溶着機

溶着機とは溶着機

溶着機とは、樹脂や非鉄金属を接合する目的で使用される装置のことです。

2つの部材を融点を超えるまで加熱し、その後接合部を加圧・冷却することでつなげます。ウェルダーやシーラとも呼ばれることがあります。溶着機は、金属同士を接合する溶接とは異なり、比較的小規模な設備で運用できる点が特徴です。

溶接は高電圧を利用して局所的に金属を溶かし接合するため、防火対策を行いながら技術を持った職人が作業する必要があります。しかし、溶着機は無人でも使用できるため、工場などの製品生産ラインで幅広く活用されています。

樹脂や非鉄金属の接合において、効率的で安全な方法として重宝される装置です。

溶着機の使用用途

溶着機は加熱性能を活用し、溶着機は熱可塑性樹脂のフィルムやシートなどの薄物製品の接合や、各種樹脂部材の継ぎ目のカシメ (リベッティング) に使用されています。接合する材料や使用条件に応じて、電気ヒーター、超音波、振動による加熱などの加熱方式が存在します。しかし、どの加熱方式にも共通して、瞬時に加熱し、数秒以内に溶着が完了するという優れた加熱性能がある点が特徴です。

そのほか、薄物製品をロールによって展開して扱う生産ラインでは、溶着機が重要な役割を果たしています。原反 (原料ロール) を取り替えた際、前原反と次原反の端部を溶着機で接合することで、生産ラインを停止させることなく連続稼働が可能です。

溶着機の原理

溶着機は、2つの部材を融点を超えるまで加熱し、接合部を加圧・冷却することで結合させています。強固で精密な接合が実現可能です。

接合する材料や使用条件に応じて、電気ヒーター、超音波、振動などのさまざまな加熱方式が採用されます。しかし、どの加熱方式も共通して瞬時に加熱し、数秒以内に溶着が完了するという高い加熱性能を持っている点が特徴です。

電気ヒーター方式では、電気抵抗を利用して発熱させることで、接合部を加熱します。それに対して、超音波方式は高周波の振動を利用して接合部に熱を発生させ、部材を融着させます。振動方式では、機械的な振動を用いて摩擦熱を発生させ、接合部を加熱します。

溶着機の特徴

溶着機は加熱方式によって構造や溶着できる面積が異なり、用途に応じて機種を選択することが必要です。

1. 電気ヒーターを用いた熱溶着機

電気ヒーターとシールバー、シールバーの押しつけ機構により構成されています。接合したい部材をシールバーにより挟み込み、電気ヒーターに高電圧の負荷を加えることで瞬間的にシールバーを加熱します。

シールバーの断面積に応じて大きな面積の溶着が可能です。しかし、シールバーによる押さえ面と接合面が近くにある必要があるため、シートやフィルムなどの薄物製品の溶着に多く使用されます。

また、シールバーの押しつけ機構を自動化することにより、機械化された生産ラインにも導入可能です。

2. 超音波溶着機

ラグランジュ振動子などの高周波振動発生機とホーンと呼ばれる先端部材によって構成されており、発生した振動がホーンを介して増幅・伝導することにより対象物を高周波振動させます。高周波振動した対象物の接合面は分子レベルでの電位的な運動により加熱され、溶着されます。

熱溶着機とは異なり接合部のみが加熱されるため、対象物に与える熱的影響が小さくなるのが利点です。しかし、振動を増幅させて伝達するためホーン先端の断面積は大きくできません。大面積の溶着付は不向きです。

溶着機のその他情報

溶着機と併用される機械

溶着機は、カッティングマシン、プレス機、コンベヤーシステムの3種類の機械と併用されます。

1. カッティングマシン
溶着機と併用されることが多いのが、カッティングマシンです。溶着によって接合された部材を、所定の形状やサイズに切り抜くために使用されます。

溶着機とカッティングマシンを組み合わせることで、効率的に製品の加工が可能です。主に、フィルムやシート、テキスタイルなどの加工に用いられます。

2. プレス機
プレス機は、溶着機と併用して、部材を所定の形状に成形するために使用されます。溶着機で接合された部材を、プレス機で圧力をかけて成形することで、高い接合強度が得ることが可能です。自動車や家電製品の部品接合など、強度が求められる製品に適しています。

3. コンベヤーシステム
製品生産ラインにおいて、溶着機と併用されることが多いのが、コンベヤーシステムです。コンベヤーシステムは、部材を連続的に搬送する役割を果たし、溶着機による接合作業を効率的に行えます。また、コンベヤーシステムには自動化機能が搭載されていることが多く、無人での運用が可能です。

参考文献
https://caddi.jp/
https://www.honda-el.co.jp/hb/3_1.html 

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