トルクチェッカーとは
トルクチェッカーとは、ボルトなどの締め付けトルクを確認する機器です。
トルクチェッカーは、例えば、電動ドライバのトルク設定値の確認に使用されます。ドライバの締め付けトルクが正しく設定されているかを確認するために使用され、「誤ったトルクで締め付けてしまうことによる製品の破損」や「トルク不足による製品機能の低下」を防ぐことが期待できます。
トルクチェッカーの使用用途
主に工場などの大量生産現場で使用されています。製品の組み立てには、取り付けるねじの種類などによって適切なトルクが決まっているため、トルクチェッカーによるトルク管理が必要です。
トルクの管理が行われていないと、作業者による締め付け力の差が発生し、締め付け過ぎによる破損やトルク不足による製品機能低下などが起こる可能性があります。これに対し、作業開始時にトルクチェッカーを使用して正しい設定値での締め付けを行うことで、作業者に関わらず安定した品質を保つことが可能です。
トルクチェッカーによる設定値の確認は、通常、締め付け作業の際に毎回行われるものではなく、その日の作業開始時にのみ実施されることが多いです。中には、「1日の中でも、所定数の組み立てが終わったら確認を行うこと」という指示がある製品もあるため、この場合は指示に従って所定数で再度確認を行います。
トルクチェッカーの原理
1. トルクチェッカーの構成
トルクチェッカーは、一般的に、「ファイダプター」と呼ばれるねじ付きシャフトとスプリングなどで構成されたアダプタ部品と、トルクを測定してデジタル表示する「測定器」で構成されます。
ファイダプターを電動ドライバの先端に取り付けた状態で、測定器にセットし、電動ドライバを駆動することでトルクを測定することができます。ファイダプターには、測定可能範囲が定められており、設定したいトルク値によって使い分けが必要になるため、注意が必要です。
2. トルクチェッカーによる測定
実際のトルク値の測定は、以下のような流れで行います。
- 測定対象の電動ドライバに所望の設定値が測定可能なファイダプターを取り付け。
- 測定器にセットし、電動ドライバが自然停止するまで駆動させる。
- 停止した時のトルク値が測定器に表示される。
測定には誤差が生じる可能性があるため、複数回の測定を行い、平均値でトルク管理を行うことが多いです。一度上記の流れで測定を行った後に再度測定を行う場合には、電動ドライバを逆転させ、ファイダプターにかかっている負荷を取り除く必要があります。
トルクチェッカーのその他の情報
トルクチェッカーの種類
トルクチェッカーには形状と用途ごとで、一般的に次の種類があります。
1. 形状による分類
- 一体型:センサ部が計測部が一体となったタイプです。簡便で携帯に便利です。
- 分離型:センサ部と計測部が分離したタイプです。センサ部を変えて使用できます。
2. 用途による分類
- 電動ドライバのトルク設定が可能なタイプ
- 締め付けるねじの緩みトルク、増締めトルク測定ができるタイプ
- 自動機械のドライバ用のトルク管理に使用可能なタイプ
- インパクトドライバ、トルクレンチのトルク管理用のタイプ
参考文献
https://hios.com/wp-content/uploads/2017/11/WT-C023_HP_17B.pdf