超合金とは
超合金(Superalloy)とは、800℃以上といった高温でも所要の特性が維持できるよう開発された合金の総称をいい、耐熱性のほか高硬度や耐酸化性なども優れた金属です。
はじめて開発されてから以降も開発は続けられ、数多くの耐熱性の優れた合金が登場しています。
現在では、ニッケルをベースにしたNi基合金、コバルトがベースのCo基合金、鉄ベースのFe基合金の3種類が主流となって開発が進められています。
さらに、超合金の開発は3種類のベースとなる合金にとどまらず、モリブデンやタングステン,チタンなどの物質を添加するといった取り組みも進められています。
超合金の使用用途
鉄ベースのFe基合金は、超合金の中でも機械的強度に優れていることからジェットエンジンやロケットエンジンへの使用がよく知られています。
また、ニッケルベースの超合金もFe基合金と同じように強度に優れていることから、ターボチャージャーやマイクロガスタービンなどに使用されています。
そのほか、コバルトベースのCo基合金は機械的強度が若干劣るため、ガスタービンの中でも静翼に使われたり、高温炉の路床などに使用されたりと、超合金も使い分けされることでさまざまな分野で使用や検討が行われています。
超合金の特徴
超合金が開発されるまでの耐熱性に優れた金属としては、ステンレス鋼や耐熱鋼が知られていましたが、いずれも特性を維持できる温度はおよそ500℃と言われていました。
もともと、耐熱性に優れた金属はその融点が高いことが前提とされ、おもな金属のうち一番融点の高い3422℃の「タングステン」から順次「モリブデン」「ニオブ」「チタン」「鉄」「コバルト」「ニッケル」と下がってきます。
ここで、上位となっているチタンは室温での耐食性には優れているものの、高温になると酸化が著しく特性維持ができないという欠点があり、チタンより融点の高いその他の金属も同様の傾向を有していました。
そこで、超合金はニッケル、鉄、コバルトという比較的融点が高く、添加物質との融和性もある金属をベースとして、配合量などを変えるなどして開発が進められ生み出されたものと言われています。
超合金は、高温での耐食性ならびに耐酸化性と強度の両立を叶えるため、いろいろな物質を配合量をかえながら特性の更なる向上をめざすと共に、耐熱コーティングといった手法も取り入れつつ開発がさらに進められています。
なお、JISでは「耐食耐熱超合金棒」という名称で「NCF600」などの超合金が規定されています。