CMOSカメラ

CMOSカメラとは

CMOSカメラ

CMOSカメラとは、CMOSイメージセンサーが搭載されたカメラのことです。

Complementary Metal Oxide Semiconductorの略で、CMOSイメージセンサーによりカメラのレンズから入射した光を電気信号に変換しデータ転送を行うことができます。当初は感度と画質という観点からCCDイメージセンサーが多く普及していましたが、現在ではCMOSイメージセンサの改良により出荷個数で逆転しました。CCDセンサーメーカーとして世界を引っ張っていたソニー社は2025年にCCDセンサーの生産を終了し、CMOSセンサーに注力すると発表しています。

CMOSカメラの使用用途

CMOSカメラは民生品から産業用途まで幅広く使用されています。現在ではWebカメラや携帯電話のカメラはほとんどがCMOSカメラとなっており、特徴はフレームレートとピクセル数の高さです。また省電力であることに加えノイズ性能や色再現率がさらに向上しているため、CCDカメラからCMOSカメラが取って代わりつつあります。

CCDイメージセンサーと比較して消費電力が少ないことからデジタル一眼レフカメラにも使用されています。企業によってはCMOSカメラを使用した民生用の小型HDビデオカメラなども開発中です。

CMOSカメラの原理

CMOSカメラとはCMOSイメージセンサーが搭載されたカメラです。CMOSイメージセンサーの原理はCCDイメージセンサーと同じ部分が多くあります。

CCDイメージセンサーは光を受けたフォトダイオードがその強弱に合わせて電荷を発生しますが、画像処理を行うにはあまりに電荷が微弱です。そこで画像処理回路までにアンプを設置することで信号を増幅します。その過程をバケツリレー方式で行うのがCCDの大きな特徴です。フォトダイオードとアンプを使い電荷を電気信号に変換する仕組みは同じですが、1つのフォトダイオードに対して1つのアンプがあるということがCMOSイメージセンサーの特徴です。

各素子からの電荷は予めアンプにより増幅された状態で画像処理部分へと伝達される為、ノイズによる影響を受けにくいという利点があります。また1つの半導体に仕組みを詰め込むという特徴から、大量生産する際に低価格にできるというのも利点の一つです。

CMOSカメラのその他情報

1. CMOSカメラとCCDカメラの違い

CMOSとCCDでは信号の読み出し方式や構造が大きく異なっています。
CCDはフォトダイオード上に読み出し信号線が位置する回路層とマイクロレンズアレイが配置された構造です。回路層が薄く、マイクロレンズアレイで集光された光が効率良くフォトダイオードに到達します。CMOSには回路層が厚くなりフォトダイオードに到達するまでの光路が長く感度が低いという欠点がありました。しかし2009年にSONYが裏面照射型CMOSを発表し、分厚い回路層はそのままで基板を裏返してシリコン基板層を削り、そちら側にマイクロレンズアレイを形成した構造を実現しました。これが現在CMOSで採用されている技術として一般化しつつある裏面照射型CMOSセンサです。

2. スマートフォン用CMOSカメラ

近年、スマートフォンの高画素化に伴ってCMOSセンサ業界も飛躍的な成長を遂げており、その画質は一眼レフカメラに接近しつつあります。光学ズームなどは一眼レフカメラが良好な性能を持ちますが、光学ズームのみで画像の良否が決まるわけではなく、総合的に見てスマホは一眼レフに肉薄しているというのが現状です。DXOmarkという海外サイトにsmatrphone vs Cameras:Closing the gap image qualityという記事があり、スマホと一眼カメラを多角的な視点から評価しています。

参考文献
https://www.jp.tdk.com
https://www.baslerweb.com
https://japanese.engadget.com/jp-2019-10-30-sony-cmos.html
https://www.dxomark.com/smartphones-vs-cameras-closing-the-gap-on-image-quality/

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