セーフティライトカーテン

セーフティライトカーテンとは

セーフティライトカーテン

セーフティライトカーテンとは、設備に人が侵入することを監視する光センサーです。

主に作業者への安全対策を目的とし、設備への出入口や危険区域に設置されます。安全性を重視する性質上、国際規格IEC61496-1/2のセンサ一般安全規格に基づき設計・評価され、第三者の認定機関により安全用の機器として認定を得た製品が多いです。

セーフティライトカーテンの使用用途

セーフティライトカーテンは、主に産業において使用される装置の1つです。以下は、セーフティライトカーテンの使用箇所一例です。

  • プレス機の開口部周辺
  • 製品反転装置の周辺
  • 破砕機・選別機の開口周辺
  • 博物館や金庫などにおける防犯

大型駆動機械周辺において、人の侵入を検出する用途で利用されることが多いです。機械への挟まれや巻き込まれによる事故を防止します。

大型駆動機械への侵入を防止する際は、柵やフェンスで覆って物理的に侵入不可能とする方法が一般的です。ただし、人の出入りが頻繁な箇所や定期メンテナンスが必要な箇所を完全に覆ってしまうと不便です。そのような箇所にはセーフティライトカーテンを設置して、人が侵入した際に設備が停止するようにします。

産業用途の他には、人の出入りが頻繁で夜間は防犯が必要な博物館などに使用されることがあります。

セーフティライトカーテンの原理

セーフティライトカーテンは光センサー、筐体、リード線などで構成されます。

1. 光センサー

光センサーは、投光と受光のユニットを対にした構造が一般的です。仕組みは光電センサーレーザーセンサーと同様で、投光された光を遮ることで受光機器が物体を検知して信号を発信します。投光された複数の平行光を受光するように、光軸を合わせて設置する必要があります。

投光器の光源には、波長400nm~1,500nmの範囲を使用することが定められています。主に波長が900nm程度の赤外線を出力するLEDが用いられます。

セーフティライトカーテンは安全性を重視する機器であるため、万一センサーが故障しても、異常を検知すれば設備を停止させる動作をするので安心です。ヘルシー信号を光センサーに混ぜて発信しており、応答時間内に受信できなければ回路故障として故障信号を発信します。

2. 筐体

筐体は、光センサーや内部基板を保護するための外殻です。一般的には硬質な合成樹脂や金属などが使用されます。安全対策の製品であることを示すために、虎縞模様で塗装されている場合もあります。

3. リード線

リード線は、センサーと外部制御機器を接続するための部品です。一般的には多芯の移動ケーブルなどが使用されます。コネクタケーブルとなっている場合も多いです。

セーフティライトカーテンの選び方

セーフティライトカーテンの選定基準は、検出高さ、光軸ピッチ、検出距離などです。

1. 検出高さ

検出高さは、セーフティライトカーテンの光線が射出される幅です。開口の大きさに応じて選定します。

検出高さが大きいほど広い範囲を検出できますが、値段も高価な上に機器も大きくなり非経済的です。一般的には、開口大きさを最小限に抑え、セーフティライトカーテンの大きさを小さくするように設計します。

2. 光軸ピッチ

光軸ピッチは、光軸が射出される間隔です。最小検出物体とも呼ばれ、値が短いほど小さな物質の侵入も検出します。ただし、光軸ピッチが短いほど値段も高価です。

手指の侵入も検出したい場合は、10mm~20mm幅を選定します。手の侵入を検出したい場合は、20mm~40mm幅を選定します。腕や人体の侵入を検出したい場合は、40mm以上の幅を選定します。

3. 検出距離

検出距離は、投光器と受光器の設置間隔です。開口の大きさに応じて選定します。一般的に検出距離が長いほど高価になる傾向があります。

検出距離が5m以下の短い製品があります。最大では50mを超える検出が可能な製品も販売されています。一般的には、検出ピッチが短いほど検出距離も短くなる傾向です。

セーフティライトカーテンのその他情報

セーフティーライトカーテンの機能

安全性を担保するセーフティライトカーテンですが、一部無効にする機能としてミューティング機能やブランキング機能があります。ただし、使用方法を誤ると死亡事故につながるため、これらの機能を使用する際は注意が必要です。

ミューティング機能とは、セーフティライトカーテンを一時的に非検知状態にする機能です。検知領域の一部を対象に実施します。例えば、製造中の製品や部品などがセーフティーカーテンを通過する時のみ、通過する部分だけを非検知状態にします。

ブランキング機能とは、セーフティライトカーテンの一部を常時無効化する機能です。作業台などの固定物によって、光軸が常時遮光される装置で使用されます。

参考文献
https://www.fa.omron.co.jp/guide/faq/detail/faq02330.html
https://ac-faq.industrial.panasonic.com/jp/faq_detail.html?category=&page=1&id=4004
https://www.fa.omron.co.jp/product/special/safetynavi/feature/safety_sensor/light_curtain/

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