圧力調整器とは
圧力調整器は、主に圧縮された気体や液体などの流体の圧力を調整するために用いられる器具です。
「プレッシャーレギュレーター」とも別称されます。
通常、耐圧容器内に充填されている気体や圧送される流体は、そのまま使用すると危険なほど高圧な状態であるため、適宜使用する用途に合わせて吐出圧力を抑える必要があります。加えて、充填量に伴う容器内の再昇圧・再充填の際には、耐圧容器内の圧力が許容値以上にならないよう、圧力調整器で容器内圧力を制御する必要があります。
圧力調整器の使用用途
実例を挙げると、酸素・アセチレン溶接で用いられる高圧ボンベの出口に取り付けられており、この場合二次側には、逆火時のフラッシュバック(炎がボンベ内部まで遡り爆発すること)を防ぐための「逆火防止弁」が共に装着されます。また、スキューバーダイビングで使用される酸素ボンベには、ダイバーに一定圧の酸素を供給するために使用されています。
また、定量ポンプは流体慣性やサイフォン現象を防止するため、背圧弁を用いて常に一定量・一定圧の流体圧送を行っています。
圧力調整器の特徴
大きく分けると「一次側(入口側)の圧力を調整するもの」と「二次側(出口側)の圧力を調整するもの」の2つがあり、前者は「背圧弁」や後者は「減圧弁」などと呼ばれています。
どちらも調整器内のスプリングレート(バネ応力)と流体の圧力を利用し、それぞれの釣り合い方で制御していますが「バネ張力(設定値)を超えると開く」のが前者「バネ張力(設定値)を超えると閉じる」のが後者というようになります。
また背圧弁と安全弁は作用がとても似ていますが、「容器・配管内の圧力保持」を目的とした背圧弁に比べ、安全弁は「既定値以下に下げ設備を保護する」を目的としているため、弁が作動したときの圧力変動が大きいという大きな特徴があります。
加えて、自立式減圧弁の場合は一次側の圧力が低下すると、二次側の吐出圧力が上がってしまうことがあります(1次変動分の1~2%程度)。これを防止するため、2段階に分けて減圧する二段階減圧弁というものがあります。例えば二次側変動率1.5%のものの場合、1.5%×1.5%で0.0225%まで変動率を下げることができます。
参考文献
http://www.techmation.co.jp/techinfo/pressure_regulator/no001.html
http://www.techmation.co.jp/techinfo/pressure_regulator/no003.html
http://www.techmation.co.jp/techinfo/pressure_regulator/no002.html