エキゾーストバルブ

エキゾーストバルブとは

エキゾーストバルブ

エキゾーストバルブとは、空気をエキゾースト(Exhaust)すなわち排気する弁です。空圧機器(圧縮空気を使用する機器)において配管内の圧縮空気を排気するために使用されます。短時間で大容量の空気を排気することが要求されるため、クイックエキゾーストバルブまたは急速排気弁と呼ばれる場合もあります。

また、エキゾーストバルブは自動車用語としても使用されており、空気や混合気をシリンダ内に入れるためのインテークバルブの対となる燃焼ガスを排出するための弁を示します。

エキゾーストバルブの使用用途

エキゾーストバルブは往路方向に空気が流れる場合には排気を行わず、復路方向に流れる場合のみ排気を行うといった機能をもっており、空圧回路において圧縮空気を大量に排気したい場合に使用されます。

例えば、エアシリンダを使用する際は片側のポートから圧縮空気を供給し他方のポートから電磁弁のリリーフポートを通じて排気しますが、高速でシリンダを動作させようとすると配管の抵抗が大きくなってしまいます。そこでシリンダの給排気ポートにエキゾーストバルブを接続することで、電磁弁を介さずに急速に排気を行うことができるため、高速動作を実現することができます。

エキゾーストバルブの原理

エキゾーストバルブはIN(圧縮空気供給側)・OUT(シリンダ側)・EX(大気開放)の3つのポートと内部に設けられた弁で構成されています。

IN側からOUT側に圧縮空気が流れる場合には、内部の弁はEXポートに押し付けられることでEXポートは閉口し、IN側とOUT側が接続されます。これに対してOUT側から圧縮空気が流入される場合には、内部の弁がIN側のポートに押し付けられるためIN側のポートが閉口し、OUT側ポートとEXポートが接続されることで急速に排気されます。

エキゾーストバルブを使用することでシリンダを高速で動かすことは可能となりますが、圧縮空気の限界流量は供給側で使用する機器や使用する配管の有効断面積、圧縮空気の圧力にも依存するため、周囲の機器も合わせて選定する必要があります。

またこの構造の空圧機器はORバルブと呼ばれることもあり、名前の通り2つのポートの内どちらかに圧縮空気を流入させれば、出口側のポートと接続し圧縮空気が流れます。ORバルブとして使用する場合にはINポートとEXポートを入力とし、OUTポートを出力とします。

参考文献
https://www.iwakipumps.jp/blog/naruhodo/29/
https://www.goo-net.com/knowledge/05103/
https://www.ckd.co.jp/kiki/jp/product/detail/415/QEV2 

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