オーディオアンプとは
オーディオアンプとは、音楽信号をスピーカーやヘッドホンで音楽再生するための増幅装置です。
音楽信号は、レコードやCDなどのメディアからプレーヤーと呼ばれる再生装置を介して出力される場合と、FMラジオ放送やインターネット経由で伝達される場合があります。これらの音楽信号を電力増幅して、スピーカーやヘッドホンを駆動するのに十分な電力を得ることがオーディオアンプの主な役割です。
オーディオアンプの使用用途
オーディオアンプは、音楽をスピーカーから流すために使用されています。一方、音楽信号を扱う装置は、レコードプレーヤー、CDプレーヤー、FMチューナー、ネットワークプレーヤー等、信号の形態も様々です。CDプレーヤーの出力電圧は最大で2V程度ですが、レコードプレーヤーの信号は1mV程度の微弱なアナログ信号です。ネットワークプレーヤーではデジタル信号出力となる場合もあります。
オーディオアンプはこれらの入力信号から所望のものを選択し、周波数特性の補正や音量レベルの調整機構を通して、スピーカーやヘッドホンを駆動する音楽信号を出力します。また、テレビや映画ソフトを鑑賞する場合も、臨場感あふれる音を求めて音声信号をオーディオアンプに入力し、外部スピーカーを駆動することがあります。
このような目的で使われるオーディオアンプはAVアンプとも呼ばれ、多チャンネル出力 (5.1チャンネル、またはそれ以上) を備えることが特徴です。
オーディオアンプの原理
オーディオアンプは、入力された音楽信号を処理するプリアンプ部と、音楽信号を電力増幅するパワーアンプ部から構成されています。
1. プリアンプ
プリアンプでは、信号源に応じた処理回路と、入力信号の選択スイッチ、低音域や高音域を強めるもしくは弱める為のトーンコントロール回路、音量を調整するボリュームなどから構成されています。上記処理回路には次のようなものがあり、様々な信号源に対応します。
- フォノイコライザーアンプ
レコード再生に対応する - バッファアンプ
CDプレーヤーなどの信号をハイインピーダンスで受け、次段の回路にローインピーダンスで音楽信号を伝える - D/Aコンバータ
USB端子からのデジタル入力信号をアナログの音楽信号に変換する
2. パワーアンプ
プリアンプの出力信号を、スピーカー駆動する為に電力増幅するための回路です。必要とする出力は数十Wから百ワット以上になります。また、スピーカーのインピーダンスは4Ωから8Ω程度と小さいので、パワーアンプの出力インピーダンスは極力低くすることが求められます。
オーディオアンプの種類
オーディオアンプは、音楽再生の目的や要求される性能から次の形態に分類できます。
1. プリメインアンプ
プリアンプ部とパワーアンプ部を一つの筐体に収めたもので、オーディオアンプとしては一般的な形態です。信号源を内蔵していないので、CDプレーヤーやFMチューナーなどの機器を入力端子に接続して使います。複数の音源を接続できますので、選択スイッチで所望のものを選んでスピーカーを鳴らします。
2. セパレートアンプ
プリアンプとパワーアンプを別の筐体に収めたもので、極めて高品位な音楽再生を求める場合にこの形態の製品を求めます。パワーアンプは大電力を駆動しますが、その際に発生するノイズ等がプリアンプに影響しないメリットがあります。
しかし、販売されている製品は高価なため、一般的ではありません。
3. レシーバー
FMチューナーを内蔵したプリメインアンプをレシーバーと呼ぶことがあります。嘗て比較的安価なステレオシステムで用いられていましたが、最近はこの形態の製品が少なくなりました。
4. ヘッドホンアンプ
スピーカーは使わず、ヘッドホンで音楽鑑賞することに特化したオーディオアンプです。ヘッドホンを駆動する電力は100mW程度で大掛かりなパワーアンプは不要なことから、小型の製品が販売されています。
インターネットによる音楽配信が普及してから、この形態のオーディオアンプが非常に増えてきました。デジタルの音楽信号をそのまま受けられるように、D/Aコンバータを内蔵している機種が多いことも特徴の一つです。
5. AVアンプ
前述したように、テレビ番組や映画ソフトを鑑賞する際に用いるアンプです。多チャンネルのスピーカーを配置して特殊な音響効果を活用するために、多数のパワーアンプを内蔵しています。
参考文献
https://www.denon.jp/ja-jp/blog/3596/index.html
https://www.pacnet.co.jp/column/2020/01/01200502.html
https://xn--dcknb0b6f4f7ftc.pw/archives/3197
https://korgnutube.com/jp/tube/
https://hiroya-kaitori.com/blog/tubeamp/
https://www.studionoah.jp/knowledge/guiter/post_3.php