ネットコンベア

ネットコンベアとは

ネットコンベアとは、メッシュ状のコンベアで対象物を輸送するコンベアです。

メッシュ状のベルトまたはネットを使用するため、特に通気性が必要な物品や水分を含む材料の運搬に適しています。対象物を一定速度で移動させることが可能で、特に食品の製造工程において乾燥工程や加熱工程などを省力化及び量産化を実現します。

ネットには耐熱性や耐食性を有する金網ネットが広く使用されています。ネットコンベアによって、生産工程の合理化やコストダウンの実現が可能です。

ネットコンベアの使用用途

ネットコンベアは様々な産業分野で広範な使用用途に活用されています。輸送対象物は重量物や高温物、耐薬品性が求められる製品など、多岐にわたります。以下はその一例です。

1. 製造業

ネットコンベアは、生産ラインや組み立て工程で重要な役割を果たします。部品や製品を自動的に運搬することで、作業者の負担を軽減し、組み立て作業のスピードと精度を向上させます。さらに、製品が均一なスピードで移動するため、一貫性のある品質を確保することが可能です。

2. 物流業

物流業では、倉庫内での荷物運搬や仕分け作業を自動化することが可能です。効率的な在庫管理と迅速な出荷を実現します。また、大型のネットコンベアは港湾や空港などの貨物取扱い場所で使用され、コンテナやパレットの移動と積み下ろしを効率的に行えます。これにより、輸送プロセス全体の効率が向上し、物流業界の競争力を強化することができます。

3. 食品産業

ネットコンベアの中には搬送中に加熱が可能な製品も多いです。ホタテやワカメなどを輸送しつつ加熱することができます。逆に冷却水を流しながら冷却しつつ対象物を搬送することも可能です。

ネットコンベアの原理

ネットコンベアは軽量の物品を効率的に運搬するための装置です。その基本的な原理は、連続的なネット状ベルトを使用して、物品を一定の速度で移動させることにあります。

ネットコンベアは通常、駆動装置としてモーターやエンジンを備えています。これらの駆動装置によってコンベアベルトを回転させ、物品を運搬します。ベルト速度や方向は制御装置によって調整でき、様々な用途での運搬が可能です。

物品の運搬中に生じる摩耗や負荷に耐えるために、コンベアベルトや駆動装置は頑丈な素材で作られています。一般的にはステンレス鋼などの材料を使用することが多いです。これにより、長期間の使用においても安定して運転可能であり、メンテナンス頻度も減少させることができます。

ベルトの幅や高さなどが調整可能であり、作業環境に合わせてカスタマイズできるため、多様なニーズに対応可能な点が特徴です。また、ネット状構造によって空気が間を通るため、特に食品や化学製品など、湿気を避ける必要がある場合に適しています。

ネットコンベアの種類

ネットコンベアには以下のような種類存在します。

1. S型セクショナルベルト

S型に編み込まれたネットコンベア用ベルトです。ネットコンベアの中で最もシンプルな構造で、フェンスとしても用いられる構造です。安価である一方、引張強度が弱く、ネットに歪みが生じ易く蛇行を起こしやすい点がデメリットです。

2. B型バランスベルト

B型バランスベルトは左捲りと右捲りの螺旋を交互に配置したネットコンベア用ベルトです。クリンプ加工された力骨で連結しているため、応力に対してバランス良く対応できます。運行中の蛇行がしにくく、引張強度も強いため、幅広い用途に利用可能です。

3. G型グラステックベルト

G型のグラステックベルトは螺旋のピッチがB型よりも小さいベルトです。太い線を利用しているため張力に優れ、熱処理等の用途に利用されます。

4. RR型ロッド補強ベルト

RR型ロッド補強ベルトは内部にロッドを埋め込んで強度を向上させたベルトです。高い張力を有するため、ネットの伸びが少なくなり、高温用の用途に最適の型式です。螺旋と力骨は同一経路のことが多いです。

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