トルクリミターとは
トルクリミターとは、設備保護機能がついたカップリングの一種です。
通常のカップリングは、モーターなどの駆動源と負荷とを接続し、力を伝達するだけのものですが、トルクリミターは力の伝達に加え、負荷側からカップリングへ所定以上のトルク(力)がかかった場合、カップリング部で滑らせることで、駆動源側への力の伝達を遮断(駆動源と負荷を切り離す)する機能を有しています。ここで、この滑りのことをスリップともいいます。
トルクリミターの使用用途
トルクリミターは工場内などのモーターに多く使用されています。
モーターは交流、直流、油圧式などさまざまですが、比較的効果なものへ取付ける場合が多いです(故障した時のメンテナンス費が高価になるため)。また、トルクリミターは比較的小さいトルクに対して採用されることが多いです。
多くのトルクリミターは遮断するトルクの設定ができるため、負荷側とのフランジ面が合っていれば、トルクが違っても同じトルクリミターを使用することが可能です。
トルクリミターの原理
トルクリミターの構造はメーカーによりさまざまです。過負荷時にばねの力により駆動源を断つものや、圧接している金属部品を切り離すことで、カップリング部を切り離すものなどがあります。
一例としては、トルクリミターのハブへ、ボール状の金属が圧接(液状にしない溶接)してあり、負荷側からのトルクが設定値以上(トルクの設定はスプリングの力により変更)となった時に、このボールがハブから切り離される(溶接がはがれる)ことで、ハブとボス部とのトルク伝達を遮断し、結果的にカップリングの縁が切れることになります。カップリングの縁が切れることで、負荷側からの力は駆動源側へは伝達されず、設備を保護することができます。
また、このタイプのトルクリミターの場合、圧接したボールがはがれてしまうため過負荷が解消されても、トルクリミターを再度使用することはできず、取替えを行う必要があります。また、多くのトルクリミターは、正回転・逆回転どちらの回転方向に対しても順応できます。