コアピンとは
コアピンとは、金型の重要な部品の1つで、特に「穴」や「ねじ止め用のボス」などの形状を作る際に使用される部品のことです。
金型における役割は、成形品の形状を正確に再現することであり、コアピンはその目的を果たすための欠かせない要素と言えます。コアピンと似た形状を持つ部品に「イジェクトピン」というものが存在します。
しかし、イジェクトピンは金型が開く際に同時に動いて成形物を押し出す機能があり、成形品を金型から取り出す役割を担っています。対して、コアピンは金型を開く際も固定された状態で動かず、あくまで形状作製のための部品です。
コアピンは金型設計において精度と正確性を求めるために不可欠な部品で、金型産業において品質を向上させるために欠かすことのできない存在です。
コアピンの使用用途
コアピンは、金型において「穴」や「ねじ止め用のボス」などの形状を作るために使用される部品で、その用途は非常に広範囲にわたります。具体的には、自動車部品や家電製品、精密機器など、ねじ止めが多い製品に使用する部品の金型で、頻繁に利用されています。
成形する部品の形状に応じて、コアピンの数も変化し、例えば、ねじ止め用のボスが多い製品の金型では、それに対応する数のコアピンが必要です。そのため、複雑な形状を持つ製品の金型では、多くのコアピンが使用されることが一般的です。
また、小型で精密な製品を成形する場合には、細いコアピンが用いられます。製品の精度が向上し、高品質な成形が可能です。しかし、細いコアピンは破損しやすく、成形時に注意が必要です。そのため、金型設計や製造プロセスにおいて、コアピンの取り扱いに関する知識や技術が重要となります。
コアピンの使用用途は多岐にわたり、その重要性は高まっています。金型産業において、品質を向上させるためには、コアピンの正確な使用が不可欠であり、設計者や製造者がコアピンの特性を理解し、適切な取り扱いを行うことが求められます。
コアピンの原理
棒状の部品であるコアピンは、成形が必要な形状の径や深さに合わせて作られ、金型の一部として使用されます。特に「穴そのものが深い」場合や「金型形状として、穴位置自体が深い位置にある」場合、長いコアピンの作製が求められ、作製難易度が高度です。そのため、強度を確保するために途中まで太い径で作られ、先端形状だけを必要となる細い径にすることもあります。
また、設計時には、コアピンが隣り合うことがあり、コアピンの間隔の最小値に注意が必要です。近接する「穴」や「ボス」が必要な部品では、コアピン同士の間隔に制約があります。単純な形状であるコアピンですが、金属を削る加工方法の特性上、「穴 (ボス) 径を小さくする」ことはコアピンを再度削って対応できる可能性がありますが、「穴 (ボス) 径を大きくする」ことは難しく、最悪の場合は作り直しが必要です。
そのため、穴径やボス径の調整の可能性がある部品を設計する場合には、まず穴 (ボス) 径を大きめにした状態で金型を作製し、径を小さくする方向で微調整を行うという流れが、コスト的にも時間的にも効率的です。
コアピンの種類
コアピンは、主にストレートコアピン、ステップコアピン、タッパードコアピンの3種類が存在します。適切なコアピンの選択は、品質の高い製品を生産するために重要です。
金型設計者や製造者は、それぞれのコアピンの特性を理解し、最適な選択を行うことが求められます。
1. ストレートコアピン
ストレートコアピンは、最も一般的なコアピンのタイプで、円柱状のシンプルな形状をしています。このタイプのコアピンは、様々な産業で幅広く使用されており、特に「穴」や「ねじ止め用のボス」などの成形に適しています。
ストレートコアピンは、耐久性があり、加工が容易なため、多くの金型設計に採用されている点が特徴です。
2. ステップコアピン
ステップコアピンは、複数の径が連続している特徴的な形状を持っています。成形物の内部に段差がある場合や、複雑な形状を持つ部品の成形に適しています。ステップコアピンは、精密な加工が必要であり、設計者や製造者が高い技術を持っていることが求められます。
3. タッパードコアピン
タッパードコアピンは、先端が細くなっている円錐状の形状をしています。成形物の内部に傾斜がある場合や、ねじ穴など特殊な形状を持つ部品の成形に適しています。タッパードコアピンは、加工が難しいため、技術力の高い専門家が必要です。
参考文献
http://www.tetras.uitec.ac.jp/files/data/200006/20000613/20000613.pdf
http://www.techno-labo.com/blog/moldsite/diary/rookie3