保温シート

保温シートとは

保温シート

保温シートとは、一定の温度を保持するためのシートのことです。

農業では、農作物を寒冷地や冬期に保護するために使用されます。保温シートは断熱効果を兼ねているものも多く、室内の冷気対策、浴槽のお湯の温度保持、食品や飲み物の保温など様々な場面で使用される便利な資材です。

なお、本記事では、農業用の保温シートに特化して解説します。

保温シートの使用用途

保温シートは、農園芸において頻繁に使用される資材です。主に、トンネル掛けやベタ掛け、浮き掛け栽培に使用され、農作物や植物の保温・防霜・生育促進・品質向上などに役立ちます。

また、ハウス用には、シート間に空気を蓄えた中空構造の保温シートが多用されます。軽量で扱いやすく保温性が高いため、燃料費の大幅削減が可能です。

保温シートの特徴

長所

1. 土壌温度の上昇
保温シートを土壌表面に敷くことで太陽光を吸収して熱を蓄えるため、土壌温度を上昇させます。春先や秋口などの気温が低い時期でも、植物の生育を促進できます。

2. 風雨や霜からの保護
保温シートを活用することで、風雨や霜から農作物を保護できます。これにより、農作物の生育が安定し、品質の向上が期待できます。

透光性・透水性が良いポリビニルアルコール素材の保温シートを用いた場合は、効果的に土壌を保温できるだけでなく、保温シートの上から農薬散布することが可能です。ほかにも、観葉植物の室内での冬越しに保温シートを用いることで、軒下での冬越しが容易になります。

3. コスト削減
保温シートによって農作物などの温度管理が簡単になり、暖房にかかる燃料費を削減できます。また、保温シートは比較的安価で耐久性が高く、長期間使用できるため経済的です。

短所

1. 収穫への影響
保温シートを使用することで、作物が必要とする日光や風を遮ってしまう可能性があります。また、保温シートによって風や水分の影響を受けずに育つことができる反面、収穫期間が延びる場合があります。

2. 暑さによる影響
保温シートは、夏場には熱を蓄えやすくなるため、作物に悪影響を与える可能性があります。急激な気温上昇時は、保温シートを外すか、めくり上げるなどの対処が必要です。

3. 初期コストがかかる
大規模な農場で使用する場合は大量の保温シートが必要になるため、初期コストがかかる点は短所です。

保温シートの種類

農業用保温シートの素材は不織布が一般的で、主に以下のような化学繊維で製造されます。

1. ポリエチレン (PE)

ポリエチレンは一般的なプラスチック素材です。耐久性・耐候性があり、柔軟性もあるため、農業用の保温シートの素材として広く使用されています。また、ポリエチレンは比較的安価で、リサイクルが可能です。

2. ポリプロピレン (PP)

ポリプロピレンはポリエチレンと同様にプラスチック素材ですが、一般的にポリエチレンよりも高価です。また、ポリエチレンに比べて強度が高く、耐熱性・軽量性・耐久性に優れています。

3. ポリビニルアルコール (PVA)

ポリビニルアルコールは合成樹脂の1種で、一般的な保温シートの素材ではないものの、透光性・透水性・吸湿性・耐候性・耐久性に優れているのが特徴です。芝生の保温シート素材としても用いられます。

保温シートの選び方

保温シートは、使用用途によってさまざまな製品があり、厚さや素材などが異なります。使用する場面や目的に合わせて適切な種類を選ぶことが大切です。

農業用保温シートを選ぶ際には、以下の点に着目して選ぶことをおすすめします。

1. 耐久性

保温シートを屋外で使用する際は、耐久性が重要です。耐久性の高い保温シートを選ぶことが必要です。

2. 保温性能

保温シートの主な目的は、農作物を寒さから守ることです。各メーカー記載の保温性能などを参考に選ぶと良いです。

3. 厚み

保温シートの厚みは、保温性能や耐久性に影響します。ただし、メーカーによっては軽量かつ薄くても適切な機能を持つ製品が販売されているので、比較して選ぶことが大切です。

4. 価格

保温シートには様々な価格帯のものがあります。必要な機能や性能を満たす製品を選ぶと同時に、予算内で収まるように選んでください。

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