検卵器

検卵器とは

検卵器とは、その名の通り検卵を行う際に使用する機器です。

検卵では卵の下から明るい光源を当てて、卵の殻を透かすことで卵内の詳細を観察します。卵内の胚の成長や発育を把握することで、その後の生産に活かせるようになります。

検卵器の使用用途

検卵器は、卵内を観察するのに使用されます。検卵は卵内を観察・把握することで、受精が失敗した卵を取り除くために行われます。

卵は孵化後5日目~数日ごとに検卵が可能です。検卵を正しく実施するためには、暗い場所で行う必要があります。

卵内の血管の成長や胚発育を観察・把握するために、検卵の際は卵を回転させつつ卵内部の様子を観察します。受精卵は、胚から血管が広がっていることを確認できますが、死んでしまった卵には細部がはっきりしない暗いかたまりが見られます。

検卵器では受精率や胚の発育など、様々なことを観察することが可能です。具体的には、不妊卵、早期死亡卵を識別することができます。不妊卵、早期死亡卵を識別・除去することによって、ガスのたまった卵が爆発することを防止します。また、孵卵器内が細菌で汚染されるリスクを避けることができます。

検卵器の特徴

長所

検卵器の長所は、受精ができていない卵や孵化環境によって卵内の成長が失敗している卵を把握できることです。孵卵器内で失敗した卵を除去することは、正常に孵化できる卵を守ることにつながります。

また、孵卵器による孵化だけではなく、仮親孵化を行う場合でも、無意味な抱卵を予防することができます。失敗した卵を取り除くことによって、残った正常卵に抱卵を集中させるられます。

検卵を孵化までの過程で複数回に分けて行うと、早い段階で受精卵数を把握することが可能です。これは、親鳥の生殖能力を把握することにもつながります。

短所

検卵器の短所は、孵卵中の卵を取り出して検卵することが多いため、孵卵器内の全体温度を低下させてしまうことです。卵を孵化させる上で、温度は重要な条件となります。そのため、卵を冷やさないようにする必要があります。

検卵をする際は、室温状態の部屋で実施し、検卵時の手の温度にも配慮することが大切です。また、孵化に影響が出ないようにするために、すばやく検卵を行う必要もあります。

検卵器の種類

1. 手持ち型検卵器

手のひらに収まる小型の検卵器で、卵を手に持って検査することができます。卵を手で持って検査するため、検査の際は温度変化に注意する必要があります。

2. 卓上型検卵器

卓上に置ける大型の検卵器で、多くの卵を同時に検査できます。大型の検卵器のため、大量に検卵を実施する業務用に使用される場合が多いです。

3. LED検卵器

検査の時に当てる光にLEDを用いている検卵器です。LEDのため、省電力でも明るい光を発しています。LEDを用いた検卵器は寿命が長いため、電球の交換頻度が低いです。また、持ち運びが簡単で、管理が容易な電池式の検卵器が多くあります。

現在、検卵器の光には主にLEDが利用されています。また、胚に損害を与えるような高い熱の光ではないことも、検卵の時にLEDを利用するメリットの一つです。

4. 自動回転検卵器

卵を検卵できるLEDライトがついているのに加えて、自動で卵を回転させる機能が付いた検卵器です。卵を一定の角度で回転させることで、卵の健康状態を確認できます。

5. 自動検卵器

自動検卵器は対象卵を機器内で光を当てながら、カメラで撮影して画像判別します。光を様々な方向から当てて、卵内を撮影・判断することで、精度を高められます。画像から検査を行いますが、自動で選別ができるように検査基準が明確に定められています。

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