ステンレスグレーチングとは
ステンレスグレーチングとは、ステンレス鋼を主材料として製造された、床や路面などに使用される格子状の金属製品のことです。
道路などの排水設備の側溝の蓋だけでなく、公衆浴場などの排水溝の蓋として使用されているものもグレーチングと呼ばれます。
ほとんどの場合、グレーチングは鉄やアルミを素材に製作されます。ステンレスグレーチングは耐食性や耐摩耗性が高く、優れた強度を持ちます。床や路面の補強や橋梁などの構造物に幅広く使用されています。
軽量でありながら強度があるため、施工が容易でメンテナンス性にも優れています。見た目が美しく高級感があるため、建物の外観にも利用されることがあります。
ステンレスグレーチングの使用用途
ステンレスグレーチングは材料がステンレスのため、鉄よりも錆や腐食に強くアルミより強度があります。したがって、ステンレスグレーチングは土木・建築物に広く使用されます。表面にキズがつきやすく、ある程度強度が必要な箇所に使用されます。
工場や倉庫、商業施設では床面の補強や補強板として幅広く使用されます。重量物を運搬するための通路や車両の走行面としても使用されます。沿岸の交通量が多い場所などに用いられます。
また、排水口や換気口などのカバーとして使用されます。これらの設備は建物周辺の水・湿気や異臭などを除去するために必要です。ステンレスグレーチングによって、歩行可能かつ排水・排気が可能です。
橋梁の補強材として使用される場合もあります。橋梁には車両や歩行者が通行するために使用されるため、ステンレスグレーチングによって強度を確保します。また、金属製品としての美しさや高級感を活かして、建物の外観の意匠やデザインに活用される場合もあります。
ステンレスグレーチングの原理
ステンレスグレーチングは、格子状に形成された鋼材が交差して作られた板状の構造物で、その原理は力の分散にあります。ステンレスグレーチングには水や重量物などが通過することができますが、グレーチングがその荷重を均等に分散することで荷重を支えることが可能です。
ステンレスグレーチングには格子状の開口部が多数あり、通気性や排水性を高めています。これにより、排水路や換気口などに適した構造物です。ステンレス鋼を使用しているため、耐食性や耐摩耗性が高く、長期間の使用に耐えることができます。そのため、機能性や耐久性が求められる建物や施設などに広く利用されています。
ステンレスグレーチングの種類
ステンレスグレーチングは製作方式によりさまざまな種類があります。以下はステンレスグレーチングの種類一例です。
1. ステンレス溶接グレーチング
ステンレス鋼板を加工して作られた一体型の溶接グレーチングです。強度が高く、広い面積を支えることができます。また、横方向の溝が深く、防滑性があります。
2. プレスロックグレーチング
ステンレス鋼板を加工して、互い違いに噛み合った構造にしたプレスロックグレーチングです。滑り止め効果があり足場として安全性が高いため、屋内外の施工現場や屋上などに使用されます。
3. ハニカムグレーチング
蜂の巣状の構造をしたグレーチングです。軽量でありながら強度がある点が特徴です。排水効果が高いため、雨水の排水路などに使用されます。
ステンレスグレーチングの選び方
ステンレスグレーチングは沿岸部などの腐食に耐える必要がある場合や、光沢による美観・景観を保つ必要がある場合などに選定します。また、ステンレスグレーチングは荷重や格子幅、防滑性などの観点から選びます。
使用する場所や目的に応じて、適切な荷重を選ぶ必要があります。荷重を超えた場合、グレーチングが変形したり破損したりすることがあるため、適切な荷重を選ぶことが重要です。
また、格子の幅を変えることで通過物の大きさを変えることができます。格子の幅はカートなどの車輪が脱落するおそれがある場所などでは細目が用いられています。JIS規格などで使用される溝幅に合わせたサイズや目のあらさが規定されているため、メーカを問わず溝に合わせた使用が可能です。
屋外や湿気の多い場所では防滑性の高いグレーチングを選ぶことが重要です。表面の形状を変えることで滑りを防止することが可能です。