ウエスとは
ウエスとは、汚れを拭き取るために使用される布やタオルのことです。
一般的に清掃やメンテナンスの際に使用され、油や水などの汚れを吸収する能力に優れているのが特徴です。ウエスのほとんどは、古着など不要となった布製品で作られます。
古着等以外に、紙や不織布から作られたウエスもあります。生地の種類はさまざまで、使用用途・目的により適切なものを選択して使用します。
ウエスの使用用途
ウエスは清掃やメンテナンスにおいてさまざまな用途で使用されます。以下はウエスの使用用途一例です。
1. 清掃
家庭用や業務用の掃除や清掃作業で使用されます。床や家具の拭き掃除やトイレ清掃などの際に、雑巾代わりとして使われます。
また、工場や製造現場での清掃作業にも使用されます。機械装置は潤滑用に油を使用することが多いため、油汚れのふき取りを主に使用されます。機械部品や工具のクリーニングなどに使われるのが一般的です。
自動車の洗車やメンテナンス作業で使用されることもあります。柔らかい布製であれば塗装を傷つけないため、塗装面の拭き掃除やエンジンルームの清掃などに使われます。
2. 美容・医療
美容業界では、ネイルアートやヘアカラーなどの作業時に使用されます。ジェルネイルの拭き取りや、染毛剤の付着を防ぐための保護シートとして使われることもあります。
医療現場では、消毒や手術の際の清潔な作業環境を保つために、不織布ウエスやマイクロファイバーウエスが使用されます。
ウエスの原理
ウエスが汚れを拭き取る原理は、表面張力と吸着力です。ウエスの繊維表面には微小な隙間があり、これが汚れの粒子を捕らえることで吸着力を生み出します。また、ウエスに含まれる繊維は表面に張り付きやすく、汚れを効果的に拭き取ることが可能です。
さらに、水分が汚れの吸着力を高める効果もあります。水分が汚れと接触すると表面張力が働き、汚れがウエスの繊維に密着しやすくなります。このため、使用する際は、水分を含ませて使うことが多いです。
以上のように、ウエスは微細な隙間や表面張力、吸着力などによって汚れを拭き取ります。ただし、効果は汚れの種類や使用するウエスの素材によって異なるため、適切な種類を選び、正しい使い方をすることが重要です。
ウエスの種類
ウエスは材質に応じてさまざまな種類があります。以下はウエスの種類一例です。
1. メリヤス生地製
メリヤス生地の衣類 (Tシャツや肌着) などを再利用したウエスです。メリヤス生地は綿やポリエステルなどが素材のため、肌に触れたりすることが多いウエスに適しています。
細かいループ状の編み目が特徴で、この編み目が水分を吸収しやすいです。そのため、メリヤス生地ウエスは水拭きや洗車などの際に水分を効率的に吸収することができます。表面に傷が付きにくい柔らかい生地であるため、版画を拭く場合も適しています。
2. 紙製
主に木材繊維を原料としたパルプが原料です。紙製ウエスは、使い捨てができるため、使い終わった後に洗濯や清掃が必要ありません。手軽に使用することができます。
布ウエスに比べて毛羽立ちや発じん性が少なく、衛生面・安全性の面で優れています。繊維が細かいため、大量の油汚れも拭き取りやすいです。
素材の安価さや使い捨てできることから、コストが抑えられるという利点があります。また、洗濯や乾燥などの手間や時間も必要ないため、作業の効率化にもつながります。
3. 不織布製
不織布は合成繊維が原料です。化学的に結着させるなど、織り・編み以外の方法で作られます。不織布製ウエスは繊維を糸状に絡め合わせた構造のため、吸水性・吸油性に優れています。
糸状に絡め合わせた繊維が織り込まれた構造で作られており、繊維や粉じんが発生しにくい点が特徴です。そのため、クリーンルームや食品工場などの清潔な環境で使用されることが多いです。耐久性も高く、複数回の使用できます。
参考文献
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/technical_data/td06/x0495.html
http://zokeifile.musabi.ac.jp/ウエス/