赤外LED

赤外LEDとは

赤外LED

赤外LEDとは、赤外線を発光することができるLEDです。

IR-LEDやIr-LEDとも呼ばれています。IRとは「Infra-Red」の略で、赤色よりも波長が長い光線を指しています。LEDは「light-emitting diode」の略で、電圧を印可すると発光するダイオードです。したがって赤外LEDは、波長が700~1,500nm程度の近赤外光を発することが可能なLEDです。

赤外線は非常に透過性が高く、障害物などの影響を受けにくいという性質があります。人間の目にも見えないため、信号の送受信や各種センサー光源などに使われることが多い光です。赤外光の発生源にはレーザーなどもありますが、LEDは大量生産が可能な点が特徴です。長寿命かつ衝撃にも強く、価格も安いというメリットがあります。

赤外LEDの使用用途

赤外LEDは日常生活を含むあらゆる場面で使用されます。以下は赤外LEDの使用用途です。

  • テレビやエアコンの操作用リモコン
  • 防犯カメラの光源
  • LiDARやTOFカメラの光源
  • 試料中の水分測定
  • 暗視カメラの光源
  • ゴルフの測距計
  • スマートフォンや携帯電話の通信用

日常生活で最も身近な製品は、テレビやエアコンなどのリモコンです。人に知覚されず投射可能であり、人体への悪影響がないことから日用品へも応用されています。

また、赤外線は透過率が高く、障害物の影響を受けにくいことから測定光として用いられることも多くあります。LiDARは「Lighit Detection And Ranging」の略であり、赤外LEDを用いた測距センシング方式を指します。自動車の自動運転などに応用するために開発されています。

赤外LEDの原理

LEDの発光原理は波長によらず共通しており、半導体のp-n接合によるものです。p型半導体には電場をかけると正孔 (ホール) が移動し、一方n型は電子の移動が起こります。エネルギー的にはn型半導体に存在している電子のほうが高く、p型半導体のホールが存在するエネルギーバンドとギャップが生じています。

ここに電場を加えて電子やホールに摂動を与えると、n型のエネルギーバンドからp型のエネルギーバンドへ電子の遷移が起こります。結果として電子とホールが衝突し、エネルギーギャップに対応した光と熱を生じて消滅します。エネルギーバンドのギャップは半導体の組成によって異なるため、素材を組み合わせれば発光波長を調整可能です。

近赤外帯の波長を出力するには、ヒ化アルミニウムガリウム (AlGaAs) がよく用いられます。一般に、赤外LEDは可視光領域のLEDに比べて発光効率が悪いという課題もあります。

赤外LEDのその他情報

1. 赤外LEDライト

赤外LEDを使用したライトが市販されています。さまざまな種類が販売されますが、いずれもナイトスコープ用として使用されるものです。

投光器タイプは、夜間でも使用する屋外施設の照明に用いられます。赤外LEDを複数個使用するタイプが多く、高出力タイプを20個以上搭載する製品も販売されています。

赤外LEDによる懐中電灯も販売されています。赤外LEDの特徴である暗所での透過性を最大限に活かすことが可能です。40個以上の赤外LEDを使用した製品がありますが、重量は軽量です。点灯個数を切り替える機能がある製品も販売されています。

小型暗視ライトも販売されています。撮影に使用することが想定されるため、光ムラが無いように一灯だけ高出力のものを搭載している場合が多いです。単三乾電池1本で動作し、最大15mの距離を照射できる性能です。本体重量は60gにも満たない携帯性に優れたタイプです。

2. 赤外LEDテープ

暗視カメラの補助照明用として赤外LEDテープが販売されています。テープに一定間隔で赤外LEDを付けて点灯させる製品で、反対側が粘着面となっており簡単に貼り付けることが可能です。狭い場所でも使えるよう3mm以下の細さになっているものなど多種多様なタイプが販売されています。

参考文献
https://www.ushio.co.jp/jp/technology/glossary/glossary_sa/infrared_LED.html
http://www.optocode.co.jp/level4/SW/HTML/SW2_2.html
https://www.akiba-garage.com/shopdetail/000000004045/
https://www.indoorcorgielec.com/resources/raspberry-pi/python-pigpio-infrared/

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