微小流量計

微小流量計とは

微小流量計は非常に少量の流量を計測出来る流量計で、液体の場合はリットル/分より流量の低い流体を計測出来る流量計が微小流量計と呼ばれます。

ただし、その範囲は広く、マイクロリットル(0.001ミリリットル)/分程度の単位の流量を計測できる微小流量計も存在します。

微小流量計の測定方法はメーカによって様々で、測定の安定性や測定出来る流体の粘度の範囲、測定できる最小流量を等を争い、日々微小流量計の性能は向上しています。

微小流量計の使用用途

微小流量計の使用用途としては、少量の薬品等を正確に取り扱う必要のある化学プラント、食品プラント、薬品プラントなどが上げられます。これらのプラントでは、少量の薬品を一定の分量で継続的に供給を行うことが、製品の品質に影響するため微小流量計の必要性は非常に高いです。

また、レンズの研磨作業やシリコンウェーハの研磨を行うためには、非常に少量の研磨剤を定期的に供給する必要があるため、これらの作業にも微小流量計は無くてはなりません。

微小流量計の原理

微小流量の測定方法は様々で、現在も新しい測定方法の開発が続いていますが、代表的なものとして以下の3種類の測定方法があります。

  • アネモメータ方式
    この方式は、液体の流れの中でヒーターをある一定の温度になるように加熱します。流量が多くなればヒーターから奪われる熱量が多くなりヒータを一定の温度に保つにはより多くの電力を必要とし、逆に流量がすくなければ電力は少なくて済みます。アネモメータ方式はこの電力量から流量を測定します。
  • カロリメトリック方式
    この方式は、流体内の上流と下流に2つの温度センサーを配置し、センサー間にヒーターを設置します。センサー間にヒーターが存在することから、流体の上流と下流の温度差が生じ、その温度差を測定します。つまり、流速が速くなれば上流と下流の温度差は少なくなり、逆に遅くなれば温度差が大きくなることから、流速を測定することが可能となります。
  • Time of Flight(TOF)方式
    この方式は、流体内の上流にヒータを設置し、下流に温度センサーを設置します。上流のヒーターで加熱した液体が下流の温度センサーに達した時の温度を測定し流量を測定します。

参考文献
https://unit.aist.go.jp/nmij/public/report/bulletin/Vol8/1/V8N1P15.pdf

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