CO2センサーとは
CO2センサーとは、CO2の濃度を測定するためのセンサーです。
一般的には特定の赤外線の波長を吸光するCO2の特性を利用した非分散型赤外線吸光法が用いられていますが、他に電解質とCO2を接触させてCO2をイオン化してCO2の濃度を測定する固体電解質法もあります。また、CO2が高分子に溶解し膨張することで変化する静電容量を測定してCO2の濃度を測定する静電容量法もあります。
CO2センサーの使用用途
CO2センサーは幅広く使用されています。CO2センサーの選定の際には、CO2濃度の検出精度、補正処理の正確性、接続性、サイズなどを考慮する必要があります。使用例は以下の通りです。
1. 工場における排ガス検査
2. 住宅設備における火災報知器
3. ビニールハウス農業におけるCO2量管理
4. 自動車の排ガス測定
5. 空調設備などの車内や室内のCO2濃度のモニタリング
6. 炭酸飲料の製造工場におけるCO2の濃度測定
CO2センサーの原理
CO2センサーの動作原理は測定方法によって異なります。代表例は非分散型赤外線吸光法、固体電解質法、静電容量法です。
1. 非分散型赤外線吸光法
非分散型赤外線吸光法によるCO2センサーは、光源、測定対象の気体の保持の容器、光学フィルタ、受光素子で構成されています。光源から赤外線を容器内に照射し、光学フィルタでCO2が吸光する特定の波長のみを透過させます。その光を受光素子で検出することによってCO2の濃度を測定するのが赤外線吸収法です。
2. 固体電解質法
個体電解質法は、電解質と炭酸塩の層、電極で構成されています。電解質とCO2は炭酸塩の層があることで炭酸イオンが移動し、その移動による起電力を測定することでCO2の濃度を測定する方法です。
3. 静電容量法
静電容量法は、通電性の高分子化合物と電極で構成されています。CO2が高分子化合物に溶解することで静電容量が変化します。その変化量を測定することによってCO2の濃度を測定する方法です。
CO2センサーのその他情報
1. CO2センサーを用いた新型コロナウイルス対策
新型コロナウイルス感染対策には適度な換気が重要であるとされています。一方で、例えば冬は乾燥したり外気が低いため、頻繁に換気を行うことができません。そこで、CO2センサーを換気タイミングの目安に用いる試みが実施中です。CO2濃度が一定の値を超えると換気を促す仕組みとなっており、いわゆる人の「密」を見える化できると期待されています。
また、会議中などに適切なタイミングで換気することにより、集中力欠如や眠気の防止という新たなメリットも期待されています。CO2センサーにより、CO2濃度が一定の値を超えると会議室のパソコンでアラートを出すなどの工夫が可能です。
2. スマホアプリとの連携で手軽に二酸化炭素濃度を測定できるCO2センサー
近年、新型コロナウイルス感染対策として換気が重要視されており、CO2センサーの需要が高まっています。そこで、そこで、スマホのアプリと連携させることで手軽に二酸化炭素濃度を測定できるCO2センサーが開発されています。CO2センサーはCO2以外にも、温度・湿度や気圧を測定できるものもあります。測定結果はWi-Fi接続することでスマホやクラウドで見ることが可能です。スマホアプリでは各種の測定値をリアルタイムで見ることができるほか、その変化をグラフで確認できます。また、設定値を超えた場合にはスマホに通知する機能を備えているため、こまめにアプリでチェックする必要もありません。
参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/electrochemistry/69/3/69_198/_pdf
https://www.murata.com/ja-jp/products/sensor/co2/technicalinfo
http://senseair.jp/knowledge/sensor_technology/principle.html
https://aws.amazon.com/jp/iot/what-is-the-internet-of-things/
https://weekly.ascii.jp/elem/000/004/036/4036207/