直進フィーダ

直進フィーダとは

直進フィーダ (英: straight vibration feeder) とは、直線のシュートに振動を与えて部品を供給する装置です。

シュートによって、整列された部品を次の工程へ送ります。バッファの役割があり、多くは直進フィーダとセットで使用しますが、傾斜させて単体でも使用可能です。

直進フィーダには固定式・ゴム足式・板ばね式の3種類に分けられます。パーツフィーダと同様に駆動方式は電磁式と圧電式があります。直進フィーダは、パーツフィーダの1要素として使用する場合が多く、ボウルフィーダで整列された部品を直進させます。

そして、次の工程に供給します。また、部品をパーツフィーダのホッパからボウルフィーダに供給する場合にも有用です。

直進フィーダの使用用途

直進フィーダは、生産ラインや組付け工程の機械化・高速化のために使用されます。ボウルにワークを入れ、振動を与えることでワークを決められた姿勢に整列させて検査機・組立機・包装機など次の工程に供給します。従来は手で行っていた部品の整列・供給作業の自動化が可能です。

供給できる部品の種類も多く、金属部品・ゴム・プラスチック・電子部品・医療機器・食品などに使用されます。

直進フィーダの原理

直進フィーダは、大量の部品に振動を与え、整列板の誘導で一定の方向に整列させて、次工程の機械に供給する装置です。振動は方向性があり、多くは、前進と後退を切り替えて使用できます。

取り付け方法によって、固定式、ゴム足式、板ばね式などの種類があります。振動の駆動源には、電磁式と圧電式が使われます。

1. 固定式フィーダ

固定式は直進フィーダの架台のベースと、下部ベースを直接固定します。架台に振動が直接伝達するため、厚みのある頑丈なベースと架台が必要です。そのため、小さな直進フィーダにのみ採用されます。多量な微小ワークを扱う場合などに使用されます。

2. ゴム足式フィーダ

ゴム足式は直進フィーダの架台のベースと下部ベースをゴム足で固定します。比較的大きい直進フィーダに多く使用されます。振動調整が容易であり、振幅を出しやすい特徴があります。

ベースや架台に対する剛性の要求も高くありません。しかし、直進フィーダの揺れが大きいため、微小ワークや乗り継ぎ部との受け渡しに厳しい条件が多いワークには不向きです。

3. 板ばね式フィーダ

板ばね式は直進フィーダの架台のベースと下部ベースに対して板ばねを用いて固定します。厚みのあるしっかりとしたベースと架台を使用しない場合、振動が逃げてしまい、ワークの進みが悪くなります。直進フィーダの揺れが少ないため、乗り継ぎ部との受け渡しに厳しい条件が多いワークに向いています。

4. 駆動方式フィーダ

直進フィーダの駆動は、電磁式や圧電式が多く使われます。半波駆動式、全波駆動式、インバータ駆動式、高周波振動式などがあります。また、自励振動式、機械式、空気圧式などの方式も使われます。

直進フィーダの選び方

直進フィーダを選定する際は、

1. 対象部品の特性

まず対象部品の特性を分析することが大切です。部品の重量・大きさ・材質などから、適切な直進フィーダを検討します。

2. 供給能力

供給能力とは、1分間に次工程の機械に供給できる個数です。供給能力をより高めるには、フィーダの速度上昇の他、多列供給の方法があります。

3. 予想される問題

部品の形状が複雑で絡みやすい・傷つきやすい・静電気に弱いなど、整列・排出に問題が予想される場合には、各種対策を加えます。

直進フィーダのその他情報

1. 直進フィーダのメリット

直進フィーダを導入するメリットは、生産ラインの効率化・自動化・省力化などです。手作業で部品供給する場合に比べ、作業の速度と正確性が飛躍的に上がり、生産性が向上します。

また、画像処理などを併用して、不良品を検出し、自動で排除することも可能になります。機械化により、見落としや選別ミスなどの人的ミスの減少が可能です。

2. 直進フィーダのデメリット

直進フィーダのデメリットは、導入コストです。直進フィーダは単独の使用ではなく、パーツフィーダーの1要素として使われることが多く、装置全体として、連携できる検討が必要です。現行の設備とのマッチングが重要です。

また、対象物が変わった時の対応力が必要で、全く使用できなくなるリスクもあります。さらに、定期的なメンテナンスを要し、フィーダの故障によるライン停止のリスクを減少させることが重要です。

参考文献
https://kachitas.net/straight/
https://pfd.co.jp/basic/cyokushin/

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