水検出センサー

水検出センサーとは

水検出センサーとは、水分子に吸収される長波長の光を使用して、水を検出するセンサーのことです。

一般的な光電センサーは、液体を検知・検出することはできますが、透明な水では光が透過すると同時に光の減衰量が非常に小さく検知することが困難になります。また、色のついた水や色の濃度が異なる水などでは、減衰量が変わるため、更に検知が難しいです。

一方、この水検出センサーは、水分子に吸収される長波長の光を使用することで、透明な水、色のついた水、色の濃度が異なる水でも検知できます。

水検出センサーの使用用途

水検出センサーは、水分子に吸収される長波長の光を用いたセンサーであることから、水の存在そのものを検出する際に使用されています。例えば、水を使用する生産現場における水の監視や貯水タンクの液面検出、液面レベルの検出、ペットボトルやガラスの透明容器に液が充填されているかを検出する時などです。

また、霧状の水でも安定して検出できることから、水を使用する事業所でのスプレーによる水洗浄の監視等にも用いられています。

水検出センサーの原理

水検出センサーは、光電センサーと同様に光を投光装置で照射し、センサーで受光することで水の有無を検出します。1.45um (1450nm) の長波長の光を用いることで、水分子の吸収を促進している点が特徴です。

水検出センサーでは、水分子に吸収される長波長光を使用することで、透明な水、色のついた水、色の濃度が異なる水でも水分子に光が吸収し遮光されるため、安定して水を検知することができます。光電センサーでは誤動作しやすい水滴や気泡、小さな気泡が蓄積した泡などの液-成分に水が使用されている場合でも、水分子に光が吸収し遮光されるため検知可能です。

水検出センサーのその他情報

1. 光屈折式や静電容量検出での水検出センサー

水検出センサーは、その原理上投光部と受光部に分かれて動作するため、基本的には検出したい場所の両側に各々の機器を設置する必要があります。設置場所を確保可能な環境下では問題ありませんが、狭い空間のパイプや配管内の水を検出したいような場合には不向きです。

そのような場合には、コンパクトに設置可能な光屈折式の水検出センサーや静電容量検出方式の水検出センサーが適しています。光屈折式は、水の有無でLED光がパイプ内を通過するか反射するかの違いから水を検出する方式です。一方で、静電容量検出は液体の有無で誘電率の変化を読み取り検知する方式です。

共に、機器が1台のみでパイプや配管の片側にコンパクトに設置可能な特徴を有しており、長波長光のタイプで設置困難な環境下で使用可能な機種と言えます。

2. 水検出センサーと湿度センサーの違い

水検出センサーは、長波長の光を活用した水の所在を把握検出するセンサーですが、湿度センサーは感湿膜を用いて、櫛型の電極間の水滴による抵抗変化や静電容量の変化を電気的に検出し、湿度に補正します。

水検出センサーは、水の有無が主な検出目的ですが、湿度センサーはその構成上から微小な水滴を原理的に検出可能なため、大気中の水滴の割合を算出し湿度換算可能であるのが大きな違いです。

3. スマートフォンでの水検出センサー

昨今スマートフォンでUSB電源コードに水滴が付着すると、充電中に水滴による電極の腐食や劣化が懸念されるため、警告で知らせてくる機種があります。この原理も、電極間の抵抗ないしは容量変化を電気的な電圧変化に変換し検知しています。

ただし、このような実際に水分を検出するセンサー自体を有する機種はまだ多くはありません。一般のスマートフォン上でよく目にする温度や湿度の表示は、GPS機能からの現在の場所を特定することに基づき、その場所での温度湿度情報を入手して表示しているものが多いです。

参考文献
https://www.takex-elec.co.jp/bundles/takexelecpublic/pdf/library_wartersensor.pdf
https://www3.panasonic.biz/ac/j/fasys/sensor/photoelectric/ez-10/index.jsp

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