パワーユニットとは
パワーユニット (英: power unit) とは、自動車などのエンジンやモーターなどの動力を発生させる装置のことです。
様々な産業機器など、大型機器の動力源として利用されます。内燃機関に加え、複数のモーターや発電機から成るため、一体の動力源としてパワーユニットと呼ばれています。
内燃機関としては、ディーゼルエンジンを用いる場合が多いです。ここで発生した動力を油圧ポンプなどによって伝達し、機械を動作させます。
パワーユニットの使用用途
パワーユニットは、様々な大型機械を動作させるために使用されます。例えば、排水用ポンプ、オイルポンプ、農業機械、建設機械、通信機器などです。この場合、油圧式パワーユニットがよく使用されています。
また、モータースポーツの一つであるF1では、F1カーの動力源としてパワーユニットが使用されます。従来のエンジンだけでなく、ハイブリッド式のターボエンジンへと改良したため、二酸化炭素排気量の減少が実現されています。
パワーユニットの原理
パワーユニットを使用すれば、ディーゼルエンジンなどのエンジンから発生した動力を複数のモーターなどを通じて、様々な産業機械の動作が可能です。産業用において以前から利用されてきた一方、近年ではF1におけるパワーユニットの開発が進んでいます。
F1のパワーユニットでは、内燃エンジン、ターボチャージャーやバッテリー、エネルギー回収システムなどのハイブリッド装置から成ります。これらの装置がコンピュータ制御されることで、燃費の向上やエンジン性能の向上、排気ガスの清浄化が実現可能です。このように、自動車産業においては、パワーユニットの高度化が進んでいます。
一方、自動車においてエンジンや変速機、クラッチを含めた装置の呼び方は、パワープラントです。なお、発電所という意味でもパワープラントが用いられます。
パワーユニットのその他情報
1. F1パワーユニットの歴史
F1がはじまったのち50年以上、F1マシンは燃料を用いて走っていました。一般車でいうと、ガソリン車にあたります。F1は、モータースポーツであるとともに、次世代技術の開発という面も持ち合わせています。
石油や化石燃料の枯渇、環境問題への取組みを鑑み、2014年にハイブリッド式パワーユニットの導入を行いました。このパワーユニットは小排気量でハイパワーを生み出す技術が詰まっています。
2. F1パワーユニットの構造
F1のパワーユニットは、以下の部品構成になっています。
ICE
ICEは、内燃機関であり、エンジンに相当する部品です。従来は想像を絶するようなハイパワーエンジンが使用されていましたが、現在は、排気量1.6l、6気筒のエンジンに定められています
TC
TCは、ターボチャージャーと呼ばれ、エンジンより排出される排気ガスを利用し、エンジンへ送られる空気を圧縮して送りこむ機能を持っています。圧縮された大量の空気を送ることで、エンジンのパワーを飛躍的に高めます。
また、ターボチャージャーと連動しているMGU-Hは、熱エネルギー回生システムです。ターボチャージャーの回転を補助します。これにより、熱回収とともに、ターボチャージャー最大の泣き所であるターボラグの緩和が可能です。
MGU-K
MGU-Kは、運動エネルギー回生システムであり、一般的なハイブリッド車でおける発電機に該当し、役割は、減速時に発生する運動エネルギーを電気エネルギーに変換することです。
電気エネルギーはバッテリーに送られ備蓄されます。また、MGU-Kは、モーター駆動の機能も備わっており、バッテリー内の電気エネルギーを使い、モーターとして駆動力を発揮します。
MGU-H
MGU-Hは、熱エネルギー回生システムであり、排気ガスによる熱エネルギーを電気エネルギーに変換するものです。MGU-Hは、ターボチャージャーに連結されており、ターボチャージャーが使い切れない排気ガスの熱エネルギーを利用します。
変換された電気エネルギーはバッテリーに備蓄され、ターボチャージャーを補助する際は、バッテリーの電気エネルギーを利用します。
その他
- ES
変換された電気エネルギーを備蓄するバッテリーです。 - CE
パワーユニットの制御を行う電子デバイスです。
参考文献
https://formula1-data.com/glossary/car/body/power-unit
https://www.goo-net.com/knowledge/10568/
https://formula1-data.com/glossary/car/body/power-unit