CAEソフトウェア

CAEソフトウェアとは

CAEソフトウェア

CAEソフトウェアとは、空気の流れや伝熱、構造物に加わる応力などをパソコンやスーパーコンピュータで計算するソフトウェアです。

多くのCAEソフトウェアは有償ですが、流体解析ソフトのOpenFAOMや応力解析ソフトのAbaqusなど、無償で利用できるソフトウェアも多数存在します。CAEソフトウェアは、実験施設や構造物を製作して実験する方法の代替として用いられる場合がほとんどです。

実験施設や大きな構造物は試作が困難な場合があるため、低コストなCAEソフトウェアが使われます。

CAEソフトウェアの使用用途

CAEソフトウェアは、主に製品の開発工程で用いられ、自動車などの製造業分野で広く使用されています。CAEソフトウェアを使用することで試作品を製作し、実験せずに製品の性能を評価することが可能です。

そのため、開発期間の短縮や試作コストの削減が可能になるというメリットがあります。また、大規模な構造物や特殊な環境での実験の代替として、航空宇宙分野などでCAEソフトウェアが利用されています。例えば、飛行機の翼周辺の空気の流れを調べる場合、縮小サイズの模型を作り、実験する必要があるため、コストと時間がかかります。

しかし、CAEソフトウェアを用いれば、コンピュータ上で実験以上に詳細な風速分布や圧力分布を得ることが可能です。より詳細なデータを得られることから、不具合原因の解明に役立つ場合もあり、実用性に優れています。

CAEソフトウェアの原理

CAEソフトウェアは、パソコンやワークステーションなどのコンピュータ上で方程式を解くことにより、様々な物理現象をコンピュータ上での再現が可能です。例えば、理化学研究所の飛沫に関するシミュレーションは、飛沫が飛び散る現象を再現した結果です。

シミュレーションは、CADデータの作成から始まります。そして、要素分割および境界条件や物性値などの設定といった準備段階 (プレ処理) を経て、方程式を計算するシミュレーション実施の段階 (ポスト処理) に入ります。シミュレーション終了後、計算結果の可視化や分析へ進みます。

要素分割などのプレ処理に特化したソフトウェアや、ポスト処理後の結果の可視化に特化したソフトウェアも存在します。多くのCAEソフトウェアは、プレ処理とポスト処理が一体となっていますが、一般的なCAEソフトウェアは方程式を計算するソフトウェア、つまりポスト処理のみを行うソフトウェアのことです。

CAEソフトウェアでは、対象としている流体や構造物の方程式が解きやすいように、要素分割をする離散化と呼ばれる手法が用いられます。また、CAEソフトウェアで解く方程式は偏微分方程式である場合がほとんどです。偏微分方程式は解が求められない場合が多いため、計算をコンピュータで実施し、近似の解を求めます。離散化をした後、コンピュータで近似の解を求めることがCAEソフトウェアの基本的な役割です。

CAEソフトウェアのその他情報

1. CAEソフトウェアの離散化

離散化の手法は差分法や有限要素法などが有名で、空間や構造物の離散化に用いられます。時間で変化する現象をシミュレーションする場合については、陰解法や陽解法が用いられます。

その他、温度などに依存する物性値を決定する数式などを用いる場合もあり、CAEソフトウェアの手法は多種多様です。CAEソフトウェアの手法は多種多様な選択肢があるため、シミュレーションしようと思う現象に応じて、その都度、最適な手法や条件を設定する必要があります。

2. CAEソフトウェアのシュミレーションソフト

CAEソフトウェアには様々なシミュレーションソフトがあります。代表的なものは、熱流体解析ソフト構造解析ソフト電磁場解析ソフトなどです。

熱流体解析ソフト
熱流体解析ソフトは、流体の流れや熱の移動をモデル化した方程式をコンピュータを用いて解き、シミュレーションによって表現して、熱流体を解析することができるソフトです。

構造解析ソフト
構造解析ソフトとは、解析対象に荷重が加わることで変化する物理量をシミュレーションを用いて解析するソフトウェアです。有限要素法などは構造解析ソフトで多く用いられます。

電磁場解析ソフト
電磁場解析ソフトは、電磁波や磁力が、対象物に対してどのような影響を及ぼすかを調べるために利用されるソフトウェアです。自動車、宇宙、防衛などの幅広い産業で利用されています。

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