fcd450とは
fcd450は球状黒鉛鋳鉄に分類され、JIS G 5502で規定される金属です。
球状黒鉛鋳鉄は高級鋳鉄の一種で、強度・延性に優れており、組織内部に球状の黒鉛が存在していることで、高い潤滑性・耐摩耗性をあわせ持った鋳鉄です。
伸びやすい・しなやかという意味の「ダクタイル鋳鉄」とも、球状という意味の「ノジュラー鋳鉄」とも呼ばれています。
fcd450の構成成分は、炭素3.6~3.8%、ケイ素2.4~2.7%、マンガン0.25%などで、強度・延性・摩耗性が高いほか、耐食性・耐熱性にも優れている素材です。
fcd450-10と呼ばれることもあります。
「450-10」は機械的性質を表しており、「450」が引張強さ、「10」が伸び10%以上の材料であることを表しています。
fcdは、ラテン語で鉄を意味するFerrum、鋳物を意味するCasting、延性があるという意味のDuctileの頭文字を取ってつけられています。
fcd450の使用用途
fcd450は、鋳鉄の中でも強靭で引張強さなどに優れていることから、大きな負荷がかかる環境にも耐えられる金属です。
そのため自動車部品、エンジンライナー、鋼塊用鋳型、ローラー部品類、歯車などの工業分野で多く利用されています。
強度・耐久性ともに必要とされるマンホールの蓋も、fcdで作られています。
また、衝撃にも強いメリットがあることから、鋳鉄管として水道の配管にも多く採用されています。
上水道の導水管・送水管・配水管・給水管、下水道処理施設内の配管としての利用や、農業分野でかんがい用水菅として幅広く活用されるほか、ガス管にも使われています。
私たちの生活の中で利用されている例としては、フライパン・ジンギスカン鍋などの調理器具、DIYで木材などの素材を作業台に固定するリードバイスなどの工具があります。
台車用のキャスターとしても使われており、鋼製よりも頑強で耐摩耗性に優れることから、かなり重い荷物にも耐えることができる部材として重宝されています。