竹の子ばね

竹の子ばねとは

竹の子ばねとは、板材を竹の子のように巻いて作られたばねです。

形状が竹の子に似ていることから名づけられたもので、占める体積のわりに大きな荷重に耐えることができます。

竹の子ばねは、焼入鋼やステンレス鋼などの板材を少しずつずらしながら巻き上げていき、さらに両先端の研磨も必要となるため従来から大型の竹の子ばねともなると製造にかなりの熟練を要すると言われていました。

通常竹の子ばねは、1mm~30mm程度と幅広い板厚の板材が使用され製作されています。

竹の子ばねの使用用途

竹の子ばねは、小型のものではボールネジのカバーなどに使われたり、大きなものでは産業機器の衝突時の衝撃を吸収してくれるばねなど、幅広く使用されています。

変わったところでは、自転車にも「タケノコバネ」と呼ばれるばねが使われています。

このタケノコバネは、クロスバイクやロートバイクによく使われている「クイックリリース式」の車軸に装着されており、板材の幅が狭いため一見するとコイルバネのようにも見えるものです。

なお、竹の子ばねはJIS B0103:2015「ばね用語」のなかで「番号3300」として登場しています。

竹の子ばねの特徴

竹の子ばねは、「荷重」対「たわみ」を表す荷重特性グラフで非線形性を有することが知られています。

竹の子ばねがしめす荷重特性の非線形性とは、荷重特性グラフで直線性を示していたものが、荷重を増やしていっても「たわみ」量が比例せず小さくなる現象を指します。

一般的に、ばねのたわみ量は「荷重」や「有効巻き数」に比例することが証明されています。

しかし、竹の子ばねの場合は構造上荷重が大きくなるに従い、巻かれた板材が徐々に隣同士で密着し始め、実質的にばねの有効巻き数が徐々に減少するため直線性が崩れると考えられています。占める体積に比較して大きな荷重をかけることが可能であり、500kNという記録も公表されています。

使用される長方形の板材は、完成状態で両端 (座巻と呼ばれています) が水平で徐々に厚さを増すよう、座巻部の板材の幅と厚さの両方向で適切な寸法にテーパ状にカット加工されているのが一般的です。

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