベルト、タイミングベルトと共にプーリーアイドラーも交換するのが良いでしょう。
参考文献
https://www.193motors.com/dictionary/2015/10/post-2.html
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/machine_design/md05/g0077.html