ネットワーク抵抗器とは
ネットワーク抵抗器は、一つの抵抗器を複数個連結させた複合部品です。主に電気電子回路にて用いられており、ネットワーク抵抗器を一つ使用するだけで複数個の抵抗器の役割を担うことができる素子となっております。
一つの抵抗器を複数個使用する必要がある場合に、ネットワーク抵抗器を使用することで、回路の高集積化やコスト削減に役立ちます。部品の形状は、ジャンパー線の足がついているディスクリート部品を連結させたリードタイプ、表面実装用のチップ部品を連結させた面実装タイプの両方があります。
ネットワーク抵抗器の使用用途
電気電子回路において、同抵抗値の抵抗器が複数個必要になる時などに用いられます。例えば、基板上で同じ構成の回路が複数存在する場合、同じ抵抗値の抵抗器を複数個配置すると、基板の面積が多く必要となってしまいます。そのような時にネットワーク抵抗を用いることで、実装面積の削減が可能になり基板のサイズ縮小、高集積化を実現できます。また、同じ抵抗器を10個購入するのに比べ、抵抗器が10個接続されたネットワーク抵抗器を購入するほうが、コストが安く済むというメリットも考えられます。
ネットワーク抵抗器の原理
ネットワーク抵抗器は、一般に用いられるものでは抵抗器が複数個並列に接続された素子となっております。厚膜抵抗を用いるリードタイプでは、抵抗の役割を持つ厚被膜が並列に並べられており、各抵抗の片側に共通の電極がついていて、その逆側が素子の端子としてリード線に接続された構造となっております。さらに、外側がガラスコーティングで絶縁され、その外側が外装樹脂で覆われている構造により一つの素子を成します。
また、分圧抵抗の役割を成す素子も存在します。分圧抵抗として用いられるものは、直列に接続された二つの抵抗器の間から端子が出ています。
例えば、10Vの電圧を1/2の5Vに降圧したい時などに分圧機能を持つネットワーク抵抗器を用いることで、一つの素子を使用するのみで5V電圧を生成することができます。その他、抵抗値がすべて同じではなく2倍、4倍、8倍・・の抵抗値を持つ素子もあります。そのような素子をラダー回路等に用いることで、大幅な高集積化、コスト削減が可能になります。
参考文献
http://www.sanadakoa.co.jp/product_J/pdf/resistors/mr.pdf