sm400bとは
sm400bとは、溶接構造用圧延鋼材で、平成2年以前はsm41bという名称が使われていました。
sm400aとの違いは、衝撃保証値(シャルピー吸収エネルギー)です。sm400aに衝撃保証はありませんが、sm400bは27Jの衝撃保証が付いています。
成分の規定にも違いがあります。sm400aは5成分全てが規定されているわけではありませんが、sm400bは全ての成分が厳しく規定されています。sm400aに比べて、炭素量を若干少なくして、マンガン量を高めることで低温じん性の改善をしています。
先頭についているsmは、sは鋼(Steel)、mは船舶を意味する(Marine)の頭文字に由来しています。語尾についている記号は、シャルピー吸収エネルギーの値で分類されています。aは規定なし、bは 27J( 0℃ )、c は 47J( 0℃ )です。材料の粘り強さを表わす指標になっていて、この値が大きいほど粘り強いとされています。
sm400bの使用用途
sm400bは、比較的市中でも手に入り易く、高い靭性を持ち、各種プラントやタンク、車両、産業機械などで使用されています。また、冷地での車両・建設機械など、重要な箇所で使用される場合も多いです。sm400は、約0~350℃で使用することができます。
sm材と呼ばれているものは、昔は船体に使用されることがほとんどでした。しかし、現在は産業機械やパイプライン、発電プラントなど社会インフラにも欠かせない重要な素材となっています。
5成分全てが規定されているので、溶接性も非常に良好です。通常は圧延のままで製造されます。sm400aより 炭素を少なくした設計で、 27Jの衝撃保証がされており、低温靱性・溶接性を考慮した設計です。400N 級の鋼種の中では信頼性の高いものとなっています。
sm400bはsm400aのアップグレードとして使用することもできます。しかし、sm400bの代わりにsm400aを使用することはできません。化学成分、衝撃保証(シャルピー吸収エネルギー)の問題から鋼種としての技術的に難しいとされています。