端子盤

端子盤とは

端子盤

端子盤とは、電気配線を接続するための機器です。

主に電気設備や制御システムで使用され、電気配線を効率的かつ安全に接続することを目的としています。端子盤は複数の電線やケーブルを一箇所にまとめることが可能です。

これにより、配線が乱雑になるのを防ぎ、配線の管理と保守を容易にします。また、配線が整理されているため、必要な接続を迅速に行うことができます。

端子盤は信号や電力の伝達において、信頼性を高める役割も果たします。適切な接続と配線の保護により、短絡や断線などの事故を防ぐことが可能です。信号の劣化や回路の故障を最小限に抑え、安定した電気回路を確保します。

端子盤の使用用途

端子盤は、産業やインフラにおいてさまざまな場面で使用されます。身近な例としては、固定電話回線です。

電話回線を制御する電話交換機に入力される電話線は、数百本~数千本である場合が普通です。それに対して、電話機に入力される電話線は2本であることが多いです。

電話線を各地に分配する際は、電話交換機から数百本の多芯線を敷設します。この多芯線を端子盤で中継して、各地に2本の電話線を敷設します。端子盤を中継に設けることで、配線敷設の工数を削減することが可能です。

また、産業装置の制御配線中継にも使用されます。産業装置には1台に数百個のセンサーが使用されることは珍しくありません。したがって、まとめて多芯線を敷設して端子盤で中継した後に、各センサーへ配線を敷設します。これによって、配線敷設の工数削減が可能です。

端子盤の原理

端子盤には筐体や端子台で構成されます。

1. 筐体

端子盤は1つまたは複数の筐体に収められます。金属製が一般的で、アルミニウムや鋼鉄が使用されることがあります。金属製の筐体は耐久性が高く、外部の衝撃や環境要素から内部の配線や接続部を保護する役割を果たします。

また、筐体は箱状が一般的です。フレームやパネルで構成されており、前面に扉やカバーが取り付けられています。扉やカバーには鍵などが付いていることも多く、不正な接触や誤操作を防止します。

なお、筐体には屋外用、屋内用などの区分があります。屋外用の場合は、天板に水切り屋根が付属する場合が多いです。耐候性や耐腐食性を向上させたい場合は、ステンレス製を使用される場合もあります。

2. 端子台

端子台は、配線同士の接続部分となる部品です。通常は金属製台座の構造で、複数の端子ブロックや接続端子が取り付けられます。端子台は配線の接続や分岐を行う場所であり、配線同士を接続して同電位にする役割を果たします。

また、端子台には接続部があり、電線やケーブルを接続するための導線を固定します。接続部には、ねじやクランプなどを使用するのが一般的です。これにより、導線が確実に接続され、信号や電力の伝達が確保されます。

接続の識別や管理を容易にするためのマーキングが行われることがあります。各端子には番号や記号が付けられ、対応する回路や機器との接続を識別することが可能です。マーキングによって、整理された配線と正確な接続を確保されます。

端子盤の種類

端子盤には、弱電用、産業用、接地用などの種類が存在します。

1. 弱電用端子盤

弱電用端子盤は、通信業界や電話システムで使用されます。主な目的は、通信ケーブルの接続と管理です。電話回線などの信号や電力を適切に接続するための端子やコネクタが備わっています。

弱電用端子盤は、異なる配線を分岐させたり、パッチパネルを介して異なる場所に接続するための配線機能も提供します。

2. 産業用端子盤

産業用端子盤は、工業施設や産業機器で使用される端子盤です。主な目的は制御システムの配線と制御で、センサーやアクチュエータなどの制御装置との接続に用います。

信号や電力の伝達を確実に行い、機器の制御や監視に寄与します。環境に対する耐久性や防塵・防水性能などの機能を持たせる場合もあります。

3. 接地用端子盤

接地用端子盤は、電気設備や建物の接地で使用される端子盤です。接地は電気的な安全性やシステムの正常な動作を確保するために重要です。

接地用端子盤には接地棒や接地線が接続され、異常な電気の流れを大地に逃がす役割を果たします。また、接地用端子盤は地絡検出や保護回路の接続にも使用されることがあります。

参考文献
http://web1.kcn.jp/ta/yougo-settitannsibann
http://www.jsia.or.jp/mamechishiki/syuruitoyakuwari/

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