フレキ管継手

フレキ管継手とはフレキ管継手

フレキ管継手とは、フレキシブル管継手の略で、柔軟性があり自由に曲げられる配管継手です。

給排水管やガス用配管をはじめ、様々な設備の配管継手として使用されています。柔軟性があるため、熱膨張で伸縮しやすい配管や振動しやすい機器との配管との接続に活用されています。

また、地震が発生したとしても、誘起される振動を吸収することが可能です。材質としてはSUS304等のステンレス鋼が用いられていますが、一部ゴムなどの非金属が使われることもあります。フレキ管継手の接続方法は、ねじ込みやフランジなどの一般的な配管継手と同様で、長さもある程度自由に選択することができます。

フレキ管継手の使用用途

フレキ管継手は、耐震性や耐熱性などに優れているため、水や油などの液体から、空気・蒸気・ガスなどの気体に至るまで様々な流体を輸送することができます。汎用性が高く、継手のバリエーションも豊富です。フレキ管継手の代表的な使用用途は、以下の通りです。

1. 振動に曝される用途

フレキ管継手は、振動を吸収する性能があるため、工場などにあるポンプやタンク、回転する機械用の配管として利用されています。振動する機械の配管が柔軟でないと、その振動が建物に伝搬し、建物自体が揺れてしまう可能性があります。

また、建築物同士を連結する配管や免振設備にも活用されています。日本は地震が頻発する国なので、地震によって地盤が振動したり沈下したりした場合でも、配管の破損を防ぐことができます。

2. 熱変化に曝される用途

蒸気の配管など、激しい熱変化のある使用用途の場合、膨張と伸縮を繰り返すことになるためその影響で劣化や破損する恐れがあります。この熱変化による応力を和らげるため、フレキ管継手が使用されます。

3. その他の用途

工場などで既存の設備や配管に加えて新たに配管工事をしたい場合、新たな配管がどうしても干渉してしまうことがあります。解決策の1つとして、様々な配管を組み合わせる方法もありますが、フレキ管継手を使用すれば1本で既存設備、配管を迂回可能で、工事も簡単に進めることができます。

フレキ管継手の特徴

フレキ管継手の大半は、SUS304などのステンレス鋼で造られています。一部ゴムなどの非金属素材からなるものもあります。ステンレス鋼は可とう性がありませんが、ベローズ構造やチューブ構造にすることで、可とう性を持たせられます。

ベローズ構造とは、いわゆる蛇腹形状です。ベローズには単式と複式があり、単式は1つのベローズで主に軸方向と角度、軸方向に対して直角方向の変位に対応することができます。一方、チューブ構造とは、波状のバネのような形状のことを指します。

古くから使われている硬質の塩ビ配管継手の場合、配管の芯がズレていると接続することができません。フレキ管継手では芯ズレがあったとしても施工が可能になり、工事の手間も比較的少なくすることができます。

フレキ管継手の種類

フレキ管継手には接続方法に応じて、さまざまな種類があります。代表的なものがフランジ型で、小口径から大口径まで幅広い用途に対応することができます。

ネジ型も使用される場合が多く、直径65ミリ以下の配管の接続に使われています。接続方法にはユニオンやニップルが一般的です。

フレキ管継手のその他情報

フレキ管継手の注意点

フレキ管継手は便利な部材ですが使用に際し、いくつか注意事項があります。まず挙げられるのが、口径によって最小の曲げ半径があることです。フレキ管継手の大半はステンレス鋼でできているため、所定の最小曲げ半径よりも小さい寸法で施工すると破損する恐れがあります。

次に挙げられるのは、長さにも制約があるということです。所定の長さより長い寸法で施工をすると、本来示す耐震性や熱膨張耐性を示さなくなります。最後に挙げられるのは、ねじれに対して非常に弱いことです。フレキ管継手はねじれが加わると、容易に破損してしまうことがあります。

参考文献
https://www.technoflex.co.jp/about/products/flex/
https://www.nfk-jp.com/products/flexible/

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