鋸とは

鋸

鋸 (英: Saw) とは、並んだ刃によって対象物を切断する工具です。

木材やプラスチックなどを切断するために使用されます。持ち手部分と複数並んだ金属刃が連結しており、刃を対象物に当てて押し引きする動きを繰り返して切断します。鋸によって精密な切断が可能で、曲線や角度の切削、特殊な形状の作製に適しています。

木工や金属加工などの分野で重要な工具です。 また、比較的低コストで入手できて長寿命であるため、経済的にも有利な工具です。鋸の種類はさまざまで、切断する材料や用途に応じて選択する必要があります。

鋸の使用用途

鋸はさまざまな用途で使用される道具です。以下は鋸の使用用途です。

1. 木工

鋸は木材を切断し、形状を整えるための主要な道具です。木工ではさまざまな種類の鋸が使用されます。家具製作や木製部品の加工が主な用途であり、直線切断や曲線切断、穴あけなどの加工に使用されます。

2. 建築

建設業界では木材や合板の切断に欠かせないツールです。木材を正確に切断して木造家屋の骨組みを組み立てたり、建物の仕上げ作業に使用されます。また、ドアと窓の枠組みを調整し、適切なサイズにカットする際に使用される場合も多いです。

3. 園芸

園芸用の鋸は庭師や植物愛好家にとって有用なツールです。枝や木の剪定に使用され、植物の成長を整えたり、危険な枝を取り除いたりします。また、木の表面を滑らかに切り揃えたり、木を整えたりするのにも有利です。

園芸用鋸は庭に木がある場合に、その管理や手入れに使用されます。これにより、庭木を形を整え、魅力的な庭園を演出することが可能です。

4. DIY

DIY (Do It Yourself) において、鋸を使用してさまざまな作業を行います。家屋の修理や改装、家具の製作に鋸を使用することが多いです。正確な寸法とクリーンな切断が要求されるため、適切な鋸の選択と技術の習得が重要です。

鋸の原理

鋸は、歯が材料に食い込んで切削するという基本的な原理に基づいています。鋸の刃には一連の歯が均等に配置されており、歯の形状やピッチなどが種類に応じて設計されていることが多いです。

刃を材料に押し付けると、歯の鋭利箇所が表面に食い込みます。この状態で前進させると材料は切削され、所定の形状に切り抜かれる仕組みです。鋸を逆に引いて後退させると、歯が噛み込まずに簡単に引くことが可能です。

歯が材料を切削すると、材料の粉末や切りくずが発生します。これらの切りくずは引く動作などで歯の間から適切に排出され、切削をスムーズに進行するように設計されています。また、適切な圧力をかけて鋸を操作することも重要で、歯が材料に十分な摩擦力を発生させることが必要です。

鋸の種類

鋸には用途によって、さまざまな種類があります。

1. 両刃鋸

両刃鋸は、縦挽用の刃と横挽用の刃がのこ身のそれぞれ上下についた鋸です。縦挽は木目の方向に沿って切断します。刃が引く手元方向に裏刃、反対が表刃になっています。

それに対して横挽は、木目に対して垂直に切断するため、繊維が切断できるよう刃が縦挽よりも細かいです。縦挽か横挽かを間違えて使用すると刃を痛めたり、対象物がきれいに切れないことがあるため注意が必要です。

2. 電動鋸

電動でモーターを動かして対象物を切断する鋸です。切断する力が強く、金属やプラスチックなどの材質を切断できます。

3. 胴付き鋸

片刃のこ身の反対側に補強する金属が入れられた鋸です。薄い刃である場合が多く、歯のピッチが細かく刻まれています。丁寧な加工ができる点が特徴で、切断面をなめらかに仕上げることが可能です。

4. 糸鋸

糸状の細い刃で構成された鋸です。非常に細かい刃を持っており、容易に曲線状の切断ができます。精密作業が必要な用途に適しており、模型作製や工芸品作製などに使用されることが多いです。

鋸のその他情報

1. 横挽刃の特徴

鋸刃には木の繊維の方向に使う縦びき刃と、繊維を断つ方向に使う横びき刃があります。横挽の鋸刃は歯の全体形状が台形状です。歯形の標準は切削角が90°、切れ刃角が60°、裏歯と上歯のなす角は15°ほどです。

さらに、裏刃や上刃の側面には、側刃と呼ばれる45~60°の切れ刃が付属します。

2. アサリ

鋸刃はアサリを有していることが多いです。アサリは材木との摩擦係数を少なくし、オガクズを排出しやすくする働きがあります。したがって、未乾燥材木にはアサリの幅が大きい鋸刃を選択し、乾燥材や新建材にはアサリ幅が小さい鋸刃を選択します。

3. 鋸の目立て

鋸の切れ味が悪い場合、目立てによって復元可能です。専用の精密ヤスリを使用し、鋸刃の上目角度にヤスリを合わせます。その際に鋸刃の裏刃をすり込まないように注意が必要です。

砥ぐ際には最初は表だけ行い、次いで裏返して行います。仕上がりの目安は、天刃が丸みをおびて白く光る部分がないことです。左右の高さが同じ高さになるように揃っていることも確認します。

各種メーカー専用の目立機を使用することにより、自動で目立てを行うことが可能です。目立機を使用する場合には、刃の表面を洗浄するバリ取り洗浄機を併用することもできます。

参考文献
https://www.monotaro.com/s/pages/productinfo/saw_type/
http://www.monotsukuri.net/wbt/wbt_daiku/d0234/d0234.htm
http://www.monotsukuri.net/wbt/wbt_daiku/d0307/d0307.htm
https://diytools1.com/2016/05/02/post-14275/
https://www.nakaya-saw.co.jp/metate/

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