ヒューム集塵機

ヒューム集塵機とはヒューム集塵機

ヒューム集塵機とは、溶接作業に伴って発生するヒュームを吸引するための機器です。

ヒュームとは、固体物質の蒸気が凝固したり、気体の化学反応によって生じた固体粒子が空気中に浮遊するものを指します。このようなヒュームは、特にアーク溶接の際に発生します。また、グラインディング作業によって飛散する微細粉塵にも有害性があり、この場合も集塵機の使用が必要です。

溶接ヒュームには酸化鉄、ケイ素酸化物、ベリリウム、カドミウム亜鉛、鉛、アスベストなど、多様な有害物質が含まれています。このため、溶接作業を行う際にはヒューム集塵機を適切に使用し、作業環境の安全を確保することが極めて重要です。

ヒューム集塵機の使用用途

ヒュームを吸い込むことで、じん肺という病気になるリスクがあります。じん肺は、小さな土ぼこりや金属の粒などの無機物や鉱物性の粉じんが発生する環境で働く人々が、長年にわたりこれらの粉じんを大量に吸い込むことにより発症します。

この病気は、肺の組織が線維化し硬くなり、弾力性を失うことが特徴です。じん肺を避けるために、特に溶接作業などでヒュームが発生する際にヒューム集塵機が使用されます。

ヒューム集塵機の使用例としては、自動車整備工場や金属加工場が挙げられます。これには板金加工レーザー加工、溶接などが含まれます。これらの場所では、ヒュームやその他の粉じんが常に発生するため、集塵機を用いることで作業環境の安全を保ち、労働者の健康を守ることが可能です。

ヒューム集塵機の原理

ヒューム集塵機の原理は他の集塵機と大きく異なるわけではありません。主に羽根車を用いて吸引を行います。その際、ヒュームが羽根車に付着しないよう、いくつかのフィルター構造が用いられ容器内にはバッフル構造が設けられており、重たいヒューム粒子はこのバッフルに遮られて捕集されます。

その後、金網フィルターを通して大部分のヒュームが捕集されます。さらに、それでも取り除けない微細なヒュームはフィルターで捕集します。

また、溶接時にはスパッタや火花が発生します。これらの火花には溶けた金属の粒が含まれており、近くの金属に触れると冷えて固着します。これらの粒はスパッタと呼ばれ、集塵機内に入ると火災や故障の原因となるため、それらを阻止する仕組みが設けられています。

捕集したヒュームの除塵には、パルスジェット方式が広く用いられています。これは間欠的にジェット噴射を行うことで、効率的に捕集したヒュームを除去します。このプロセスにより、集塵機は効果的にヒュームを管理し、作業環境の改善が可能です。

ヒューム集塵機の選び方

使用する場所の規模とヒュームの量を考慮する必要があります。大規模な工場や頻繁に溶接作業が行われる場所では、高い吸引力と大容量のフィルターを備えたモデルが最適です。

異なる溶接プロセスは異なる種類のヒュームを生成します。たとえば、TIG溶接は比較的クリーンなヒュームを生成しますが、MIG溶接やスティック溶接はより多くの有害な粒子を放出する可能性があります。このため、生成されるヒュームの種類に応じて、特定のフィルターシステムを備えた集塵機を選ぶことが必要です。

集塵機のフィルター効率も重要な選定基準です。HEPAフィルターやULPAフィルターを備えた機種は、微細な粒子まで効果的に捕集できるため、特に健康を守るために推奨されます。また、フィルターのメンテナンスや交換の容易さも選択時に考慮すべき点です。簡単に交換や清掃ができる設計のものは、長期的な運用コストを低減します。

さらに、操作性とメンテナンスのしやすさも大切な要素です。ユーザーフレンドリーなインターフェースを持つ機種や、容易にアクセス可能な部品を持つ機種は、日常的な使用において大きな利点となります。また、機械の耐久性や製造元のサポート体制も評価すべきです。信頼できるメーカーから購入し、適切な保証が付いている製品を選ぶことが望ましいです。

参考文献
http://www.yodogawadenki.gr.jp/products/SET.html
http://terukobayashi.com/archives/9727

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