アニール炉

アニール炉とは

アニール炉

アニール炉とは、アニール加工を施すための大型の加熱装置のことです。金属や半導体、ガラスなど様々な材質を高温に熱することができます。アニールとは、物体を加熱することでその材質のゆがみを矯正したり安定性を高めたりする技術のことです。例えば、プラスチックを加熱することで結晶化を高めたり、金属を加熱することで硬度を均一にしたりしています。アニール炉は、産業用や研究用に様々な材料をアニール加工するために広く使われているのです。

アニール炉の使用用途

アニール処理が必要となる材料は多いので、様々な場所でアニール炉は使用されています。

  • 結晶性プラスチックの処理
    結晶性の樹脂を加熱することで結晶化度を高めることができ、安定性の向上が図れます。
  • プラスチックの水分除去
    プラスチックは空気中も水分を吸収し、膨張してしまいます。そのため、アニール炉で過熱して水分を飛ばしサイズや寸法を正します。
  • 金属の処理
    金属を加熱することで、硬度を均一にすることができ、安定性が高まります。

アニール炉の原理

アニール炉には様々な過熱方法があります。熱風式や赤外線式など使用されていますが、ここでは性能の高い遠赤外線アニール炉についてご紹介します。

遠赤外線アニール炉とは遠赤外線の「輻射」という性質を利用して加熱されるアニール炉です。一般的な加熱方法としては、加熱対象に熱源を直接当てる方法や熱風を当てて暖める方法があります。しかし、どちらも対象に触れる必要があり、非接触での加熱ができませんでした。これらに比べて遠赤外線を使った方法では、物体に直接触れずに温度を上昇させることができます。

遠赤外線とは可視光よりも波長の長い電磁波のことです。遠赤外線を対象に照射することで、物体を構成する分子が振動して熱エネルギーを発生させます。この熱エネルギーによって物体が暖められるため、非接触で加熱が可能です。また、短時間で高温の状態を作り出すことができます。さらに、使用される遠赤外線の波長の違いによって加熱温度が変わり、加熱対象によって細かく使い分けができるという点でも優秀です。

参考文献
https://www.yumoto.jp/technology/onepoint/annealing-treatment
http://ecom-jp.co.jp/product/farinfrared.html
http://www.pbi-am.com/20190725-5883

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