防風ネット

防風ネットとは

防風ネット

防風ネットとは、風からの影響を軽減させるためのネットです。

防風ネットの編み方は特殊な「ラッセル編み」と呼ばれ、ポリエチレン繊維をレース状に編んで加工しています。主に、農作物を強風から守るための農業資材として屋外で利用されます。

また、倉庫や一般家庭のベランダに設置するなど、様々な分野で活用できる資材です。

防風ネットの使用用途

防風ネットには、主に次のような使用用途があります。

  • 防風
  • 防雹 (ぼうひょう)
  • 防霜
  • 防砂
  • 防虫
  • 防鳥
  • 農薬の飛散防止
  • 塗装塗料の飛散防止
  • 簡易フェンス
  • 遮光
  • 目隠し
  • 保温

農業現場において、野菜や果物などの農作物を強風や台風、雹、霜などから守ります。虫や鳥などの侵入・食害・ふん害を防ぐ用途もあります。また、切り干し大根などの野菜類を乾燥させる際や、ビニールハウスのビニールが飛ばないように防風ネットを活用することもあります。

工場や倉庫群、倉庫の搬入口など強風の通り道に設置すれば、突風による事故の軽減や風の流れを変えることも可能です。プライバシーを守りたい空間や、スポーツグラウンドなどの風よけ・砂塵よけなどにも使えます。

防風ネットの特徴

長所

防風ネットの長所は、農作物や果樹などを強風・防風から守れる点にあります。また、耐久性・耐薬品性・通気性・通水性・軽量性などに優れている点も特徴です。

防風ネットで風を遮ることで作物の生育を安定させ、果実の落下などを防ぎます。同時に、収穫量の安定も期待できます。

防風ネット未使用時と比較した場合、体感で約50〜90%の風を抑制し、防風効果は設置した高さの約20倍の範囲まで及ぶと考えられています。

短所

防風ネットには目合 (網目の大きさ) の種類が豊富に用意されていますが、農作物に応じたタイプを選ばないと、蒸れを起こす場合があります。梅雨時期に細かい目合を使うと通気性が悪化し、農作物が根腐れを起こす可能性があるため、適切な目合サイズを選ぶことが大切です。

また、果樹などを防風したい場合はネットが高くなるので、支柱が倒れないように設置しなければなりません。

防風ネットの種類

多くのメーカーでは、目合サイズが1〜9mmまたは12mm程度までの防風ネットを販売しています。巾1〜10m・丈1〜30m以上など多様なサイズがあり、使用場所にマッチしたサイズをオーダーできるメーカーがほとんどです。広範囲に一気に設置したい場合はメーカーに相談するとよいでしょう。

色はブルー・ブラック・ホワイト・グリーンなど、複数あります。色による防風率は変わりませんが、遮光率は黒に近づくほど低くなります。防風ネットを農作物の上部に使用する際は、見合ったタイプの防風ネットを購入しましょう。

防風ネットの選び方

防風ネットの選び方のポイントは、「目合サイズ」「防風率」「遮光率」の3点です。

目合サイズ 防風率 遮光率
1mm 70%  55%
2mm 60% 35%
4mm 30% 20%

※目安としての記載につき、各メーカーにてご確認ください。

目合サイズが小さくなるほど、風・砂塵・小虫などの侵入を防ぎ、防風率・遮光率が高まります。 同時に保温効果が高まるものの、通気性の低下や直射日光を遮る割合も高まるので、農作物の種類に合った目合サイズを選び、生育を妨げないように注意しましょう。

農業で使う防風ネットの選び方で迷ったら、4mmのブルーを選んでみてください。また、自宅のベランダ用に防風ネットを選ぶ際は、室内が暗くなりにくいように2mmのホワイト系がおすすめです。ベランダがおしゃれな印象になり、目隠しとしても使えます。安全第一で「防炎」タイプを選びましょう。

防風ネットのその他情報

防風ネットの張り方

一般的な防風ネットの張り方をご紹介します。防風ネットが強風に耐えられるよう、しっかりと固定することが大切です。なお、ネットを張る前に以下の物を用意位します。

  • 防風ネット
  • 支柱 (単管パイプなど)
  • ハンマーまたは支柱ハンマー
  • ロープまたはワイヤー
  • パッカー
  • 吊り金具

ステップ1:支柱を設置
支柱とする単管パイプなどを、ハンマーまたは支柱ハンマーを使って地中に打ち込みます。深さは支柱の2割強の長さを目安にし、1〜2m間隔に設置すると強度が高まります。

地盤がやや固い場合は、「先端がスクリュー状の穴掘り機」を活用すれば、簡単に穴を開けられます。また、防風ネットの丈が数メートルに及ぶ場合は、地中に「基礎ブロック」などを設置してから支柱を設置すると安心です。強風に耐えられるよう、支柱に筋交いを施すとよいでしょう。

ステップ2:支柱に防風ネットを固定
固定式の場合

  1. 防風ネットの両端を、設置した支柱にロープなどでしっかり固定する
  2. 途中の防風ネットは、ネットを挟み込むパッカーで固定する

開閉式の場合

  1. 各支柱の上部にロープまたはワイヤーを渡し、しっかり固定する
  2. 防風ネットの上部に、吊り金具を約50cm間隔で取り付ける
  3. 防風ネットに設置した吊り金具を、ロープまたはワイヤーに通す
  4. 防風ネットの両端を、設置した支柱にロープなどでしっかり固定する
  5. 途中の防風ネットは、パッカーで固定する
  6. 開閉する際は、パッカーを取り外してネットをスライドさせる

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