気流可視化装置

気流可視化装置とは

気流可視化装置

気流可視化装置とは、純水を微細な霧状にしてミストを発生させて、ミストが気流の動きにあわせて動くことを観察し、気流の状態を目視で確認できるようにするための装置です。

純水に対応している気体可視化装置は、汚染の原因となるような煙や粒子を必要とせず、純水と清浄された空気を用いるため、人体や機械に無害です。そのため、クリーンルームなどの衛生的な環境でも安全に使用することができます。

Fig1 気流可視化装置とは

図1. 気流可視化装置の概要

確認したい気体の用途に合わせて、ミスト気流を発生させる速度を変化させます。また、ファンでミストを送り出す風量を調節し、空間内の気流に与える影響を限りなく小さくすると、確認対象の気体を効率的に追い出してより鮮明に可視化することが可能です。

気流可視化装置の使用用途

気流可視化装置は、特定の空間の気流を確認する場合に用いられます。具体的には、不良原因箇所の特定、部屋の乱気流や差圧の確認、逆流の有無などを確認する場合です。

熱源付近での上昇気流を確認する際にも、使用されています。一般的に、空気中の気体の流れは見ることができません。しかし、気流可視化装置を用いることで、空間中の気体の流れを目視で確認できるようになります。

クリーンルームなどの衛生環境でも使用可能で、障害物などによる気流の吹き溜まりやゴミだまりなどが発生していないかなども調べられます。

気流可視化装置の原理

Fig2 気流可視化装置の原理

図2. 気流可視化装置の原理

気流可視化装置は、超音波発生部分、ファン、ノズル、純水タンクなどの部品から構成されています。超音波発振子ユニットで発生させた超音波で振動を起こすことで、純水をマイクロメートル単位の微細な霧状にします。

そのミストをファンで押し出むことで、発生させたミストをノズルから空間内に送り込むという原理です。発振子の周波数を調整すると、ミストの粒径を制御することができます。目でみることができるくらいに大きく、かつ流れに影響を与えないぐらい小さいミストを生成しています。

気流可視化装置は、空気中に放つ物質に何らかの成分を持った煙や粒子を用いません。純水を霧状にしたミストを用いているため、汚染など心配せずに使用できます。さらに、HEPAフィルタを通しているため、ポンプの異物などがでることもありません。

気流可視化のその他情報

1. 気流可視化の手法

Fig3 気流可視化の種類

図3. 気流可視化の手法

気流可視化の手法には、気流可視化装置のほかにもタフト法や超音波法などがあります。

タフト法
タフト法は流れの中に糸などを挿入し,その挙動から流れの方向や非定常性、はく離領域の存在などの流れの模様を調べる方法です。人の手が届かないところなどの測定をする際に適しています。

超音波法
超音波法は超音波によって、流体内にある反射物からのドップラー信号を検知して流速分布を計測する技術です。流れ場を非接触で数値化できる手法ですが、高価でまだまだ使い勝手に課題があります。

どの手法も一長一短ですが、気流可視化装置 (ミスト法) は比較的手軽で、持ち運びができるため、手が届く範囲であればすぐに測ることができます。

2. 気流可視化装置の測定の工夫

気流可視化装置によって放出されるミストの粒径は、数μmから5μm程度です。暗い場所などではミストが見えづらくなるため、明るい光源が必要になります。強力なレーザー光源やLED光源などを用意するとよいでしょう。

また、色によって見えやすさが変化する場合があります。市販のものは、目に優しく感度が高い緑色が多いです。色を付けることによって、明るさ自体が落ちると逆効果の場合もありますので試行錯誤することをお勧めします。光の当てる角度などによって印象が大きく変わります。

さらに、流れ場をカメラで記録したい場合には、カメラにも一工夫が必要になるケースもあります。最近では、カメラによる動画と画像解析をあわせて流れ場の数値化を試みるPIVという手法もあります。全てに適用できる手法ではありませんが、効果的なケースもあるため検討するとよいでしょう。

参考文献
https://www.webshiro.com/sokutei_sc/airflow-visualization-apparatus.html
https://www.webshiro.com/syouhinsetumei4/M812-CV-M01K.html
https://www.csc-biz.com/csc%20bland/mist_st/mist.html
https://www.kotohira.biz/products/clean/airflow

 

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