堆肥枠とは
堆肥枠とは、農地に設置し、コンポスト (堆肥) の作成・保管を行う枠です。
堆肥枠は、自家製の堆肥を作る際に利用されます。コンポストとは、有機物を分解して天然の肥料を作ることです。肥料は土壌を豊かにし、植物を健康に育てるのに適しています。
堆肥枠を使用することで、農家や農業従事者は、収穫後の野菜の茎葉や落ち葉、雑草などの不要な部分を肥料に変換することが可能です。堆肥枠は、一度購入すれば半永久的に使えるため、設置しておくだけで年間を通して大容量のコンポストが作れます。有機農業の担い手として、堆肥枠を使うことで地球環境に配慮するだけではなく、長い目で見てコストパフォーマンスもよい農業資材です。
堆肥枠は、設置場所や容量、切り返し、取り出し作業のしやすさなどを考慮して選択します。形状は、角型や丸型などがあり、容量は一般家庭用の小さなものから、3,000L以上の大きなサイズの堆肥枠まで種類豊富です。材質には、プラスチックや金属、木製のものがあります。
堆肥枠の使用用途
堆肥枠は、不要な農作物や刈り取った雑草などを放置することで、有機廃棄物から堆肥を生成するために使用されます。また、堆肥を保管するのも一つの用途です。作ったコンポストは天然の肥料として使用可能で、土壌に栄養を与えて作物の生育を助けるとともに、廃棄物を減らすことができます。
堆肥枠は農家や企業、家庭でのコンポスト作りなど、幅広い用途で使われます。微生物を多く含むふかふかの手作りの堆肥は、土に養分を与えるだけではなく、通気性や水分保持能力を高める目的で、土壌改良資材としても使用されます。
堆肥の原料は、生ゴミや不要な農作物、剪定くず、落ち葉であることから、通常堆肥枠は屋外に設置されています。容器が太陽の熱によって暖められることにより、分解・発酵が促進します。雨風にさらされるため、蓋がないタイプの堆肥枠は、熟成中の堆肥にシートを被せておくことが必要です。
堆肥枠の特徴
長所
堆肥枠の長所は、収穫後の野菜の茎葉や剪定くず、落ち葉などを入れるだけで、天然の肥料を作ることができることです。通常は捨てられてしまうものをコンポストとして使用できるため、ゴミの削減にも役立ちます。環境保護の観点からは、有機の肥料で植物を育てることが可能になります。
堆肥枠は半永久的に使用可能で、設置しておくだけで多くの堆肥が作れます。堆肥の大きな特徴は「肥料を与えること、土壌改良をすること」の2つです。堆肥枠で作られる栄養豊富な土壌改良材は、農家が長期にわたり高額な肥料への支出を節約するのにも役立ちます。
短所
堆肥枠の短所は、正しく機能させるための継続した管理が必要なことです。堆肥枠に入れた有機物は、微生物による分解、発酵を経て堆肥にいたります。微生物が活動できるように、空気を入れるための切り返し作業や堆肥が含む水分量の確認を行います。
適切に管理されないと、堆肥作りがうまくいかず、臭いを発するようになることがあります。また、堆肥枠を設置できる土地も必要です。
堆肥枠の種類
堆肥枠には、主に下記のような種類があります。
1. 堆肥枠の形 による分類
堆肥枠には、大きく分けて四角い形と丸い形のものがあります。四角い形の堆肥枠は、土地の隅にすっきりとおさまります。
堆肥を混ぜたり切り返したりするメンテナンスの利便度は、どちらも同じです。丸型の堆肥枠で筒形の商品は大容量タイプです。
2. 堆肥枠の材質 による分類
堆肥枠には、樹脂製、金属製、木製の商品があります。アルミ製などの金属素材のものは錆びにくく、耐久性があり、プラスチックの堆肥枠のように、落ち葉などを押し固めているときに割れることもありません。
最も高価な堆肥枠です。一方、プラスチックのものは軽く扱いやすく、木製の堆肥枠は周囲の自然環境に溶け込む美観を備えています。
3. 組み立て方による分類
堆肥枠には、組み立て式の商品もあり、これらは不要になったら折りたたんで保管をすることができます。組み立て式の商品は、持ち手が付いていたり、プラスチック製のものが多く、軽いために運搬・設置がしやすいのが長所です。土地が有効利用できるため、一時的に堆肥作りをしたい人におすすめです。
堆肥枠の選び方
1. 大きさ
堆肥枠には、さまざまな大きさの商品が販売されています。そのため、まず堆肥枠のサイズを決定する必要があります。
堆肥枠のサイズは、作成できる堆肥の量に直結するため重要な部分です。大量の堆肥を作りたいにも関わらず、広い面積の置き場所がない場合は、堆肥枠を上に引き上げることでさらに投入が可能なタイプがおすすめです。
2. 材質
堆肥枠の場合、使用されている素材により価格に大きな違いがあります。耐久性があるアルミ製などの金属製のものが最も高価で、スタンダードなサイズ (150 x 150cm) で4万円程度から販売されています。
素材によって特徴が異なるため、機能面と価格面のバランスを考慮することが大切です。