イオナイザとは
イオナイザは、帯電した物体を導体に接近させることで電荷が到達する静電誘導の帯電や、物質の摩擦などによる帯電など、静電気を帯びた帯電物を除電し中和する機器です。
特に生産性が求められる生産現場では、帯電した生産品に対しイオンバランスの極性が0V近辺まで除電する精度と正確性に加え、スピードも求められることから、これらの性能を安定して維持するためのメンテナンス性もイオナイザには求められています。
イオナイザの使用用途
イオナイザの主な使用用途として、製品の生産時における加工工程や搬送時などで発生する動的静電気の帯電により、生産環境で発生する機械や部品同士の擦れや摩耗による屑、毛や髪、繊維やほこりなどが静電付着することを防止する目的で使用する用途や、静電気による生産品の電気部品の静電破壊や誤動作に至るトラブルや不良につながることを防止する目的で使用するなど、さまざまな帯電する場面を防止する目的でイオナイザは利用されています。
イオナイザの原理
イオナイザは、主に電圧印加式、放射線式、自己放電式に大別され、電圧印加式の場合、主に電極針、高圧電源、アースで構成され、電極針に高電圧を印加することで強い電場を形成されるとコロナ放電が生じます。
コロナ放電が生じることで放電した電極と接地した電極間で発生する空気中の分子を電離してイオン化し、帯電した対象物表面に放電が到達することで静電気を中和します。
また電圧印加式には、DC(直流)やAC(交流)方式、パルスDCやAC方式、SSDC方式などがあり、それぞれ除電速度やイオンバランスが異なる方式で除電します。
放射線式の場合、放射線(軟X線、α線、紫外線など)の照射により、気中の分子を直接イオン化させて対象物表面に到達することで静電気を中和します。
放射線式は、放射線で気中の分子を直接イオン化させるため、送風やエア供給が不要です。
自己放電式の場合、帯電した対象物表面に接近させた金属性の針状導電体を用いることで、金属性の針状導電体先端部のコロナ放電によって静電気を中和します。
参考文献