ターミナルリレー

ターミナルリレーとは

ターミナルリレー

ターミナルリレーとは、複数のリレーと端子台を一体とした入出力信号処理装置です。

プログラマブルコントローラのI/Oや電磁弁などを中継するインターフェース機器として使用されます。入出力インターフェース機器の役割を担うターミナルリレーの主な構造は、プリント基板を内蔵した台座に端子台が設けられ、この台座に独立した1極タイプの小型リレーを用途に応じて複数取り付けることができるため、メンテナンス性に優れながらもコンパクトなリレー構造として、装置の小型化や省配線化に貢献しています。

ターミナルリレーの使用用途

ターミナルリレーは主に産業用途に使用される製品です。以下はターミナルリレーの使用用途一例です。

  • プレス機や加工機の内部信号通信用
  • 大型ポンプやファンと制御装置の信号中継用
  • スラリー処理装置の信号中継用

一般的に大型産業機器を複雑に制御する場合はマイコンやPLCなどの制御装置が使用されます。これらの制御装置は複雑な内部処理が可能な一方、出力信号の許容電流は小さい場合が多いです。これらの機器に大電流を導通させると、故障頻度を早めるなどの悪影響が考えられます。

したがって、電磁弁などの負荷電流・突入電流が大きい機器を制御したい場合、制御機器の出力をリレーによって絶縁します。ただし、パワーリレーなどを横並びに複数個設置すると、スペースを占有する上に制御配線も煩雑になります。

ターミナルリレーは端子台とリレーが一体となった機器であり、1極小型リレーを並べることが可能です。したがって、省スペースかつ省配線を達成することができます。

ターミナルリレーの原理

ターミナルリレーは、端子台部品とリレー部品によって構成されます。

1. 端子台部品

端子台部品はリレーのソケットと端子台が一体となった部品です。電気が導通する箇所は銅や鉄ネジで構成され、ケーシングは硬質合成樹脂などで構成されます。丸端子などで端末処理された外部配線を鉄ネジで締め付けて固定する製品が多いです。

一般的にはリレーを4つ取付可能なソケットを有する製品が多く、1つのリレー対して入力と出力を2端子ずつ配置されます。16点用の製品なども存在します。端子台部品のみを指して、リレーターミナルと呼ばれることがあります。

2. リレー

リレーは信号を絶縁して中継する部品です。ターミナルリレーとしては一般的に小型の1極リレーが使用されます。端子台部品に裏面のピンで差し込んで取り付けることが多いです。リレーの仕様はリレー表面のケーシングに印字されている場合が多く、電源仕様や信号種類がさまざまな製品を販売されています。

ターミナルリレーの選び方

ターミナルリレーを選定する際は、下記の観点で選定します。

1. 出力点数

出力点数はターミナルリレーによって出力可能な点数です。汎用品の多くは4点出力ですが、PLCと接続する製品には16点出力や32点出力の製品が存在します。多くの機器を制御する系統の場合は、出力点数が多いほど省配線となります。

2. 入力仕様

入力仕様はリレーのコイル部分に入力される信号種類です。AC100VやDC24Vなどの仕様があります。制御機器の出力仕様に応じて入力仕様を選定します。

3. 出力仕様

出力仕様はリレーが出力する信号の仕様です。信号種類や定格通電電流などの要素があります。

信号種類は主に有接点と無接点で大分されます。有接点は金属切片を電磁コイルで機械的に動作させて信号を伝える方式です。許容電流が大きい傾向にある上に、熱に強いなどの利点があります。ただし、開閉動作によって接点部品が徐々に摩耗していく欠点があります。

無接点は半導体またはソリッドステートリレーなどで電気信号を伝える方式です。物理的に駆動する箇所を持たないため、高開閉頻度や高速開閉での使用に耐えます。ただし、熱に弱く、定格以上の電流が流れると半導体部品が故障してしまうなどの欠点があります。

定格通電電流は導通できる電流値の大きさです。電流値が大きいほど大負荷を制御することが可能ですが、リレーが大きくなってしまうことが多いです。一般的にターミナルリレーとして使用される場合は、1~5A程度の通電電流の製品が多いです。

参考文献
https://www.fa.omron.co.jp/data_pdf/commentary/generalrelay_tg_j_10_4.pdf

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