swpとは
swpは「ピアノ線」とも呼ばれ、工業製品に使用されるワイヤー・バネ材を指します。
硬く丈夫で引張強さと耐疲労性に優れ、精密機械などに利用される高級材料です。
バネ用と楽器用の2種類があり、一般にバネ用をピアノ線と呼んでいます。
swpはJIS G 3522で規定されており、主成分は炭素0.60~0.95%、ケイ素0.12~0.32%、マンガン0.30~0.60%ですが、その成分が均一であることが求められています。
その他にも不純物である、リン・硫黄・マンガンなどの含有量が一定数値以下であること、表面のキズの深さが一定値以下など厳しく定められているため、swpの製造には手間暇がかかり、必然的に価格が高くなります。
swpにはJIS規格で「swp-A」、「swp-B」、「swp-V」の3種類があります。
swp-Aは線径が0.08ミリ以上10.00ミリ以下とサイズのバリエーションが豊富です。
swp-Bは0.08ミリ以上7.00ミリ以下、swp-Vは1.00ミリ以上6.00ミリ以下と決められています。
swpの使用用途
swpは厳密に規格化された材料のため、高い信頼性を求める製品に使用されています。
swp-Aはバネ用ピアノ線に分類されており、耐疲労性に優れサイズバリエーションが豊富なため、くり返し荷重がかかる場所の部品など幅広い用途に使用されます。
車のクラッチバネ・ブレーキバネなどの重要部品、電気・電子機器部品、工作機械・建築機械の部品バネ、正確性が求められる計量器のバネなど、高級材料としての用途が多い金属です。
身近な製品としてはベッドのスプリングや、自転車のサドルのスプリングにも使われています。
swp-Bは、swp-Aと同じ用途で使われることが多いですが、引張強さが約10%高い特徴を持っており、swp-A以上に強度が欲しい場合や、耐へたり性を求める特殊バネに使用されることがあります。
swp-Vは弁バネ用として、A種B種よりも更に厳しく規格化された材料で、短時間で何千回もの負荷がかかるような過酷な環境で使われることの多い素材です。
強度や耐久性が求められる、自動車・船舶・農業機械などの各種弁バネとして使われています。