座繰りドリルとは
座繰りドリルとは、座繰り穴を開けるための工具です。
フォスナービットとも呼ばれ、電気ドリルやインパクトドライバーに取り付けることができるタイプもあります。座繰り穴とはネジやボルトを埋める円筒型の穴のことで、座繰り穴の中でネジやボルトを締めることで先端が木材から飛び出さず、表面が凹凸になりません。
座繰りドリルの刃は特殊で穴の底を平らにすることができるため、見た目を綺麗にしたり、構造上フラットな面が求められる場合に活用されます。
座繰りドリルの使用用途
座繰りドリルは、座繰り穴を形成するために用いられます。この座繰り穴は、ネジやボルトの先端が飛び出さないように様々な場面で必要です。例えば、建物に用いられる木材が挙げられます。
木材同士を結合させるためには大きなネジやボルトを使用しますが、先端が飛び出していると邪魔になったり構造支障をきたす可能性があります。また、自分でボルトを止めて組み立てる家具は、より見た目を綺麗にするために座繰りドリルを用いて座繰り穴が必要です。
1.穴あけ
座繰りドリルは、さまざまなサイズと形状の穴を材料に開けるのに使用されます。これは木材、金属、プラスチックなどの材料に対して行うことが可能です。
2.カウンターシンク
ドリルビットを使用して、ネジが埋め込まれる位置にカウンターシンク (逆カウンターボア) を作成することができます。
3.リーマ穴
穴の精度を向上させるためにリーマを使用する際に、座繰りドリルが利用されます。
座繰りドリルの原理
座繰りドリルは、座繰り穴を簡単に開けることが可能です。構造は通常のドリルとさほど変わりませんが、使用する刃が特徴的です。通常のドリルは先端がとがっているのに対して、座繰りドリルの刃は平らな円上になっています。
中心にはセンターと呼ばれるとがった刃があり、この部分が木材に突き刺さることでぶれることなく穴を開けることが可能です。その周りにはギザ刃が取り付けられており、これが回転することで座繰り穴を形成します。刃の形状は様々でウェーブ状になっている物や三枚刃になっている物もあり、穴の大きさや用途によって使い分けられます。
座繰りドリルで開けられた穴は座繰り穴と呼ばれ、建築現場や家具でよく目にする穴です。この穴の内部でネジやボルトを締めることで先端が表面に出ることなく止められるだけでなく、凹凸ができないため邪魔になることがないため、他の木材と組み合わせる建築現場では重要な工程です。
座繰りドリルの種類
1. 皿座繰り用ドリル
皿座ぐり用ドリルは、皿ネジの頭部分の締結させるために加工を施すための工具です。通常のネジと同様に頭を隠す目的にもなりますが、性質が違い皿ネジの頭部分がしっかりと固定されることでネジ全体を固定します。
皿座ぐりは通常の座ぐりドリルでの加工は難しく、皿座ぐり用ドリルを使用することを前提としています。
2. 段付きドリル
一般的な鉄板穴あけ用の段付きのドリルの他に、金属加工用の段付き座繰りドリルがありますが、主に使用される各ネジの頭に合わせて、平小ねじ用座ぐりドリル、さら小ねじ用座繰りドリル、六角穴付きボルト用座ぐりドリルの3種類があるため、うまく使い分けなければなりません。
しかし、これらの金属加工用段付き座繰りドリルを使用することにより、工具を交換せず一度の加工で下穴と座ぐり穴を同時に開けることができます。また、各ボルトの直径に合わせ作られており、使用するボルトの直径に合わせて選定する必要がありますが、工具交換の手間が省けコストの削減につながります。
座繰りドリルのその他情報
1. 使い方
座繰りドリルは、木材・樹脂・金属などの素材に穴をあけるための工作機械であるボール盤を使用して木材の加工を行う場合や、電動ドリルなど手動での加工する場合でも使用することができます。
いずれの加工方法でも共通するのが、下穴の加工です。座繰り加工を行う前には必ず下穴を開ける必要があり、下穴を開けないで加工をすると、ドリルが垂直に入らず正確な座繰り穴を開けることができません。その結果、ドリルの破損にもつながるため、座繰りドリルを使用しない加工方法もあります。
2. 安全対策
座繰りドリルは、高速回転する部品を持つ工作機械であるため、使用時には安全に注意する必要があります。適切な安全メガネや保護用手袋を着用し、ドリルビットが材料に入る前にモーターを起動しないようにすることも重要です。また、作業台がしっかり固定されていることを確認し、材料が適切に固定されているかを確認してから作業を行います。