水素ガス吸引器

水素ガス吸引器とは

水素ガス吸引器とは、水素ガスを鼻から吸入させて多くの水素を体内に取り込ませる機器です。

水素ガス吸引器には、「水素ガスのみ」や「水素ガスと酸素ガス」を排出するものがあります。家庭用から業務用まで幅広く存在します。

酸素ガスを排出する吸入器は肺炎重症者への効果が期待できるものの、健常者には肺損傷のリスクが懸念されています。流量が高いと鼻に負担がかかる恐れがあるため、流量が多ければ多いほど体に良い訳ではありません。

水素ガス吸引器の使用用途

水素ガス吸引器は、水素ガス吸引療法という先進医療技術に用いられています。目的は、水素ガスを吸引させ、心停止後症候群の患者の神経を良好な状態にすることです。

患者の中でも、院外における心停止後に院外または救急外来において自己心拍が再開し、かつ心原性心停止が推定される人に限ります。

集中治療室で、18時間2%水素添加酸素を人工呼吸器下に吸入します。この間、ガイドラインに準拠した集中治療を行います。対象患者は、成人院外心停止患者のうち、自己心拍再開後も昏睡が持続する者です。

水素ガスを吸入することで、生命を護りながら脳細胞も護り、医療の大きな目的である社会復帰も可能になるのではないかと期待されています。

水素ガス吸引器の原理

水素ガス吸入器の原理として、水素ガスの発生方法と吸入方法を紹介します。

1. 水素ガスの発生方法

高純度の水素を製造するのに最も用いられている方法は、水の電気分解です。

電気分解反応を発生させる電解槽を用意します。槽は、イオン交換膜によって分離されている2つの電極(アノードとカソード)で構成されています。

最も高い純度の水素を製造するためには、電極にプラチナ触媒を用います。電圧が、電解槽の電極に連続的に印加されると、水の電気分解が起こります。

アノード(正に帯電した電極)では、水分子が2つの電子を失い、1つの酸素分子と4つの水素イオンが形成されます。この反応の半分で生成された酸素が、発生装置の後部から大気中に安全に排出されます。

生成された4つの水素イオンは、イオン交換膜(負に帯電したカソードに引き寄せられる)を通過し、4つの電子が集められて2つの水素分子に還元されます。生成された水素は酸素分子を通さないイオン交換膜によって酸素から分離されます。

2. 吸入方法

先進医療技術として認定されているのは、鼻カニューレを用いた方法です。鼻カニューレとは、鼻腔を通して気管に挿入する管のことです。特に鼻カニューレは3~5mmほどの内径で、カニューレの中でも細い種類です。

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