ニブラとは
ニブラとは、鉄板やプラスチックなどの切断に使う電動工具です。丸型や角形の金型を使用し、連続して打ち抜き加工(パンチング)をしながら板状の材料を高速切断することができます。
加工の自由度が高く、直線のみならず円形に切り抜いたり切り欠きを作ったりすることができ、グラインダーのように火花を出すことがないため、危険物への引火等の心配がなく、安全に作業することができます。
ただし、切断できるものは薄板に限りますので、厚板や棒状は切断することができません。
ニブラの使用用途
ニブラの種類によって、切断できる厚みが異なりますが、基本的には鉄板やアルミ、銅板などを高速切断するときに使います。
また、波板も切断できますので、トタン屋根の切断にも使われています。
動力源にもAC100V電源から取るタイプや、バッテリー充電式でコードレスになっているタイプ、エア圧力で動くタイプ、動力源を必要としないハンドニブラなどの種類があり、それぞれの用途にあったニブラを選択することができます。
ニブラの原理
ニブラの切断方法は、事務用品でファイルに穴をあけるパンチと同じで、鉄板に穴をあけ、少しずつずらしながら加工していくことで、穴が徐々に大きくなり、最終的には鉄板を切断することができます。
この構造から、火花が出ない、音が比較的静かであることが特徴です。
また、鉄板の切断にはもうひとつ、「シャー」という電動工具があり、こちらも用途は基本的には同じなのですが、シャーは上下にひとつずつ付いた刃に鉄板を挟み、金切りばさみのように切断していくため、切断する要領が異なります。
シャーはより素早く切断することができ、切りくずがほとんど発生しません。断面もニブラのようにギザギザではありませんが、切断後は鉄板の返りや反り、バリが発生してしまいます。
また、段差に弱く、平面な鉄板しか加工することができませんので、ニブラのように波板を切断することはできません。曲線加工も、ニブラのほうが向いていますので、シャーは直線を素早く切断することに向いています。
参考文献