除塵機

除塵機とは

除塵機 (英: dust remover) とは、塵や土砂などを除去するために使用する機械です。

汚水処理施設や排水設備などで、ごみをかき集めて回収して取り除けます。ごみの回収方式にはレーキ式と回転ネット式があり、使用する用途や設置する場所を考慮して選択可能です。

レーキ式では、ローラー部分の周囲にピンがついており、ピンが回転してごみをほぐして、水面からかき上げていきます。回転ネット式では、除去したい対象物の大きさに合った網目のネットを回転させてごみを集めています。

除塵機の使用用途

除塵機は、塵やごみなどをかき集めて除去できるため、流れがある場所で河川のごみや滞留物を取り除く際に用いられます。排水設備に使用されるため、排水時に自然の流れを止めずに排水が行えるように工夫がされています。

そのほか、農業や工業用水、上水道や汚水処理施設、発電所などの様々な場所で使用可能です。

ポンプの力を利用してごみを吸い上げ、ごみを効率よく搬出できるように、ベルトコンベアを用いるなど、工夫されています。使用用途に合わせて、除塵機に多種多様な機能を追加できます。

除塵機の原理

除塵機にはレーキと呼ばれる回転する円筒状のローラー部分の周上に針が取り付けられており、この針がごみやほこりを小さくしながらかき集めます。

チェーンにレーキを複数取り付けて回転させることで、連続的にレーキを使用可能です。そのためごみの量が多い場合でもレーキを複数設置すると、ごみを効率よくかき上げられます。

また、スクリーンやネットの網目の粗さが細かい除塵機から大型の除塵機もあります。除去したい対象物に応じてサイズを変更し、集めたごみを下流に取り逃がすことなく除去可能です。

除塵機の種類

レーキ形除塵機には、レーキ回動式除塵機とレーキ往復式除塵機があります。レーキ式回転除塵機はエンドレスチェーンが搭載されており、レーキ式往復除塵機はチェーンにレーキを複数取り付けて大型のレーキで除去可能です。レーキ形除塵機には定置式と移動式があり、定置式は既存のバースクリーンを使い、移動式は広範囲の取水口を移動します。

ネット形除塵機には回動式はなく回転式のみで、デュアルフロー式とストレートフロー式があります。デュアルフロー式は水路軸に平行で、ストレートフロー式は直角です。デュアルフロー式にはイン・アウト式とアウト・イン式があり、イン・アウト式ではネットスクリーンの内から外に水が流れ、アウト・イン式では外から内に水が流れます。ネット形除塵機にはセパレートネット式とエンドレスネット式があり、セパレートネット式はフレームやネットスクリーンで、エンドレスネット式は途切れのないネットスクリーンによって構成されています。

除塵機の選び方

レーキ形の回動式除塵機は、背面降下前面搔揚式と前面降下前面搔揚式に分類可能です。メリットやデメリットを考慮して、除塵機を選ぶことが重要です。

背面降下前面搔揚式はレーキがスクリーンの下流を降下して、最下部で反転後にスクリーンの開口部をくぐり、スクリーンの上流に流着したゴミをレーキが搔き揚げます。効率的に小さいゴミを搔き揚げますが、一体式であり設置には全取り換えまたは新規製造が必要です。

前面降下前面搔揚式除塵機はスクリーン面から離れた上流をレーキが降下し、最下部で反転後にスクリーンに沿って上昇して、スクリーンの上流に流着したゴミを掻き揚げます。既存のスクリーンに後付けで設置でき、大きいゴミも掻き揚げます。

除塵機の構造

自動除塵機は除去する対処物に合わせて、スクリーンの目幅がおよそ20~50mmに選定されています。材質にはSS400が使用され、水中部に入る部分もあるため、屋外部と水中部で塗分けが必要です。近年では機器の高寿命化を考えて、ステンレス化が増えています。

製缶溶接や機械加工によって、除塵機を製造可能です。塗装種や塗装膜厚が指定され、注意して塗装する必要があります。

参考文献
http://www.marsima.co.jp/product/trash_removers/index.html
http://www.marsima.co.jp/product/trash_removers/net.html

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