ローム株式会社の売上・利益・業績を調べて見ました!
2020年3月期通期決算はコロナウイルスによる影響を受けた形となり、過去順調であった車載を含め、すべての市場セグメントにおいて売上高が減少しました。
ローム株式会社の2020年3月期通期決算
決算概要
- 売上高: 3628億円(前年比9%減)
- 営業利益: 294億円(前年比47.3%減)
- 経常利益: 357億円(前年比44.7%減)
- 純利益: 256億円(前年比43.6%減)
ロームの2020年3月期の決算は減収減益となっています。
市場別売上高
- 車載: 1305億円 (前年比: 4.8%減)
- 産機: 432億円 (前年比: 15.1%減)
- 民生: 1181億円 (前年比: 6.6%減)
- 通信: 299億円 (前年比: 16%減)
- 事務機: 412億円 (前年比: 16.1%減)
すべてのセグメントにおいて売上が減少しています。
5年間の市場別売上推移
2020年3月期の決算においては車載、産機含めてたすべてのセグメントで売上が減少しています。
しかし、車載、産機においては2016-2019年まで売上高は伸ばしていましたので、これはコロナの影響があると考えられます。
コロナウイルスにより、企業の設備投資が減少し、車の販売台数が落ち込んでいるので、その影響を受けた形ではないでしょうか。
日本の車の販売台数は2020年5月では前年同月比で-40%となっています。
設備投資に関しては、日本政策投資銀行が大企業の2020年度国内設備投資額が東日本大震災後の11年度以来9年ぶりに減少する見通しだと発表しました。
*情報は2020年3月期通期決算ローム株式会社の決算説明資料を参考・引用しております。
ローム株式会社の2019年3月期通期決算
決算概要
- 売上高: 3989億円(前年比+18%)
- 営業利益: 559億円(前年比-1.9%)
- 経常利益: 646億円(前年比+19.3%)
- 純利益: 454億円(前年比+22%減)
ロームの2020年3月期の決算は増収増益となっています。
市場別売上高
- 車載: 1372億円 (前年比: +96億円)
- 産機: 518億円 (前年比: +33億円)
- 民生: 1270億円 (前年比: -55億円)
- 通信: 371億円 (前年比: -55億円)
- 事務機: 458億円 (前年比: -1億円)
民生と通信において合計で120億円近く前年比で売上は減っていますが、車載、産機において売上が合計で129億円増えていますので、合計で18億円売上が増加しています。
民生の売上減少の理由として、TV、デジカメ等の販売が低迷していることを上げています。
デジタルカメラはそもそも年々その市場が縮小しており、カメラ映像機器工業会によると、2019年は2018年に比べて78.3%の出荷額となっています。
したがって、今後もロームの民生セグメントの売上は減少してくと考えられます。
市場別売上構成比推移
市場別の売上構成比のグラフになります。
今期の決算でも民生の売上は減少し、産機と車載の売上は増加していましたが、このトレンドはかなり前から始まっています。
2004年の市場別売上
- 日系民生: 56%
- 産機: 5%
- 車載: 11%
2020年3月期(見込み)の市場別売上
- 日系民生: 28%
- 産機: 14%
- 車載: 37%
2004年には車載+産機の売上構成比の合計が16%でしたが、2020年には51%になる見込みです。
車載半導体の市場規模の推移について調べてみました。
車載半導体は2012年には205億ドルでしたが、2018年には310億ドル、そして、矢野経済研究所は2030年には586億ドルと予想しています。
ロームは車載半導体のシェアを維持することができれば、今後も市場が広がる限り、かなり売上高を伸ばしていくことができそうです。
*情報は2019年3月期通期決算ローム株式会社の決算説明資料を参考・引用しております。
まとめ
如何でしたでしょうか?ローム株式会社の売上・利益・業績を調べて見ました!