カッティングダクトとは
カッティングダクトとは、電線を内部に通して景観を良くし、感電を防止する部品のことです。
照明器具を取り付ける際や制御盤内などに使用します。配線が剥き出しとならないため景観が良くなり、感電も防止することができます。
照明器具を取り付ける給電設備としてレースウェイがあり、設置場所の幅によって使い分けます。幅5センチメートル以下の場合はレースウェイ、5センチメートル以上の場合はカッティングダクトの使用が推奨されます。
カッティングダクトの使用用途
カッティングダクトは制御盤内部や照明器具を取り付けに使用されます。一般家庭用以外に、商業用・産業用としても使用されます。具体的な使用用途は以下の通りです。
- 家庭用照明用
- ブティックや展示会の照明用
- 制御盤の内部配線整線用
- 商業施設の照明配線用
- 工場内の配線の整線用
近年は、デザインを重視した商品も販売されていて、インテリアとしても広がっています。取り付けの工数も少なく済むため、工場内の2S目的でも使用されるケースも多いです。
カッティングダクトの原理
カッティングダクトは、主にPVCなどの絶縁樹脂が材料です。全長1~3m程度の長さで販売されており、カバーと本体に分かれます。
本体側面には等間隔で配線用の孔が開いており、ケーブルの出し入れが可能です。側面孔間の樹脂部分は手で変形できるので、配線の太さ・用途・位置によって調整が容易に行えます。
限られたスペースを有効に活用するため、直接ダクト上にDINレールを取り付けた製品も販売されており、配電盤の床面積を少なくすることが可能です。配線作業を容易にし、配電盤内の機器配置デザインの柔軟性を高めます。
配電盤内で使用しない垂直コーナー部分を活用するコーナー型は、配電盤自体の小型化が実現できます。柔軟性のある形状は標準的なものと比べ、配電盤内のコーナーへの取り付けが容易です。
カッティングダクトの種類
カッティングダクトは高さ・幅・長さを選定して購入する必要があります。高さについては、既製品では30~120mm程度までラインナップがあります。主に使用されるのは60mm~80mm付近です。高さが高いほど配線を多く導入できますが、設置スペースが必要になります。
幅は20mm~100mm程度で選定可能ですが、40mm~60mm幅が主流です。太い配線を内部に導入する場合は80~100mm幅を選定します。長さは1m~3m程度で販売されています。2m程度で購入されることが多いです。
カッティングダクトのその他情報
1. カッティングダクトの価格
カッティングダクトは比較的安価な部品です。小さいほど安価で大きいほど高価となる傾向にあります。1,000円~30,000円程度が一般的な価格帯です。
また、材質によっても価格は変化します。一般的には塩化ビニル樹脂製ですが、ポリプロピレン製など、特殊材料のカッティングダクトも販売されています。特殊材料のカッティングダクトは総じて高価です。
2. カッティングダクトの色
カッティングダクトは一般に塩化ビニル製であることから、無塗装であればねずみ色の製品がほとんどです。ただし、景観を乱さないことを目的に、白色・黒色や乳白色のカッティングダクトも販売されています。赤や黄色などの特殊色のカッティングダクトはあまり販売されていないため、どうしても必要であれば自分で塗装する必要があります。
参考文献
https://www.panduit.co.jp/column/nattoku/4298/
https://www.seiwa.co.jp/product/pp/cuttingduct.html
https://www.kowa-kasei.co.jp/examples