エキゾーストクリーナ

エキゾーストクリーナとは

エキゾーストクリーナとは、「排気クリーナ」とも呼ばれ、空気圧システムの電磁弁やシリンダなどの排気ポートで使用される空気清浄化機器です。

エキゾーストクリーナには次の2つの目的があります。1つ目は、排気時に発生する騒音の軽減です。消音性能はサイレンサより高く、35dB以上の効果があります。

2つ目は、空圧システムから排出された圧縮空気中にある油分やダストの除去です。エキゾーストクリーナを取り付けることで、これらを回収し適切に排出することができます。エキゾーストクリーナを設置すれば、静かでクリーンな作業環境が実現します。

エキゾーストクリーナの使用用途

エキゾーストクリーナは、空圧システムの排気時の騒音と、排気中のミストオイルなどを取り除くために使われています。空圧システムには「エアフィルタ」「レギュレータ」「ルブリケータ」の3つのユニットが搭載され、下記のような機能があります。

  • 空圧ライン中に発生・混入する不純物を除去
  • 加圧と圧力の保持
  • 潤滑油の供給

これらの機能により、空圧システムを安定的に稼働させ、劣化や故障を防いでいます。ユニットを通過した圧縮空気は、排気時に「騒音」と「汚染」を発生させるという問題があります。騒音はサイレンサを使用することで軽減できますが、ダストやオイルミストで汚染された圧縮空気には対策が必要です。

問題を放置すれば、排出ポートの汚染・詰まりを引き起こし、やがて機器を故障させる恐れがあります。さらに、人体に悪影響を及ぼし、呼吸器や内蔵の疾患を引き起こす危険があります。その対策として、エキゾーストクリーナが設置されています。

エキゾーストクリーナを設置すれば、排気時の騒音に加え、排気中のダストやミストオイルなども取り除くことが可能です。

エキゾーストクリーナの原理

エキゾーストクリーナは、「エレメント」と呼ばれるろ材で排気を浄化しオイルを回収します。また、この「エレメント」が消音効果を発揮します。

1. オイルミストが発生する仕組み

エアシリンダなどのアクチュエータは、組み付け時にグリスを必要量付着させることで無給油で使用できる無給油機器が普及しています。

その一方で、シリンダの潤滑のため、ルブリケータを使用して圧縮空気中に油を混入させて潤滑する場合があります。すると、排気中にも油分が混入し、オイルミストが発生する仕組みです。

2. 排出される圧縮空気を浄化する

このオイルミストやダストを含んだ圧縮空気を、エキゾーストクリーナに通過させることで浄化します。エキゾーストクリーナ内部にある「エレメント」と呼ばれるろ材の出番です。

排気中のオイルは、エレメントの表面及び内部でろ過され、さらに凝縮されてエレメント内部や表面を落下し、オイルケース部に溜まることで回収されます。

3. 回収したオイルを排出する

回収したオイルは、「ドレンコック」や「ドレン配管」といった方式でドレン口より排出されます。ドレンコックは、コックを開けることでオイルを排出します。ドレン配管は、配管によってオイル溜りなどつなげることで、たえずオイルを落とす方式です。また、エレメントを通過することで、消音効果を得ることができます。

エキゾーストクリーナの選び方

有効断面積や最大処理流量によってサイズが異なるため、使用内容に応じて選定します。エキゾーストクリーナは、電磁弁から排気される圧縮空気の最大所要空気量より大きい処理能力があるものを選定するのが基本です。

複数の電磁弁を集中配管方式で使用する場合は、同時に作動するアクチュエータ等の機器と接続される配管の容積を含めたピーク時の最大所要空気量を計算します。そして、その値がエキゾーストクリーナの最大処理流量以下となるように機器を選定します。

エキゾーストクリーナの最大処理流量を超えて利用すると、オイルを周囲へ飛散させたり、エレメントが損傷したりする原因となるため注意が必要です。

エキゾーストクリーナのその他情報

エレメントの目詰まり

エキゾーストクリーナは、通常のサイレンサと比較して、有効断面積が小さくなりエレメントの目詰まりも早いです。エレメントの目詰まりを検出する目安として、排気時の内圧を測定します。

内圧が一定以上上昇した場合は、エレメントの通気性が悪くなっているサインであり、目詰まりを起こしていると考えられます。通常、0.1Mpaに達する前に交換します。

参考文献
https://www.smcworld.com/products/ja/s.do?ca_id=1049

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