噴霧器

噴霧器とは

噴霧器

噴霧器 (英: sprayer) とは、水や薬液などの液体を霧状にして、空間に噴射する機器です。

農業の用途が多くありますが、水を噴霧する場合は加湿器や冷却装置としても使用できます。霧状にする際は、液体を高圧にしてノズルから吹き出す、圧縮空気などの気体を使って液体をノズルから吹き出す、超音波を用いて霧状にする方法などがあります。

農業用の噴霧器には、ボトル式のもの、肩掛け式や背負い式で小型のもの、動力式のもの、移動式で大型のものなどがあります。駆動方法による分類は、手動式、電池式、エンジン式、電動式などです。

噴霧器の使用用途

農業用の噴霧器は、農作物や果樹の病害虫防除のための消毒、除草、灌水などに使用します。肥料の散布にも使用可能です。

業務用の噴霧器として、圧縮空気を使用して微粒子にした塗料を吹き付ける塗装用噴霧器があります。水と圧縮空気により噴霧する洗浄機は、洗車や屋根の洗浄に使われます。

また、日用品の用途もあります。ボトルから手動またはガス圧で噴霧するもので、噴霧器単体と薬液とが一体になったセット商品です。粒子が比較的粗いものは、手の消毒、傷の手当、各種洗剤・防虫剤の噴霧など幅広く使われます。

噴霧器の原理

液体を噴霧する方法には、ノズル方式と超音波式があります。ノズル方式は液体を高圧にする方法、圧縮空気を使う方法、ガス圧を使う方法などに分類されます。

1. 液体を高圧にする方法

液体を高圧にする方法は、水道の水圧を使うか、ポンプにより液体を高圧にして1流体ノズルから吹き出させます。圧力が4MPa程度あれば、液体の平均粒子径が20~30µ程度になります。農業用の噴霧器はこのタイプがほとんどです。

2. 圧縮空気を使う方法

圧縮空気を使う方法は、圧縮空気を2流体ノズルに入れ、圧縮空気の高速流により、液体を吹き出させて霧化します。2流体ノズルは、気体と液体の2つを使うノズルです。1流体ノズルに比べ、液体の粒子径が10µ程度と細かいのが特徴で、空間の冷却装置や大規模農園などに使います。

3. ガス圧を使う方法

ガス圧を使う方法は、薬液ボトルに炭化水素などの高圧ガスを封入したものです。スプレーとして消毒・殺菌・殺虫などに使用します。

4. 超音波を使う方法

超音波を使用する方法は、液体容器に超音波装置を設置して、液体を霧化するものです。超音波の振動により、液面の一部が隆起して微細なミストが発生します。主に加湿や小型の薬剤噴霧に使用します。

噴霧器の種類

噴霧器は薬液のタンクが一体のもの・別体のもの、動力源が手動・電動・電池・圧縮空気など多種多様です。主として農業用に使われる代表的な種類は、背負い式噴霧器、肩掛け式噴霧器、移動式動力噴霧器です。

1. 背負い式

薬液タンクを背中に背負って使用するタイプで、手動式、電動式、電池式、エンジン式があります。

2. 肩掛け式

薬液タンクが10l以下の小型のもので、片方の肩に掛けて使います。家庭菜園などに最適です。

3. 移動式動力噴霧器

薬液タンク・エンジンや電動機、噴射ホースなどを車輪付きの台車に搭載したものです。

 

この他、噴霧器の移動にラジコンを使う方式やドローンに搭載して空中から噴霧するものもあります。

噴霧器の選び方

噴霧器は家庭で使う小型のものから、業務用の大型のものまであり、用途に適した機種の選定が重要です。

1. 家庭用

家庭などで使う場合は、手動式か充電電池式が手軽に使えます。草花の消毒・防虫には、手押しポンプの付いたスプレー式の噴霧器が便利です。家庭菜園は、広さからタンク容量を選びます。庭の片隅程度なら5~8L、耕運機が必要なくらいの広さなら50L程度のタンク付きを選びます。そして、動力は、手動式、電池式、充電式、電動式、エンジン式からの選定が可能です。

2. 農園用

水稲防除用に使う噴霧器は、大水量が要求されます。水稲向けノズルを使用し、給水量の多い機種が最適です。野菜防除用の噴霧器は、細かい霧を出せる高圧型を選定します。多頭ノズルを使用して効率を上げるようにします。

3. 果樹園用

果樹用の噴霧器は、比較的高い圧力と水量が必要です。圧力と水量のバランスが取れた噴霧器が適しています。

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