ワンタッチジョイントとは
ワンタッチジョイント (英: one-touch joint) とは、ソケットにプラグを差し込むだけで接続固定ができる継手部品です。
ソケットのスリーブを動かすだけで、接続部分を簡単に取り外すことができます。チューブ同士を接続する場合のユニオン、片側がオネジで配管にネジ止めできるストレート、メネジになっているメスストレートなどの種類があります。
使用用途に応じて各部の材質も選択可能で、クリーン環境で使用できるものや静電気防止用のジョイントも用意されています。
ワンタッチジョイントの使用用途
ワンタッチジョイントは空気配管や水配管の接続の際に、チューブ同士を結合して流路を確保するために使用されます。具体的な使用場面は、工場などで圧縮空気を使用する器具などの着脱です。
自動車整備や木工機械、工作機械などで作業する際に使用されます。また、家庭菜園、洗車、シャワー、散水、農業ハウス、灌水などの給水も用途の1つです。多くの配管接続作業は工具が使用できるスペースが十分にない場合もありますが、ワンタッチジョイントは狭い場所でも有効的に活用できます。
農業、製薬、食品、化学、石油化学などの産業分野では、継手本体の静電気の防止や耐スパッタ性、耐腐食性が求められる場合があります。
ワンタッチジョイントの原理
従来の配管接続作業では、チューブを接続するためにスリーブナット式継手を使用することが主流でした。スリーブナット式継手では、本体にスリーブをはめてナットで締結することで、チューブを接続することができます。
スリーブにナットを締結するためにレンチなどの工具を使用する必要がありますが、ワンタッチジョイントではチューブをソケットに差し込むだけで簡単に締結することが可能です。また、スリーブを押しながらチューブを引き出すだけで取り外せます。
一般的に、流路の途中に段差などの障害物があると流れが妨げられ、流体が持つ圧力が低下します。ワンタッチジョイントでは、ジョイント内部の最小径がチューブ内径と同等です。そのため、途中に流体の通路が狭められることがなく、圧力損失を小さく抑えることができる特徴があります。
ワンタッチジョイントの特徴
1. ワンタッチ着脱
プラグをソケットに差し込むだけで、ワンタッチ配管接続が可能です。そして、ソケットのスリーブを動かすことでプラグが外れ、ソケット内部のバルブが閉まって、流体の漏れを防止します。スチールボール又は回転機構により、回転接手の働きがあるので、ホースの捩れがありません。
2. 使用材料
樹脂製のワンタッチジョイントは、本体にポリプレン、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイドなどを使用し、非常に軽量です。スプリングはステンレスや樹脂を使い、シール材はニトリルゴムやフッ素ゴムを使用しています。
オール樹脂製は、錆や金属イオンの心配が不要です。耐薬品性に優れています。また、食品衛生法に適合が可能です。金属製のワンタッチジョイントは、本体に黄銅、ステンレス、アルミ合金、真鍮などを使用します。食品関連にも適しています。
3. その他
パージプラグが付いたタイプは、圧縮空気に使用した場合、プラグを外すときホース内の残圧により反動と不快音が発生するのを防止します。また、ロック機能が付いたソケットは、接続後ロックをかけることが可能です。不意に金具が外れることを防止します。
ワンタッチジョイントのその他情報
ワンタッチジョイントに使用するホース
ワンタッチジョイントには、各種ホースが使われます。ナイロンチューブ、ウレタンチューブ、架橋ポリエチレンチューブ、塩ビホース、水道用ポリブテン管、難燃性波付硬質合成樹脂管、フッ素樹脂管などです。使用条件から選定します。